のあのニュースも今や別の話題に塗り替えられていた。
とかく芸能人のプライバシーなど使い捨てだなぁと感じてしまう。
提供された話題を消費しては退屈を凌ぐ民衆の一瞬を通過していく何かにすぎない。
当人は堪ったものではないだろう。
とは言っても、それで糧を得ているのだから仕方ないと言えば仕方ない。
「どうせならジャックとの熱愛報道されたいなー」
からの告白の直後、またしても流れた自身の別の芸能ニュースを観ながら呟いた一言。
TVの中の自分は渦中だった彼とのドラマの最終回がどうとかこうとかで番宣をしてさっとはけていく。
「…懲りんな、お前は」
「ジャックとは別だもん。報道されればジャックのことが好きな娘も諦めてくれるだろうし」
とても見目の良いジャックには未だにファンがいるということを知っている。
彼女らを脅威に感じるわけではないが、それでも不安になるのが女心だ。
「お前は俺が心変わりすると思っているのか」
「そーじゃないけど…」
すすっとがジャックに体を寄せた。
ぴたりと抱き付くように体を押し付ける。
「私ばっかりジャックのことが好きでしょ?」
暗に愛情が薄いと言われているようでジャックは心外そうにを見た。
「聞き捨てならないぞ。俺がお前を愛していないと言いたいのか」
「私の愛の方が強いって言いたいの」
「…お前…」
の言い方が気に入らず、それを撤回させようと体を寄せたの腰にジャックの腕が絡みつく。
しかし細いそれは力を込めれば簡単に折れてしまいそうな程にか弱くて、いつも力加減に戸惑わされた。
今だってきっと恐々と抱き締めていることには気付いているのだろう。
自信に溢れた表情で、自らの腰を抱くジャックの手に小さな掌を重ねた。
「最初に言った通り重いでしょ、私って」
ごめんね?
謝りながらも反省した風ではなく、寧ろはちょっと笑っている。
笑顔でジャックを覗き込んで背伸びをするように体を伸ばした。
掠めるように唇が触れ合って離れる。
その後は甘えるようにジャックの胸に頬を預けた。
心音が微かに耳に入って心地良い。
は静かに目を伏せた。
さてのプライバシーの保護も兼ねて、基本的に逢瀬はどちらかの家で行われる。
勿論外に出ないわけではないが二人で連れ立って歩くと目立って仕方がなかった。
ジャック自身は既にステージを降りたと思っているが世間の視線は様々で。
好奇な視線からは逃れようが無い。
お互いの平穏の為にはこれが一番だろうということで互いの部屋を行き来する生活を送っていた。
「やだ!絶対やだ!!」
「嫌がられると余計に見たくなるな」
「やだぁぁぁ…ホント、もう止めよう!ねっ?」
今でこそ自称「そこそこ有名」な女優である彼女だが、無名の時代はなかなか過酷なアイドル生活を送っていた。
ジャックは何処からかそういうものを見つけてくる。
そして一緒に観賞しようとするのであった。
当然といえば当然だが、はそれがどうしても嫌なのである。
「人の嫌がること進んでしないでよぉお…!昔のってメイクとか超ダサいから見られたくないのに!」
ジャックが手に持つ映像メディアを取り上げようと身を乗り出した。
それをふいっとかわすジャックに追いすがる。
なかなかに身長差があるので立ち上がって手を上げられてしまえば絶対に届かない。
座ったままの今でなくては、と焦るがジャックの膝の上に乗ってきた。
「っ!お、おい…」
「絶対見せない!絶対…!!」
自分の黒歴史に等しい過去に対して女という生き物は本当に真剣且つ本気になる。
それが好きな男の前に晒されるかもしれないと思えば尚更だ。
膝の上のが身を乗り出しジャックの手首を掴もうかとした瞬間。
「きゃっ!?」
容赦なくこれでもかと後ろの方向へ体重を掛けられ続けたジャックがバランスを崩した。
普段なら一人の体重がかかったくらいで簡単に崩れたりしないが、ともすればの胸が頬に触れそうだったから回避しようとした結果だった。
辛うじてひっくり返ることはなかったけれど、バランスを取るためにジャックはの体を片腕で抱き締め片手を床に着く。
