Bland new world


深夜。
なのにガレージから漏れる明かり。
「遊星、まだ起きてるんだわ」
向かいの窓から眺めていたは溜め息を一つ吐くと時計を確認する。
「3時…ね」
小さく呟いて部屋を後にした。
勿論ガレージの主に会うためである。





Bland new world





集中すると周りが見えなくなる性質の遊星は深夜になったことも気付かない。
「…やっぱりまだ起きてた」
外から投げられた声にふと顔を上げた。
である。
「遊星、今何時か分かってる?」
の後ろは真っ暗なので夜と言う事は理解できた。
ふと時計を見る。
「…3時を回ったところだな」
「昨日は明かりが見えなかったけど、ちゃんと寝たの?」
「ああ」
「ふぅん…」
視線を合わせることはしないが、どうやら嘘を吐いてはいないらしい。
表情も乏しく抑揚もあまりない遊星だが、誤魔化している時とそうでない時の区別はすぐにつく。
付き合いもかなり長い。
はクロウと同い年で遊星より二つ下だったがサテライト時代からの馴染みである。
しばらく無言で互いを観察するとも無く見ていたが、時々吹き込む晩夏の風にがくしゃみをした。
「…突っ立ってないで入ったら如何だ」
「そうさせてもらおうかな。急に寒くなったしね」
腰に巻いていたパーカーを羽織ってはガレージ内に入ってきた。
遠慮も無くソファに腰を沈める。
無言で遊星の作業を眺め続けるに遊星は視線を返した。
「何か用があって来たんじゃないのか。こんな時間に」
手を止めることはしない遊星に不満そうな顔をする。
しかし遊星は気にも留めない。
が遊星の嘘を見抜けるように、遊星もの顔色を見てレッドゾーンか否かくらいすぐに分かる。
実は密かにずっとだけを見てきたのだ。
それをは知る由も無い。
ただ、遊星の経験から言ってこれは本当に怒っているわけではない。
どちらかというと女が月一で不機嫌になるような理不尽なやつだ。
下手に刺激した方がかえって面倒なことになるに違いない。
それに喧嘩をしてガレージに遊びに来なくなっては困る。
ここに来ている間はにつまらない男が寄って来ることもない。
だから用件のみを問い、の不機嫌の理由を探ろうと思っていた。
「…別に…」
遊星の問いに対して歯切れ悪く横を向いた
「言いたくないならそれでもいいが」
こういう時は引いてみるに限る。
興味を失った素振りをすればは口を開くことが多い。
「………アキさん…」
「アキ?アキがどうしたんだ」
意外な名前がの口から出た。
てっきり今晩寝ていないことを咎めに来たのだと思っていた遊星は一瞬作業の手を止める。
「アキさん、Dホイールに乗せたんでしょ?」
「ああ、昨日乗せた。アキからシェリーのことを聞いたのか?」
「そう!聞いたの!アキさんのことも、そのシェリーって人のことも!!」
急にの語気が荒くなる。
しかし深夜であると言う事を思い出してはっと口に手を当てた。
「そうか」
「そうか、じゃないよ。なんであたしが怒ってるか気付かないの?」
「…」
昨日誘拐をされかけたことを伝えなかったからだろうか。
確かに心配を掛けまいとに教えなかったのは事実だが、アキから聞いているのなら問題はなさそうだ。
黙り込む遊星には溜め息を吐く。
「やっぱり、乗せたんだ…」
「あのままトレーラーと海にダイブすれば良かったのか?何が気に入らないんだ」
「…」
遊星の言葉には唇を噛んで俯いた。
言いたいことがあるが、言えない。
そんな時にする仕草だ。
鬼柳とが喧嘩した時によく見たが(主に仲直り時)、遊星にこの仕草を見せるのは珍しい。
「……も乗るか?」
とりあえず街の中を一周でもさせればの頭も冷えるかもしれない。
冷静になったらもう一度原因を聞いてみればいい。
