満員、と言うわけではないが、それでも窮屈な電車に揺られて30分。
流されるようにホームを抜け、早足で研究所に向かう。
近くに部屋を借りようかなぁと考え始めたけれど、何となく踏ん切りがつかず現状維持のままで日々を消化している。
シティの某研究所。
はそこの職員だった。
難関をくぐり抜け、エリート街道を駆け抜けているように友人には映るかもしれないが、まだまだ入社したばかりのにとっては雑用の日々でしかない。
膨大なデータの入力、添削、ファイルを探しては地下の倉庫を歩き回る日々…。
一つボタンを掛け間違えれば後々それが全体に響いてくるのに、影響が出るまで気付かなかったりして。
修正のために終電を過ぎても帰れないことだってしょっちゅうだ。
しかし。
それでも。
が仕事を頑張れるには理由がある。
ロッカーに荷物を置いて、白衣を羽織り早足に部屋へと向かう。
自分の部署に行く前に必ず通るメインルームにはいつだって彼の姿があるのだ。
「おはようございます、遊星さん」
「…、おはよう」
嫌なこと憂鬱なこと、何もかもを対価にしても構わない。
そんな相手が存在する。
それが今のの原動力だった。
ー…またあたしかー…」
メモを握り締めて机に突っ伏す。
そこには日付と住所と電話番号が書かれている。
出張の日程である。
そんなが残る部屋に遊星が入ってきた。
一緒に昼休みを過ごすためにはこの部屋で遊星を待っていたのだった。
「待たせて済まない」
「あ、遊星さん。いえ、全然。あたしも今一段落したようなもので」
「それは?」
目敏くの手元に移した遊星に、はああ…と眉を下げた。
「や…また出張行かなきゃいけなくって…」
システム整備の関係上、全てを遠隔で設定しなおすなんてことが出来るわけもなく。
その都度出向かなければいけないが、面倒なものは下へ下へと回ってくるものである。
「××さん…あ、一緒に出張にいく上司ですけど、すごく目をかけてくれてて…ありがたいことなんでしょうね」
そう、勿論新人だけが行かされるわけではない。
メインは上司の方で新人はその雑用権補佐のようなものだ。
毎度名指しされるということはある程度使えるという証のようなものでもある。
が、評価を頂くことは素直に嬉しいけれどしょっちゅうというのもちょっと辛い。
「この前帰ってきたと思ったら…立て続けだな…」
責任者という立場上遊星はこの研究所から離れることは殆どない。
その分の手足がであり、その他大勢の末端の職員であることには違いないだろう。
とはいえ全て決定権を持つことは全ての命令系統を握っているということとイコールではない。
流石に末端のことまでは管轄外もいいところだ。
勿論、職権を振りかざそうと思えば簡単に出来る立場に遊星は立っている。
しかし社会には決められた立場と役割があるものなのである。
それを捻じ曲げて良いことは絶対に起こらない。
「仕方ないですよね。おっきなプロジェクトですもん。でも…また遊星さんと離れて仕事するのかぁ。ちょっと…寂しいな」
そう、立場も役割も分かっているつもりだ。
遊星と働くために雇われたわけではないのだし。
それでも距離が近いか遠いかではやっぱり心持ちも違う。
いじらしい言葉に遊星は堪らなくなった。
そういえば最近逢瀬らしい逢瀬もなく、彼女の温もりを感じて目覚めたのはいつだったか。
「出張はいつからなんだ」
「明後日です。もー、荷解きしたと思ったらまた荷造りかー…」
「泊まりなのか」
「はい、二泊三日で」
「…」
急な話に思わず閉口する。
大きな計画を進行するという事はそれなりに人が必要なものだが、末端にまで目を向ける余裕がなくなっていたことを初めて知った。
恐らくに限った話ではなく同じような仕事を抱えている人間が他にも無数に存在するに違いない。