結局、回避するつもりだったのにその頬で柔らかな胸を味わうことになったが。
「…取った…!」
しかしはそれを気にすることもなく、自分を抱き締めたジャックの手から映像メディアを取り上げた。
本当に真剣且つ本気だったのである。
その合間にそろりとジャックが無言での体を解放した。
力強い腕が離れてしまったことに気付き、ジャックの膝の上ではきょとんとした。
「何で離れるの?」
「…何故、とは」
「もっとぎゅってして欲しかったのに」
不満げに呟くが、しかしすぐに何かを思いついたように明るい表情になる。
「そーだ、ジャックがしてくれないなら私がしちゃおう!」
言ってがばっと抱き付いた。
腕をジャックの首に回してぎゅうううと力を篭める。
せっかく引き剥がしたのにまた胸を押し付けられてしまい、ジャックは慌てての肩を掴む。
「…っ!離れろ…っ」
「えぇーやだー」
ジャックの額に頬を擦り寄せては更に甘えてくる。
彼女の甘い髪の香りがジャックの鼻をくすぐった。
眩暈を覚えそうな良い香り。
ふらりと仄めかされそうになる。
「ね、ジャック…」
の手がジャックの頬に添えられた。
上を向かされてとジャックの視線がぶつかる。
「愛してる…ジャック」
控えめな仕草でふわりとの唇が重なった。
暖かくて柔らかい。
積極的なの行動にいけない気分を揺さぶられ、ジャックは遠慮がちにしかし力強くもう一度その腰を抱き締めた。
「ん、は…」
部屋の中にくちゅりと小さな音が響く。
味わうように舌を絡め合い、混じり合った唾液を飲み込んだ。
夢中になる感触に何度も角度を変えて深くしていく。
「…っ、ふ…」
ちゅう…と柔らかなの唇を軽く吸い、ジャックが離れる。
しかし離れたのは唇だけでを抱き締めている腕の力は変わらない。
「…あまりふざけていたら、どうなっても知らんぞ」
静かに言うジャック。
真剣な宵色の瞳がを射抜く。
これがジャックの最後通告であろうことは理解していた。
優しいジャックにはきゅうんと体の奥が切なくなる。
焦れったくてもどかしいような、でも触れられるのはほんの少し怖いような。
それでも衝き動かされるままには首を横に振った。
「ジャックとなら、どうなっても構わないの」
小さな唇から零れ落ちた言葉にジャックは渋い表情になる。
険しい視線を逸らしてダリアの体をフローリングに押し付けた。
「…この俺を挑発して…ただでは済まさんからな」
「ジャッ…」
名を呼ぶの言葉を遮って、ジャックは深く唇を重ねた。
ぐ、とジャックの体が重なる。
ひやりとした床の感覚が強く背中に残るようだ。
触れ合った唇が熱い。
だけど、それ以上に体の奥から熱が溢れてくる。
「は…っ」
舌先で唇を割り開かれて、さっきのように優しく舌を絡められた。
ジャックの舌触りにぞくりとする。
「…っ、ふ…ァ」
息も詰まる程の激しい口吻け。
口の中を思う存分蹂躙されて、頭の中が蕩けるような気分を感じた。
「…はぁ…っ、ジャック…」
ゆっくりと離れていくぬくもりが寂しい。
縋るように目を開けたら色を湛えた宵色の視線が自分を見下ろしていることに気付いた。
ジャックが自分に欲情しているのだと感じる。
女の本能に爪を立てられ、は感じたこともないような痺れと疼きを覚えた。
「…あ、っ」
頬へと遠慮がちなキスが降ってくる。
ちゅ、ちゅ…と何度も触れるジャックの唇がくすぐったい。
「ん…っ、ん…あぁ、っ!」
びくんとが体を跳ねさせながら声をあげた。
ジャックの唇が耳を食んだのである。
「やっ…あ、あぁん…っ」
輪郭をなぞる暖かな感触を不思議に感じたが、耳朶をぬるんとくすぐられた時に、それがジャックの舌だと気付いた。
「あっ、そんなとこ、…舐めないでぇっ…!」
くすぐったいような奇妙な感覚に戦きながら逃れようとジャックの胸を押し返すが、の細い腕で押し返せるほどジャックは軽くもなければ弱くも無い。
寧ろ更に唇で甘く噛み付いてくる。
「……ただでは済まさんと言ったろう」
「っ…!」