それに、とDホイールの二人乗りなんてとても魅力的だ。
今までそんな大それたことを考えた事も無かったけれど、提案くらいならもっと早くにしても良かったな。
ややの下心を隠した遊星の誘い。
その言葉に弾かれたように顔を上げたは、顔を赤らめて驚いた顔をしている。
「今、何て?」
「だから、も乗るかと聞いたんだ」
「乗るっ!!」
食い気味に返事をするは勢い良く遊星に近付いてきた。
「今すぐ乗る!」
「落ち着け、分かったから」
頬を上気させるは急に機嫌を良くしたようだ。
正解の回答をしたらしいが、Dホイールにそんなに乗りたかったのか。
まあそれくらいでの気が済むなら遊星としては別に構わない。
寧ろ、ちょっと嬉しい。
友人が自分の好きなものに興味を持つというのは誰であれ大なり小なり嬉しいものだ。
遊星も例外ではない。
そしてそれがなのなら歓迎しないわけが無い。
が今すぐに乗るというなら喜んで乗せてやろうというものだ。
流石にガレージを開けっ放しではいけないので、遊星はDホイールをシャッターの外まで押して出すとシャッターと鍵を閉めた。
「ほら、先に後ろに座るんだ」
「ん…ありがとう」
促されはDホイールに跨った。
初めての体験である。
「なんか…新鮮。Dホイール初めてだし」
「そうか」
遊星はがいるのでいつもより少し前に座る。
下心が無いわけではなかったが、あまり体がくっつくのは嫌だろうと遊星なりの配慮だった。
しかし。
「っ、!」
ぎゅうっとが遊星にしがみついてきたのである。
背中に押し付けられるの温もり、頬や胸の柔らかさを感じて流石の遊星も慌てて後ろを振り返った。
…っ!?」
「何?」
振り返った遊星を見上げてくるはさも当たり前のような顔をしている。
慌てている遊星が逆に変な程、当然そうな表情だ。
「どうしたの?」
「…い、いや…」
どうしたと聞かれても素直に今の状況を解説出来るはずも無く。
歯切れ悪く口篭ると遊星は前に向き直った。
「…行くぞ」
「うん!」
明るいの声に促されるように遊星はグリップを握り込んだ。
エンジンが深く唸りを上げる。
その瞬間に腰に回った腕に更に力が篭められたのが分かった。
更に密着する体に遊星はどぎまぎしたが、もうを振り返ることはしない。
浮遊感にも似た滑走の瞬間。
すう、と冷たい風が頬を打つ。
流石にライディングデュエルを始めるわけではないし、街中なので急加速はしないものの、遊星は強くアクセルを噴かした。
「っ…!!」
後ろでが息を飲んだのが分かる。
ぎゅうぎゅうと抱き付いている腕はそのままだ。
「大丈夫か、
「ん、大丈夫!寧ろもっと速くてもいいかも!!」
楽しそうに上擦った声を聞いて、遊星は少し笑った。
深夜の街に赤い一閃が闇を裂いて駆け抜けていく。




ハイウェイを走り抜ける頃にはもかなり慣れてきたようで。
ある程度遊星の背中に体を預けてはいるが、最初ほど密着した状態でも無くなった。
晩夏の風が冷たいから温もりが消えるのはやや寂しいような気分だが、正直密着した状態は落ち着かなかったからほっとした。
「あ、遊星…見て見て。月が二つあるよ」
「ああ…そうだな」
海に反射した月を指して穏やかな声で遊星に話しかけるの機嫌はすっかり直ったようである。
、お前はさっき結局何を怒っていたんだ?」
「…え」
「少し考えたが、どうしてもを怒らせた原因を見つけられない。俺が何か悪い事をしたなら謝りたいんだが…」
「……別に、…」
遊星の言葉にはまたしてもぎゅうっと抱きつく格好になった。
先程失った温もりと柔らかさが戻ってきて、遊星はまたこっそりと心拍数を上げる。
「っ、…?」
黙り込む
しまった、折角機嫌が直ったのにと心の中で舌打ちをする。