無茶に進めているつもりはなかったが、見えないところのバランスを取るというのは本当に難しい。
それでもをはじめ付いて来てくれる他の職員がいるから此処までやってこれたのだが。
それにしても…。
恋人である自分ですら最近あまり顔を合わせられないというのに、二泊も彼女を独り占めできるその上司。
幸い名前と顔が一致する。
女で良かった。
今まで仕事ということもあり、あまり気にしていなかったがお気に入りとなれば話は別である。
男だったら職権を振りかざすという手を取ってしまっていたかもしれない。
私情でやっていいことと悪いことの区別くらいはつくつもりだが、のこととなると見境を失いそうになる。
…そんな平静を保つためにも、少し彼女に協力してもらおうか。
「…、ちょっといいか」
「はい?」
手招きして遊星はを部屋から連れ出した。
なんだろうと思いつつも付いて行く。
「?遊星さんの研究室…」
招かれた先は遊星のチームが使う研究室。
にとっては上司のよりも立場が上の人間が出入りする先で、入ることなど殆ど無い。
それに機密を扱っているに決まっているから遊星に促されても躊躇ってしまう。
本当に入っても大丈夫なのだろうか。
「ゆ、遊星さん…いいんですか?あたしなんか部外者もいいとこで…」
「構わない。俺が許可したんだから」
珍しく道理の通らないことを言う遊星に驚きつつも秘密の部屋に入るような高揚感をもっては足を踏み入れた。
散らかっている机もあれば整然とした机もある。
どれが遊星の机なのだろうと興味が湧く。
この部屋にいる遊星を実際に見たことはないから(いつだって遊星は現場に姿を見せていた)分からないが、何となく几帳面そうな印象を遊星に持っている。
なので…。
「こっちだ」
「…わっ、何ですかこの部屋…資料室?」
ファイルやら書類やらが積まれた机。
出してそのままなのであろうと思しき空間のあいた棚。
「…俺が使っている部屋なんだが」
「えええっ!?」
何となく積み上げた遊星像が壊れる音がした。
寧ろ遊星は几帳面で、何だったらちょっと神経質な方なのではとすら思っていたのに。
「これは…。あの、差し支えなければ片付けお手伝いしますけど…」
「……その話はまた今度頼む。それよりも…」
部屋の中をきょときょとと見回すを遊星は腕の中へ抱き寄せる。
やや強引な抱き締め方には息を飲んだ。
「っ、…遊星さん?!」
戸惑ったように視線を泳がせるが、遊星は気にした様子も無く、の首筋に顔を埋めた。
遊星の鼻先がくすぐるように伝う。
「ひゃ…!」
突然の行為には身を竦ませた。
一瞬、逃げなくてはと言う気分になる。
しかし自分を抱き締めた遊星の腕は力強く、決して逃がさないとの意思表示を感じる。
それを意識すると鼓動が早くなってぽわんと体温が上がってくるのが分かった。
「ダメ、…ダメです、遊星さん…。こんな、ところで……」
「大丈夫だ。昼休みなんだから誰も来ない」
宥めすかすようなキスを繰り返す遊星だが、そういう問題ではない。
それでも唇を触れさせられる度に気分が高まるのが分かる。
遊星の狡い掌が白衣を掻き分け、服の上からの胸を包み込んだ。
「やっ…ダメ……!」
やわやわと揉みしだかれる掌に性の色を呼び覚まされながらも、は理性をかき集めて身を捩った。
逃げたがるの腰を遊星は更に強く抱き寄せる。
そして耳元に顔を近づけて吹き込むように囁いた。
「…、お前の体は俺が研究し尽くしている。抵抗出来ると思っているのか」
「…あ、っ!」
ねろり、と遊星の舌が耳を舐める。
ぞくりとさせる舌先が輪郭を辿り、そして唇がやわく耳朶を食んだ。
「は、ぁ…っ」
好色な手もの胸や脚を撫で回す。
性感を揺さぶられて力を無くしていくの体。