吹き込むような甘くて低いジャックの声に敏感に体が反応した。
の足下から這い上がるぞわぞわとするような快感の波は未知の感覚である。
焦れったくてもどかしいような感覚に、は居心地悪そうに膝を擦り合わせた。
「何か…変、私…。お腹の中が…きゅうってする…」
はあっと熱い溜め息を吐き、伏せ目がちに訴えるはひどく扇情的で。
らしくもなく喉を鳴らしたジャックはゆっくりと体を離すと、横たわるを抱き上げた。
ベッドの上で服を脱がせあい、裸の肌を重ね合わせるようにして抱き合いながらシーツの海に沈み込む。
温かくて滑らかなの体にこれでもかと言うほど欲情を煽られながら、ジャックは噛み付くようにキスをした。
「んっ!」
最初から唇を割り開かれて戦く舌を捕えて軽く吸う。
絡まる唾液の音が部屋に何度も響いた。
「は、あっ…、んふ…っ」
唇を貪りながらも、ジャックの手がの胸に触れる。
瞬間、びくんとの体が強張った。
「きゃ、あ…っ、…ジャック、!」
僅かに咎めるかのような口振りに、ジャックはちろりとを見ると頬を赤く染め上げて目尻に涙を溜めている。
「…嫌か?」
「や、じゃ…ないけど…っ、恥ずかし…っ」
健気に睫毛を震わせて恥じ入る彼女がまた堪らなく可愛いから女という生き物は狡い。
普段あんなにもか弱さという武器で男を振り回すくせに、こんな時は理性を粉々にするほど可愛くなるのか。
知らないを見せ付けられるたびに砕かれ続けたジャックの理性は殆ど無くなってしまったに等しい。
それでもめちゃくちゃにしてやりたい気持ちをぐっと押さえ込み、宥めるようにの目尻の涙を舐め取ってやった。
「あう…」
「恥ずかしがるお前も可愛いぞ」
「え…っ!」
ジャックの言葉には弾かれたように彼を見上げた。
面と向かって褒められることなど滅多に無いのに。
「、お前が俺を受け入れたように、俺もお前を受け入れてやる。…さぁ、俺に全部見せろ」
言うなりジャックの手が、の手を掴んでベッドに縫いとめた。
重なった手に指が絡められる。
「うぁっ…!」
絡められた指を意識すると心臓が早鐘を打つが、間髪入れずジャックの唇がの胸の先端を捉えた。
背筋に電流が走ったかのような鋭い快感が駆け抜けていく。
「あぁぁっ!はぁっ、あ、ああぁ…っ!」
かぶりつくように乳首全体を唇で覆い隠して撫で回す。
膨らんで敏感になった箇所は軽く舐められるだけで快感を生み出してはを苛んだ。
「はぁあっ、ジャック…!あっ、あはぁぁ…っ」
ねろねろとジャックの舌がいやらしくの乳首の上を這う。
痛いくらいに勃ってしまった乳首を捏ねるかのようなその動きには背中をしならせた。
「強請っているのか?はいやらしいな」
「やぁっ、違、っ…わたし、初めてでぇ…!」
「初めてでこんなに感じやすいのか」
「っ!もう…言わな、いで…っ」
絡め合ったの手に力が篭もるのをジャックは感じとる。
精一杯の抵抗をしようとしているのだろうが、体重で押さえられているために殆ど動かすことも出来ないようだ。
しかし、どんな可愛い抵抗を見せてくれるのか興味の湧いたジャックは、そっと絡めた指を解くとの細い腰を抱き締める。
片手も同様に解いたが、そちらはの胸の上に重ねた。
「ふぁ…!」
ふにゅ、とジャックの大きな手がの胸を包み込み形を変えさせる。
掬い上げるようにしたジャックの指が、の乳首をきゅうっと抓んだ。
「はぁんっ、や、あぁっ…!」
途端にが良い反応を示すので、気を良くしたジャックは更に刺激を与えてやろうと触れていない方の胸に改めてかぶりつく。
「ひァっ…!あぁあっ…や、あ…っ、それダメぇ…!」
首を横に振っていやいやをしてみせるはジャックを押し返そうとその肩を掴んだ。
しかし力の入らないその手では、寧ろジャックに縋り付いているかのようで。
「可愛らしい抵抗だな。俺を喜ばせてどうするつもりだ」
「そん、な…だって、あっ!あっ!」
舌先で敏感に膨らんだ乳首を弾かれての腰がびくんと跳ねる。
素直すぎる反応に誘発されるように、腰に回した手を下の方に滑らせた。