しかしは意外な事を遊星に告げた。
「…別に、遊星が悪い事したわけじゃ…ないんだよ」
背中から聞こえた小さな声に遊星は振り返った。
自分の背中に頬を押し付け海の方を見詰めるが見える。
「じゃあ何故怒っていたんだ?」
「……た、の…」
遊星の問いに答えたの声が風に流される。
心なしか背中のの体温がほんのりと上がったような気がした。
「すまない、風でよく聞き取れなかった。もう一度言ってくれ」
少しだけ速度を落としての言葉を待つ。
一呼吸遅れては改めて口を開いた。
「…嫉妬、したの。あたし、遊星が好きだから…」
「!」
の言葉に驚いてもう一度後ろを振り返る。
視界に捕えたの顔は真っ赤だった。
遊星の背中に頬を預け、やはり視線は海に向けている。
思わず見惚れかける遊星に、は視線を向けた。
「…聞こえた…?ちゃんと…」
おずおずと上目遣いで顔を赤らめながら確かめてくる
どきっと遊星は心臓が跳ねるのを感じる。
月の薄明かりに横顔が照らし出され、幻想的な雰囲気すら漂っているかのようだ。
思わず遊星はDホイールをゆっくりと停車させていた。
もっときちんとを見たい。
「遊星…?」
Dホイールを降り、ヘルメットも取ってシートの上のを振り返った。
急にDホイールを停めた遊星を不思議そうには見上げる。
その仕草に先程の雰囲気が蘇ってくるのを遊星は感じた。
「どうしたの…きゃっ、…」
遊星の手がに伸ばされたかと思うとすぽんとのヘルメットも取り上げた。
流れ落ちたの髪を、ハイウェイを吹き抜ける風がさらりと揺らして月光を反射させる。
「やだ、ちょっと、じっと見ないで!」
赤くなった顔を隠すようには遊星から顔を逸らして頬に手を当てる。
見たことも無いような可愛い仕草だ。
遊星はシートの上のに視線を合わせるようにしゃがみ込む。
「俺も、が好きなんだ」
「…え…」
遊星の言葉には頬に当てていた手を離して遊星の方に向き直った。
見上げるようにを見ている遊星と視線が合って心臓が高鳴る。
嘘なら確実に分かる関係のはずなのに、何故だろう今は全然それが働かない。
「ご機嫌取ろうとしてる?泣かれたら迷惑だから…」
「そんな悪趣味な嘘は吐かない。なら俺が嘘を吐いているかどうか分かるだろう?」
「…わかんないよ…、だって…遊星そんな素振り全然…」
「そんな素振りを見せなかったのはもだろう?今の今まで全く気付かなかった」
「それは…そうだけど…」
膝の上に置いたの手を遊星は優しく握る。
夜風と緊張に冷えた指が温かな遊星の手に包まれて、はどきどきした。
見下ろす遊星の口がゆっくりと開く。
「ずっと、が好きだった。嘘じゃない」
真剣な遊星の視線に嘘はないように見える。
普段なら簡単に分かるのに、遊星のこの気持ちだけは何故か見抜くことが出来ないけど。
「…うん、信じる…」
はっきりとそう言ってくれるなら、はその言葉を信じることにした。
じんわりと温かな気分が広がる。
「あたしね、ずっと遊星が好きだったの。…とっても嬉しい」
「俺もだ」
「…あのね、もうDホイールの後ろに女の子乗せないでね。…緊急の時だけは、仕方ないけど!」
「ああ、分かった」
の口からこんな可愛い言葉を聞く日が来ようとは。
思わず笑う遊星をは少し拗ねたように見ていた。







「…遊星、待って…!」
「待てない…っ!」
真夜中の逢瀬を切り上げて帰ってきた遊星は、攫うかのようにを部屋へ連れ込んでいた。
「きゃっ、遊星…っ!?んン…っ!!」
引っ張り込んでドアを閉め、声をあげるの唇を自らの唇で塞ぎ、彼女を壁に押し付ける。
僅かな抵抗を見せる腕も掴んで壁に縫い止めた。
「…っ、ふ…うっ、…!」
苦しそうにが呻く。
それを聞いて、遊星はゆっくりと唇を離した。