徐々に抵抗力が失せていくのを感じた遊星の手がのカッターシャツを捲り上げる。
「きゃっ…!」
冷やりとした外気に触れた肌に直接触れられるとぞくぞくする。
遊星が久しぶりなら、だって同じだけ久しぶりだ。
力強く抱き締められてときめかないはずはない。
そして…心が傾倒しているなら体だって…。
「ああ…っ!」
滑らかな肌を辿る遊星は断りもなくの下着を押し上げて、膨らみ始めた乳首を抓みあげた。
途端にがびくんと過剰に反応する。
「…まだ、止めたいか…?」
「…っ、遊星さんの…意地悪……」
緩く指先で乳首を嬲る遊星が薄ら笑いで問う。
そんな遊星を睨み付けた後、はばつが悪そうに視線を逸らした。
白旗を揚げるに満足した遊星は体を屈めるとその胸にかぶりつく。
「ンっ…!」
瞬間の刺激に体が反るが、遊星が抱き締めているのでバランスを崩すことは無い。
「あっ…あぁぁ…」
ぺろぺろと舌先で舐め回す感触に足が震えた。
思わず遊星の白衣を握り締める。
「久しぶりの味だな…。堪らない…」
「もうっ、何、言って…!」
かぶりついてちゅうちゅうと吸い、仄かに甘い香りを放つの感触を堪能する。
頬に触れる胸は滑らかで柔らかくてそれなのに遊星を煽ってやまない。
体の中心に熱が篭るのが分かる。
興奮してきた遊星は、それをそのまま伝えるかのように腰を押し付けた。
内股に当たる硬い感触にはどきりとする。
「あ…遊星さぁん…やだ、当たって…」
「が可愛すぎるから興奮してきたんだ…。は柔らかくて気持ちイイな」
「やぁん…」
欲情を隠しもせず、意識させるかのように更にぐりっと押し付ける。
いやらしい行動にどきどきしながらも、自分の体に遊星の男性の部分が興奮しているのだと思うとちょっと嬉しい。
胸をしゃぶりながら軽く腰を揺する遊星の勃起にはそろりと手を伸ばした。
「すごい…、こんなになって…」
遠慮がちにではあるがスラックス越しの熱い欲望に触れると遊星の愛撫が強くなる。
ぢゅうううっときつく乳首を吸い上げられては背中をしならせた。
「あぁっ!そんなに、吸ったら…っ、感じちゃうぅ…っ、!」
びくびくと震えるに追い打ちをかけるように、遊星は空いた方の胸にも手を伸ばす。
先程よりもぷっくりと膨らんで敏感になっている先端を指先で優しく捏ねた。
「あっ、あ…!遊星さん…っ、はぁ、んっ…イイ、気持ちイイですうぅ…!」
舌と指で攻められて思わず声を上げてしまう。
はっとして、手で口を押さえるが我慢出来ないくぐもった声が指の間から零れ落ちた。
「んっ、んう…、あ、あぁぁ…っ」
誰か帰って来て声を聞かれたら恥ずかしいだけでなく、遊星に迷惑が掛かってしまうかもしれない。
そもそも行為を始めたのは遊星なので気にする必要もなさそうなのだが、は健気にもそんなことを考えていた。
「っ、ふ…あァ…っ」
しかしそんなの気持ちを知る由もない遊星は容赦なく攻め立てる。
唾液を含んだ舌先が敏感に膨らみ切った乳首をねっとりと舐めてはちゅっちゅ…と唇で扱く。
爪先から這い上がってくる鋭い痺れに足が震えて立っていられなくなってきた。
「は、あぁ…っ、遊星、さ…ぁん…、立って、られませ…ん…」
切実に訴えて縋るは遊星がしっかりと抱き留めている。
しかしか弱く白衣を握り締めるはとんでもなく可愛らしくて。
遊星は小さく息を飲んだ。
「立っていられないなら、ここに……」
力無く体を震わせるを抱き上げて遊星は机の縁に座らせる。
資料の散乱する机に多少緊張するが、それでも立っているよりはマシだった。
「ん、あ…っ、遊星さぁん……」
「、凄く可愛いな…」
ほんの僅かに背が高くなったを見上げるかのように顔を寄せてキスを与える。
抱き留めていた体重がなくなり、自由になった遊星の手が好色に太股を撫で回したかと思うと、ゆっくりとスカートの中に入って来た。