お尻の丸い輪郭をするりとなぞり、熱く湿ったの入り口の辺りに指を埋め込む。
「きゃあっ!じゃ、ジャック…!」
自分でも触ったことの無いような箇所にジャックの指が触れ、は戦きながら体を強張らせた。
ぐじゅりとジャックの指先がの中に入り込む。
「あ、あぁ…っ、やだ、やだぁ…っ」
異物感がぞわりとの肌を粟立たせる。
きゅう、と抵抗を感じてジャックは指を進めるのを止めた。
「痛いか?」
「痛くは…ないけど、なんか変な感じ…」
「そうか。痛くないのなら少し我慢しろ」
無情なジャックの言葉の後、更に深くジャックが埋まりこんだ。
「はぁあっ、あ、あ…っ」
柔らかな粘膜を犯すジャックの指先。
ぞわぞわと体を震わせながら、セックスとはこういうことなのかとはぼんやり考える。
しかしジャックの指が掠めるようにのあるポイントに触れた瞬間。
「うあぁっ!やっ、何…っ」
背筋を駆け抜ける快感には体を仰け反らせた。
思考という行為を一瞬で消してしまうような鋭い快感。
「あ!あ!はぁっ、あぁっ…!」
思わず嬌声を上げてしまうにジャックは意地悪く笑う。
「…良くなってきたか?こういうのはどうだ」
べろり。
「あぁぁあっ!や、は、あ、ぁっ!」
ジャックの舌がの乳首をぞろりと撫でた。
ちゅうちゅうと吸い上げて快感を引き出すかのように刺激をされる。
「あっあっ!やぁ、あぁんっ…!だめぇ、…感じちゃうのぉっ!」
「実に良い反応だぞ。ほら、もっと啼け」
「あーっ!あっあっ!!だめっ、あ、はぁっ、はぁぁ…っ」
吸い上げられて敏感になったところをまたべろり。
足が震える程の快感にの体が弛緩したのを見計らい、ジャックは指を増やした。
ひっとは喉を鳴らしてまた背をしならせる。
「や、はっ…、あ、っ!あぁっ…!」
内壁を広げるかのように動かされは髪を乱して悶えた。
知ったばかりの性感帯をくちゅくちゅと探るジャックの指先がを苛む。
体の奥から溢れてくるかのような疼きに膝でジャックの腰をぎゅううっと挟み込んだ。
「ジャックぅ…っ、も、だめ…っ、なんか、わたし…っ!あっあぁぁっ…!」
悲鳴にも似た嬌声を上げ、は体をびくびくと震わせる。
同時にジャックは断続的な蠢きが何度も自分の指先を締め付けているのを感じた。
ぶるぶると震える手がジャックの背中に爪を立てている。
視線を上げれば浅い呼吸を繰り返しながら頬を上気させてぼうっと虚空を見つめるが目に入った。
薄っすらと開いた唇が艶かしく、ジャックは身を乗り出して唇を重ねる。
「んンっ、はぁっ…はぁ…んふ、は、…っ」
絡まる舌を夢中で受け入れてはジャックの首に腕を回す。
角度を変えながら濃密な口吻けを繰り返して、交じり合った唾液を互いに飲み込んだ。
抱き合いながらジャックが体の位置をずらしの足を抱え上げる。
「っ、!あ、…ジャック…んン…っ」
「…力を抜いていろ」
足の間に熱の塊を感じとり、は緊張に体を強張らせるが、宥めるようなジャックのキスがそれを緩やかに融かす。
散々ジャックの指に慣らされたの中は柔らかくジャックを迎え入れた。
「はあぁっ、ジャック、ジャック…っ!」
「く、ぅ…あぁ…すごい、な…」
初めて男性を受け入れるの中は熱く狭い。
腰をつかい、ゆっくりと侵入してくるジャックが中を広げていく。
疼いて堪らなかった箇所を直接刺激されているような感覚に戦きながらもはぞくぞくとそれを教授した。
「はぁ…っ、ジャック、こわい、あぁぁ…、きもちよすぎて、こわい…っ」
「なら、俺に縋りついていろ…っ、動かすぞ…」
熱に浮かされたようなは、しかしジャックの言葉にしっかりと彼の背に腕を回した。
そんなの体をジャックもきつく抱き締めて律動を始める。
「あぁぁぁ…っ!」
緩やかに抜き出されたジャックの楔が勢い良くの中に打ち込まれる。
きつい内壁に擦り上げられる感覚はジャックにも未知の快感をもたらした。
「は、ぁ…っ、、っ…!」
蕩けるように熱いの体の奥が絡み付いてくる。
名を呼ぶジャックを見上げれば余裕なく苦しそうに眉を顰めるジャックがいた。