吐息が交わるくらいの距離。
息苦しさから目に涙を溜めたが頼りなげな視線を遊星に投げてくる。
「…する、の?」
恥ずかしいから何をとははっきりと問えなかった。
「嫌か…?」
しかし意図は伝わっている。
遊星の確認には躊躇うように視線を泳がせた。
しかし、本当は答えなんか決まっているのだ。
「…良いよ、遊星なら」
伏せ目がちに視線を逸らし、頬を染めて受け入れると言う。
嗚呼、急に見たこともないくらいに可愛くなるんだな…と、遊星は不思議な気分になった。
愛おしさが溢れて止まらない。
「本当は…ずっとこうしたいと思っていた」
の手を押さえつけていた自分の手を離すと素早くの腰に腕を回した。
そうやってきつく抱き締めたまま、の首筋にゆっくりと鼻先を押し付ける。
「っ、あ…っ」
ぴくっとの体が小さく跳ねる。
その瞬間髪の香りがふわっと鼻腔をくすぐった。
甘い良い香りがする。
、凄く良い匂いがする…。堪らない、な…」
「やぁっ、ばか…!」
体を屈めての鎖骨のラインを唇でなぞった。
は恥ずかしそうに目を伏せて顔を逸らしたままだ。
しかし、ちゅ…と優しく唇を触れさせると伏せた睫毛がふるりと震える。
その様がまたいじらしくて堪らなく可愛い。
そんな姿を見せられると我慢できなくなってしまう。
腰を抱いていた手を離して、するりとの服の中に手を入れた。
「っ…」
首筋にキスをした時とは違い、はっきり分かるくらいにの体がびくっと震える。
拙かったか、と思いつつも遊星は自分を止められない。
滑らかなの背中を指で辿る。
「はぁっ…あぁぁぁ…っ!」
それだけでぞくぞくとしたくすぐったい感覚に襲われて、は声を上げながら小さく背中をしならせた。
「気持ち良いのか…?」
「わ、分かんない…。でも、あの…嫌じゃない、よ…」
恥ずかしそうにはにかんだ笑みを見せる
その表情は申し訳程度に残っていた遊星の理性を砕くには十分すぎる威力で。
気付けばは遊星によってベッドの上に放り出されていた。
「きゃんっ!」
乱暴なやり方には声を上げる。
抗議の声を上げる前にジャケットを脱ぎ捨てた遊星が圧し掛かってきた。
押し倒された格好のまま深く口付けられる。
「っ、ん…!」
ちゅくちゅくと口の中を舌で探るように撫でられた。
絡め取られた舌、交じり合う吐息。
溢れる唾液を必死で飲み込んで、ようやく解放されたと思ったら。
「ひゃあっ!」
無遠慮に遊星はの服を捲り上げた。
思わず悲鳴じみた声を上げてしまったが、遊星は淀みなく下着まで擦り上げてしまった。
ぷるんと震える白い胸が露わになる。
想像の中でなら何度だってを裸にしてきたが、本当の体を見るのは勿論初めてだ。
獣のようにごくりと喉を鳴らして顔を近づける。
「ゆ、ゆうせ…っ、やぁあっ!」
胸の膨らみに遊星がかぶりついた瞬間、痺れるような感覚がの腰を駆け抜けた。
「あぁっ!はぁっはぁっ…、はぁぁ、あ、んんっ!」
ねろねろと唾液を含んだ舌がの乳首を舐め回す。
ざらつく感触が弾くように何度も往復する度に、はびくんびくんと背中をしならせた。
「やぁんっ!ゆうせぇ…っそればっかり、しな、しないでぇ…っ!」
遊星の肩を押し返して止めさせようとするが、逆に背中を抱え込まれ空いている方の乳首もきゅううと摘みあげられた。
「くうぅぅんっ!」
押し返そうとした手で遊星の肩に縋りつく。
敏感に膨らんだ乳首を指先で捏ねるように弄られて、思わずは爪を立てた。
「…これが感じるんだな」
「あっ、あぁっ!やだぁ…っ、はぁ、あぁあぁぁぁっ…」
意地の悪い笑みを浮かべる遊星に指先で乳首を弄ばれる。
感じている顔を見られているのだと思うと恥ずかしいのに、じんわりと足の間がぬかるんでくるのが分かった。