「あぁぁ…やァ、恥ずかしい…」
さっきまでの甘い遊星の愛撫に体の中心は熱くじっとりと蕩けている。
下着越しに遊星の指先がの一番感じる突起に触れた。
軽く引っ掻くかのような弱い刺激にも関わらず、の腰が跳ね上がる。
「ああっ!」
じわりと染みの広がる感覚に遊星はそっとの下着に指をかけた。
まだ仕事が残っているし汚しては可哀想だし…と理性的なことも思いながら、その実早くの中に入れたくて堪らない。
それでも久しぶりだからと柔らかな花弁を遊星の指が掻き分ける。
「あ…ゆう、せぇ…さぁん…っ」
ぬぷりとぬかるみに押し込まれた指先。
「あはぁぁ…」
待ち望んでいる感覚ではないが、緩やかに膣壁を広げられると快感と共に愛液が溢れてくる。
遊星の指を美味しそうに飲み込んで疼く体がきゅうううと締まった。
ふとその蠢きに絡みつくの中の感覚を思い出してしまい、遊星はぞくりとする。
「…」
熱っぽく名前を呼んで指を引き抜いた遊星が覆いかぶさってきた。
ベルトを緩める音がしたかと思うと熱い塊がの足の間に押し付けられる。
「…っ」
久しぶりの感覚にの中が期待にきゅうんと疼き、衝撃を想像して息を詰めた。
それなのに遊星はなかなか繋がろうとしない。
蕩けた入り口に押し当てたまま、軽く腰を揺すっては割れ目の辺りを擦るだけ。
「あ、ァ…っ、遊星さぁん…どうして…」
焦れったくなったは遊星を見た。
遊星は意地悪い笑みを浮かべながらそれを待っていたかのように口を開く。
「どうして欲しいか教えて欲しいな」
「…どう、って…」
望みを請えということか。
はしたない欲望を遊星に聞かせるのは恥ずかしいが、このままの状態なのは辛すぎる。
体が遊星を欲するままに、消え入りそうな声で呟いた。
「ゆ、遊星さんを…あたしの中に入れてください…」
「中に…こうか?」
ぐぶりと遊星の先端が埋まり込む。
入り口の広がる感覚にの体はぞくりと震えた。
しかし肝心の疼きの奥までは到達しない。
期待外れの感覚がもどかしくの体の中にわだかまる。
「もっと…、もっと奥まで遊星さんを入れてくださいぃ…、お願い、意地悪しないで…!」
「…ああ、こうだな?こうされたいんだな…?」
ぐっと遊星が腰を押し付ける。
「うあぁっ、イイ…!遊星さん、すごいのぉ…っ!!」
ずぶずぶと待ちに待った遊星のものが押し込まれる感覚に、声を押さえることも忘れては背中をしならせた。
熱い猛りを受け入れる瞬間が一番気持ちイイかもしれない。
体を遊星のカタチに広げられ繋がる瞬間の快感は言葉にならない程だ。
「さぁ、入ったぞ…?次は?」
じぃんと熱く疼く内壁が遊星を断続的に締め付けていた。
このまま、欲望のままにを蹂躙したいのを必死で堪えて遊星は掠れた声で先を促す。
待ちに待ったものを咥え込まされたにも関わらず、焦らされ続けているは堪らず震える声を絞り出した。
「なかっ、動いて…あたしのこと…っ、めちゃくちゃに…お、犯して、くださいっ…!!」
「ああ、っ、望みどおりにしてやる…!」
聞きたかった言葉を引き出した遊星は埋め込んだばかりの自身をずるりと引き抜くと思い切り押し込んだ。
「うあっ、あぁぁんっ…!はぁ、あっ…すご、いいぃっ…!」
慣れる前の体が遊星の質量に戦きながら悦んでいる。
びくびくと跳ねるの腰を掴んで遊星は深々と何度も突き上げた。
「はぁっ、あ…っ!あっ!…あはぁ…っ!」
規則的に嬌声があがるのが妙にリアルでいやらしい。
中を刺激される瞬間にの中はきゅうんと震えて遊星を柔らかく締め上げる。
時折それがきつくなり、軽く絶頂していることを遊星に伝えた。
「はぁっ…あぁ…また、イっただろう…?動きで分かる…」
「やっ!言わな、いでぇ…っ、だって、こんな…激し…っ、!」
知り尽くされた体が恨めしい。
