Oh! My HONEY 3


温くて柔らかい。
ふわふわ、夢心地かも。
ねぇ、日がな一日こうやっていたい。



「…んっ、ン…」
もそ、と身じろぎすると暖かいものが触れる。
そうだった、昨日から遊星の部屋に引っ越して来たんだっけ。
引っ越しの作業に疲れて遊星と二人で倒れるように眠ってしまったんだ。
うっすらと目を開けると、静かに眠っている遊星が目に入った。
子供みたいな穏やかな寝顔。
凄く、可愛い。
そうっと頬に触れてみる。
「…」
ぴくりともしない。
キス、しちゃおうかな。
反応しない遊星にもそもそ近寄る。
起こさないように気をつけながら息を殺して顔を近付ける。
―ちゅ
頬に優しく唇を押し付けた。
ふわりと遊星の香りが舞う。
「…ゆうせい…」
とても愛おしく感じる。
普段の遊星はいつも冷静で無表情で、でも今はこんなにも無防備。
ああ、大好き…。
胸に頬を擦り寄せて目を閉じた。
…幸せ…。


気付いた時にはが胸の上で寝息を立てていた。
すやすやと気持ち良さそうに。
起こさないように気をつけながら、そっと視線を落とす。
…」
あどけない寝顔。
可愛い。
いつまでも見ていられる。
だけど見ているだけというのは、目の前に並べられたお菓子を見つめ続けるようなもの。
甘い滑らかな舌触りを堪能したい。
すがりつかれているような態勢も悪くないが、自分の胸で眠るが愛しくて堪らなくなる。
起きてしまうかも…と思いながら遊星はの体を引っ張りあげる。
「ん、…」
少しだけ小さく反応したものの、は目を覚まさない。
遊星はそんな彼女にキスをする。
暖かい。
ぎゅ、とを抱き締めた。
「…ん、?」
小さな溜め息と共にほんの少しだけが目を開けた。
まだ何をされているのかは分からないらしい。
ぼんやり焦点の合わない視線を遊星に向けた。
「おはよう、
唇を離して遊星は囁くように声を掛ける。
「遊星…?」
間近に遊星の顔。
急に覚醒を始めるの頭が、真っ直ぐに見つめてくる遊星を認めて頬を紅潮させた。
「お、おはよ…遊星…」
キスされてた?
寝ている間にキスなんてお互い様だけど、寝顔を見られたのはちょっと恥ずかしい。
でも、朝から遊星の声が聞けて遊星に抱き締めてもらえるのは凄く嬉しいことだ。
これだけでも一緒に住んで良かったかもと思える。
「朝からの顔が見れるのはいいことだな」
「!」
遊星も同じことを考えてた。
嬉しいような恥ずかしいような。
でもやっぱり嬉しくて、抑えきれずはにっこり笑ってしまう。
「どうした、嬉しそうだな」
「うふふ。内緒」
くすくす笑いながら遊星の首元に顔を埋めた。
遊星の耳をくすぐるの息遣い。
やれやれ。
こんな可愛いことをされると朝から我慢が出来なくなる。
ごそ…と遊星の手がの寝間着の中に入ってきた。
「え、ちょっ…遊星?」
が可愛いことをするから、俺の我慢が効かなくなるんだ。良いよな?」
「よ、良くない!朝だし!誰か起こしに来たらどうするの!?」
慌てて遊星から体を引こうとするが、ぎゅっと腰を抱かれていて動けない。
するりと侵入する手は好色にの体を撫でている。
くすぐったさの中に色濃い熱が生まれ始める予感があった。
まだ数えられるくらいしか遊星と体を重ねていないのに、こんなに簡単に反応してしまうなんて。
「やっ、ん…遊星、ダメ…」
甘い息を吐き拒むように遊星の胸を押し返すが腕に力が入らない。
そんな仕草が更に遊星を煽るとも知らず、体を捩り逃げようとする
「可愛いな、…逃がさない」
「あぁっ…!」



朝からたっぷりと愛されてしまい、はぐったりとしながら遊星の愛情を思い知らされたのだった。