「凄く、いやらしい表情だ…興奮する。ほら、分かるか?」
「やだ!そんな、こと…っ…しないでぇっ、…!」
「ああ…の足は…柔らかくて、気持ちが良いな…」
ぐり、と内股の辺りに遊星が腰を何度も押し付ける。
その都度感じる固い感触には顔を赤らめた。
そしてまた乳首を舌で突付かれる。
「はぁぁあっ!やぁ、イイ…っ、気持ちイイの…!はぁっ、ゆうせぇぇ…っ!」
充血して敏感になった乳首をちゅうちゅう吸われては髪を乱しながら喘いでいた。
脈動するように下腹の辺りが重苦しく切ない。
それを如何にかしたくて、は無意識に揺れる腰を遊星の腰に押し付けた。
「そんなに俺が欲しいのか…。は淫乱だな…」
熱に浮かされたような表情で、遊星はの足をするりと撫でる。
好色なその動きが性の色をに意識させて、余計に下腹の奥がきゅうんと疼いた。
「違、…あたしそんなんじゃ…っ!」
「じゃあ、どうしてここをこんなに濡らしているんだ?」
「あっ、嫌、うそ…っやだ、あっあぁぁぁっ!」
するんと下着を下ろした遊星の指がぬかるんだの溝に埋まる。
そのまま一番感じる部分を引っかくように刺激されてはびくびくと体を震わせて軽く絶頂に達した。
「はぁ、はぁぁ…っ、イ、イっちゃ、…あぁっ!待って…、遊星…っまだダメぇ…っ!」
絶頂の余韻も冷めやらぬ、の戦慄く秘部を遊星は更に攻め立てる。
ぬるつく指先で敏感な部分をぐりゅっと抉られた。
「はぁぁっ、あ!あ!だめっ…!またイっちゃうよぉぉっ!!」
腕の中で背中をしならせるを遊星は満足げに見下ろす。
放心したような表情で虚空を見詰める
浅く呼吸する度に柔らかな胸がゆったりと震えていた。
そんなの足の間に遊星はそろりと指を動かす。
「っ、あ…」
愛液の溢れかえる入り口に遊星は僅かに指を食い込ませた。
「はぁっ…遊星…?何、するの…」
「少し慣らすだけだ。あまり痛い思いをさせたくないからな」
「え…っ、あ…はぁあ…!」
ぬぷ、と埋め込まれた遊星の指を、はすんなりと飲み込む。
「痛くは無いか?」
「う、ん…大丈夫…。ちょっと、苦しい感じだけど…」
思いのほかスムーズに飲み込みはしたが、きゅうきゅうときつく締め付けてくる内壁に遊星は眩暈を覚える。
この、ぬかるむ狭いの中に自分のを埋め込んだらさぞかし気持ちがいいのだろう。
蠢く感触に思わず想像が先走り、下半身が更に膨らむのが分かった。
今すぐにでも挿入してしまいたいのを堪え、遊星は指を増やす。
「んっはぁ…っ、ああ…何、変な感じ…はぁん…っ」
中を緩やかに掻き回していると、が少しずつ甘い声を出し始めた。
特に反応の強い部分を重点的に弄ってみる。
「やぁっ、何…っ、あはぁぁっ!はぁっ!あぁ…っ、だめぇぇ…はぁ、ゆうせ、ぇ…っ!」
きゅうううと遊星の指を咥え込み、気持ち良さそうに腰を揺らす
嗚呼、堪らない。
遊星は指を引き抜いた。
「はぁぁ…っ、止めちゃ、やだ…」
「分かっている。指より、もっとイイものがあるだろう?」
言いながら遊星はベルトを引き抜き、ズボンのファスナーを下ろした。
もう十分に勃起した自身を取り出すとに覆いかぶさり、キスをする。
「俺も初めてなんだ。手加減が出来なくなったらすまない」
「え、っ…あっ!」
足を抱えあげた遊星がぐぷ…と中に自身を埋め込んだ。
指よりも圧倒的な質量のものがの内壁を押し広げて入ってくる。
流石に指である程度慣らしてもらったとはいえ、初めて男性を受け入れる痛みがを襲う。
「はぁぁっ、遊…星っ、はぁっはぁっ…」
顔を顰め苦しそうな表情をするとは裏腹に、遊星は掠れきった声をあげた。
「うっ…く、はぁ…っ、凄いっ、あぁ、っ、イイ…!」
狭いの中が遊星自身を断続的に締め付ける。
想像以上の快感に遊星はぶるりと体を震わせた。