遊星から与えられる快感に反応してしまう体が。
「…お前のことなら、何だって…知っている、っ…コレが、好きなことも…」
言うなり遊星が胸にしゃぶりついた。
瞬間びくんとの背が仰け反る。
「ん、あぁぁっ!それ、ダメぇえ…っ、感じすぎちゃううぅ…っ!!」
体の奥深くを犯されながら胸まで攻められる…。
そんな行為にだめだと拒絶を口にしながらも仰け反る体は遊星にもっとと求めるかのようで。
押し付けられる胸の柔らかさにも欲情を煽られながら遊星は膨らんだ乳首を強く舌先で弾いた。
「ひっ…あ、ああぁぁっ、イイっ…!イイのォ…!ゆうせぇさぁん…っ!」
足元から痺れるような鋭い快感が駆け上がり、は思わず足の間の遊星の腰をきつく挟み込む。
自身を強請られているような感覚を覚え遊星にも熱が篭った。
きつく腰を抱き寄せて更に速度をあげる。
愛液の溢れる結合部からじゅぶじゅぶと淫猥な音を響かせて、遊星はの体内を激しく蹂躙した。
「も、無理…っ、だめ、イくっ…!イっちゃううぅ…!!」
感じる箇所をたっぷりと刺激されての体が上り詰める。
かぶりつかれた乳首に歯を立てられ、深く奥に突き立てられた瞬間。
「やぁぁっ、イく…っ!!!」
の爪先が空を蹴り上げた。
空中でぴたりと硬直した直後にがくがくと震えながら絶頂する。
「く、ぅ…っ」
断続的に締め上げる感覚に遊星も自分の欲望を吐き出した。
熱いものが体内に広がる感覚には身を震わせる。
「はぁ…っ…ああ、遊星さん…ごめんなさい…」
「…何故、謝るんだ…?」
お互いに呼吸が整わない。
途切れ途切れのの言葉に遊星は首を傾げる。
「夢中になって…ファイルひっくり返しちゃいました…」
申し訳なさそうに自分の後ろをは示唆し、遊星もそちらの視線を向ける。
確かに、重ねてあったファイルが散乱した机の上を更に混沌に変えていた。
「…、帰ってきたら俺のところに引越ししないか」
「……え、っ?」
情事後、ファイルを並べなおしながら切り出された言葉には目をぱちぱちと瞬かせる。
「一緒に暮らそう」
「…!」
はっきりと告げられては顔を赤くした。
「…嫌か?」
返事をしないを心なしか不安そうに見る遊星。
「いえっ、そんな!職場の近くに引っ越したいなとは思ってたので!…でも、あの、良いんですか…?」
「ああ」
色良い返事に遊星は表情を和らげた。
柔らかくなった雰囲気を感じはちょっと微笑ましい気分になる。
「…それに、赤の他人が二泊もお前を独り占めしてずるいと思わないか」
「えぇ?出張のことですか?で、でも彼女は同僚で…」
「とにかく。俺にもを独り占めする時間が欲しい」
言ってのける遊星は真剣そのものである。
さらっと突きつけられたとんでもない要求には頬を赤くした。
「遊星さんってほんと、そういうことさらっと言いますよね」
「そういうこと?」
「いえ…あの、嬉しいです。帰ってきたら宜しくお願いします」
「待ちきれないな…早く帰って来てくれ」
まだ出発してすらいないのに、この要求は…。
年上の男性に可愛いという感想は申し訳ないだろうか。
しかし甘えるかのように抱き寄せて、髪に顔を埋める遊星の仕草。
ときめかされつつも愛しさと可愛らしさを感じることをは禁じ得なかった。
終
===================
夏鈴様へ捧げるお礼の遊星さん夢でした。
エンディング後、先輩遊星さんと後輩ヒロインでオフィスラブ…な雰囲気出てますかね…。
これまた就いた事のない職業で、超イメージで書きました。
粗があっても目を瞑っていただけるとありがたいです。
夏鈴様、いつもいつもありがとうございます!
こんな形でのお礼となりましたが楽しんでいただければ幸いです。
こちらは捧げものですので、ご本人様以外の持ち帰りは厳禁です。
閲覧のみでお願い致します。