愛しい彼が自分の体で感じているのだと思うとどきどきする。
同時に込み上げるような興奮を感じてしまい、体の奥がきゅうんと収縮した。
「くうっ…、あまり、締めるな…」
腰を引いたジャックが困ったような顔で一瞬動きを止めた。
「はぁんっ、だって、ジャックが…っ、あは、あぁぁっ…!」
「俺の所為に、するのか?」
しかし、その一瞬の停止も束の間に、更に激しくを攻める。
溢れたの愛液が動きに合わせて卑猥な水音を立てていた。
「あっ!あっ!ジャックの、せい、だも…んっ!あっやぁあっ…!」
それでも尚引き下がらないにジャックの加虐心が刺激される。
を折りたたむように足を肩まで抱え上げると、更に深くの体を貫いた。
「あぁぁぁあっ!やァ、奥ぅっ、きてるよぉおっ!はぁっはぁぁっ!」
「そうだ…っ、奥まで、犯してやる…っ!」
「はぁっ、あ、っあぁぁあっ!」
じゅぷじゅぷと中を掻き回され激しく腰が打ち付けられる。
腰を掴まれているから逃げることも出来なくて、はシーツをぎゅうっと握った。
「っ、は…ああ、イイぞ、…っ」
髪を乱して喘ぐの中は柔らかいのにきつく収縮してはジャックを導こうとする。
込み上げる射精感を押し殺して夢中で初めての快感を貪った。
「じゃ、っく…!わたし、も…だめぇ…っ」
ぎしぎしと音を立てて軋むベッドが耽っているこの行為の激しさを物語っている。
内壁の締め付けが強くなり、の限界を肌で感じたジャックは更にスピードをあげて彼女を突き上げた。
「やぁっ、イく、イっちゃうっ!!」
何度も深く打ち込まれたの背中がしなる。
がくがくと体を震わせながら絶頂を迎えたの体にジャックは更に打ち込んだ。
「あはぁっ、だめ、っ…!うごいちゃ、だめぇ…っ!!」
「もう、少し…っ、我慢しろ…っ」
「やぁあっ、とまんな、…っ!また、きちゃうぅっ!!」
の体が更にびくんと跳ねた。
硬直した爪先が空を蹴る。
「うっ、く…」
「はぁんっ、熱い…っ」
立て続けに絶頂したの中でジャックもまた熱い欲望を迸らせた。
体の中に感じた熱をぞくぞくしながらは受け止める。
深い溜め息を吐いてジャックの体がの隣に沈んだ。
「…ジャック、?大丈夫…?」
汗の滲むジャックの額には自分のそれをくっつけて問うた。
至近距離で宵色の瞳が開かれる。
「…大丈夫に決まっている。俺を誰だと思っているんだ」
「ん、そうね…」
幸福な気怠さが体を包み、はそのまま目を閉じた。
しばらくの後、二人は昼間だというのに風呂の中にいた。
「どうなっても構わないと言った割になかなかの反応だったな」
ジャックは満足そうに浴槽に背を預けながら言った。
その胸に背を預けているは恥ずかしそうにお湯に沈む。
「だってーだってー…あんな恥ずかしいと思わなかったんだもんー…」
「まあ、お前からの拒絶の言葉は珍しいが悪くはなかったぞ」
「ううう…何でも受け入れる予定だったのにぃぃ…」
ぶくぶくと水面を揺らしながらはばつが悪そうに更に沈んでいく。
そうして暫らく無言でいたが、はっとしたようにジャックの方を向いた。
「もう一回よ…!」
「…は?」
「次こそはもっと余裕でジャックを受け入れて見せるわ!さあ!」
「…」
向かい合ってジャックの足の上に馬乗りになった。
その顔が赤いのは羞恥の表れか、それとも湯気のせいなのか。
分からないが、ジャックにとっては魅力的な提案である。
「後悔するぞ」
「しない!」
「ほう…」
すう、とジャックの目が細くなる。
ゆったりとの腰を抱き寄せるジャックの腕に戸惑いの色はもう感じられない。
温かく濡れたの肌にジャックの唇が触れた。
「ジャック…」
「…何だ?止めたくなったか?」
「ううん。愛しているわ」
「…俺も…愛している、」
ゆらりと水面が揺らめいて。
二人は抱き合いながらそっと口吻けた。
終
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ここまで読んで下さってありがとうございました。