腰をぎりぎりまで押し付けての最奥にまで達する。
「っ…痛く、ないか…?」
「んっ、ちょっと、痛かったけど…だいじょ、ぶ…」
「はあぁぁ…っ、あぁっ、…堪らない、な…。すぐにイってしまいそうだ…っ」
ざわりと蠢く内部が遊星に鈍い刺激を与え続ける。
「すまない…動いても、いいか…?」
「いい、よ…っ、大丈夫…っ」
鈍く痛むが遊星が射精を果たさねば終わりが来ない。
ベッドを軋ませて遊星は腰を引いた。
「っああ、はぁっ…はぁっ!、ああぁぁ!」
「んっは…あ、あ!や、ぁっ…!」
びくんとの背中がしなった。
先程遊星が指で攻めたところを苛み始めたからである。
指よりも強い感覚には声を上げた。
「あ!あ!やぁぁっ、なにコレっ…!はぁああぁぁっ!!」
「う、あぁぁっ、、っ!!すご、い…っ」
突き上げるたびにきつく締め上げられ遊星も堪らず声を上げる。
絡み合いながら夢中での中を犯した。
「はあぁっ、遊星っ!あたし、また…、イっちゃう!」
「ああ、イってくれ…っ、俺の、で…!、ああぁっ!」
びくびくと戦慄くの中が絶頂の予感を遊星に伝える。
既に限界を感じている遊星だが、を気持ちよくしてやりたいと込み上げる射精感を必死で押し殺しての最奥を突き上げた。
「あぁあぁぁぁっ!!!」
の爪先がぴんと空を蹴った。
びくびくと体を震わせながらは3度目の絶頂を迎える。
中がこれ以上無いくらいきつく遊星を締め付けた。
「ああぁっ、イくイく…っ!ダメだ、出る…っ!!」
に深々と自身を押し込んだままで遊星はたっぷりと射精した。
押し殺していたものを解放する瞬間に肌が粟立つほどの快感を感じた。
もしかしたら人生で一番気持ちの良い射精だったかもしれない。
収まりきらなかった精液が溢れての内股を伝い落ちていく。
そして、荒い息で遊星はの隣に崩れたのだった。






「なんか、すごく不思議な気分…。遊星とこんな風になるなんて思いもしなかった…」
「…俺もだ」
空も白み始めた早朝。
まだ誰かが起き出すまでは少し猶予があったから、遊星とは二人で仲良く湯船の中にいた。
流石にあのままでは眠るに眠れない。
「あのさ、あたし遊星に聞きたい事があったんだけど…」
「何だ?」
「アキさんのおっぱいどうだった?」
「………一体何の話だ」
折角想いが通じ合ったばかりだと言うのに、何だこの何を答えても地雷しか無さそうな質問は。
「だって、二人乗りしたんでしょ?」
「…」
したけど。
「ぎゅうってしたら、おっぱいもぎゅうってなるでしょ?」
「…」
多分なると思うけど。
が密着した時は柔らかさを感じたし。
「で、どうだった?」
「…そもそも、アキは別に俺にしがみついたりしていない」
「え…?」
「俺にしがみついたのはだけだ」
「………嘘…」
の頬がみるみる赤くなる。
「もしかして、それを怒っていたのか?アキが俺にしがみついたと思ったから…」
「…だだだだって!二人乗りしたって聞いたら普通抱きつくと思うじゃない!!好きな人が美人でセクシーな女の子に抱きつかれたら…普通嫉妬するでしょ!」
真っ赤になって捲くし立てる
恥ずかしそうに、そしてばつが悪そうに視線を逸らしながら。
そんな可愛いに遊星はそっと顔を近付ける。
そして耳元で囁いてやった。
は、柔らかかったな」
「!!」
かああ、と顔を真っ赤にしたは知らない!と言って遊星に背中を向けたのだった。









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ここまで読んでくださってありがとうございました。

この作品は
海と星と空と陸の冰覇様にお礼として捧げた作品です。

ご本人様以外の持ち出しは厳禁です。