過ぎ去らぬ日々


「あたしとォ、アレ、ちゅーちゅーしませんか?」
「…はぁ?」






梅雨入り前の初夏。
日に日に実感するほどに暑い季節になってきた。
空調のないガレージでの作業がそろそろキツい。
まだ初夏、それも朝なのにこの暑さ。
そんな中の良く分からない提案が飛んできた。
ともすればやや猥褻な想像をさせるような言い方で。
「…アレってなんだよ」
「ん?コレだよ、コレ。はいあーんして?」
差し出されたのはカフェオレ味のシャーベット状アイス。
「あーんって、お前…」
クロウが顔を顰めながらきょときょとと周りを見回した。
幸か不幸か誰もいない。
「早くしないと溶けちゃうよー?」
にこにこしながら差し出されているアイスのポリ容器には無数の雫。
確かに早くしないと溶けてしまう。
仕方なくクロウはの手の容器に口をつけた。
そしてそのまま受け取ろうとするが。
「んふ、じゃあこっちはあたしが貰ってェ…。はい、新しい方あげる」
「…はぁ?」
はクロウの口から引き抜いたものを素早く咥えると、もう片方の新しい方をクロウに押し付けた。
「間接キス、ごちそうさまっ!」
悪戯っぽく笑ってちゅうっと容器を吸って見せたりして。
「なっ、何言ってんだっ!返せよっ!!」
思わず顔を赤くして手を伸ばす。
しかしは身軽にその手をさっと避けた。
そしてそのまま手を伸ばしたクロウの方へ体を寄せて上目遣いにクロウを見上げる。
「何、クロウもあたしと間接キスしたいの?」
「ばっ…!違ぇよ!!何言ってんだ!!!!」
「照れない照れない。好きなら好きって言っていーよ、いつでも大歓迎っ」
「っ!ばっかじゃねーの!!こんなとこで言うか!」
赤くなった顔を覗き込まれるのを嫌い、クロウが顔を反らしての細い肩をほんの少しだけ押し返した。
しかしはその程度では全く怯まない。
「ね、こっち向いてよォ」
「っ、離れろって…!」
と言うクロウの腕にも力はそんなに篭められていない。
本気で嫌ならクロウよりも更に小柄ななのだから軽々と押し返せるはずなのだが。
そう、なんだかんだ言ってクロウも本気で嫌がってはいない。
普段からこうやって照れながらも無邪気なに付き合っているのである。
「…いつも仲が良いな」
そんな二人に声が掛かった。
いや、声を掛けた遊星ですらそれを躊躇う光景だったが、クロウに仕事が控えていることを知っているのでそういうわけにもいかず。
実はちょっと待っていたが一向に終わる気配がないのでとうとう声を掛けたのだった。
放っておいたらエスカレートして更に声を掛けづらくなるかもしれないし。
「げ、遊星」
「あ、遊星」
接頭語は違うが見事にハモる二人に遊星は苦笑を浮かべる。
「…もう乗れるぞ。仕事だろう」
「あ、ああ!そーだった!悪ィな!」
今度はがば、とを引きはがし、クロウは逃げるように階段を降りて行った。
そして程なくしてブラックバードのエンジン音が聞こえ、クロウが行ってしまったことをに知らしめる。
「もー遊星ってば邪魔するぅ」
不満そうにアイスの容器を咥えて唇を尖らせるに遊星は困ったような顔をする。
「また昼帰ってくるじゃないか」
「そーだけどォ…。もー、女の子の気持ちわかんないなァ。そんなんじゃアキさん、苦労してるんだろうね」
「何故急にアキの話になるんだ?」
「うっわ…。…ううん、もういい」
これは苦労どころの話ではないなと察したは話題を掘り下げることなく遊星に背を向けた。
等辺木に何を言っても同じだろう。
一瞬首を傾げた遊星だったが、いつも通り作業があるのでガレージに降りようととは正反対の方向へ歩き出す。
その背中を振り返って、は思い出したように声を掛ける。
「そうだ。遊星にもアイスあるよ。ミルク味が遊星のでコーヒー味がジャックのだから間違えないでね」




午後。
クロウはまだブラックバードに乗っていた。
一つ朝と違うことは後ろに乗っているのが荷物ではなくと言うことだろうか。
「今日は配達少なかったね」
「だな。楽で良いけど、収入直結だからなァ」
もバイトをしているが、シェアハウスの生活は然程楽ではない。
それでもサテライトにいた頃よりはずっと向上していた。
まず仕事があって、まともな給金を貰えるだけで全然違う。
それから物も格段に手に入りやすい。
価格も安定しているし(と、言うか今思えば本当にサテライトは特殊な土地だったと思う)、まともな生活を出来るようになったなぁと実感している。
「でも…あたしはさ」
「どした?」
きゅうっとクロウの腰に回した手に力を篭めた。
少し甘えるかのような声にクロウはどきっとするが、それを押し殺す。
「収入少なくても、クロウと長い時間一緒にいれる方が嬉しいな」
ふふ、と後ろではにかんだような気配がする。
孤児院の頃から一緒に育ってきたからそれくらいはもう見なくても分かってしまうのだ。
嗚呼、運転をしていなければその可愛い笑顔をじっくりと眺めることができただろうに。
今夜ゆっくり見てやろうとこっそり決めて、クロウが返事を返した。
「…金がねぇと、夕飯食えねーぞ」
「ご飯食べられないのは困るねぇ。今夜何にする?」
「お前は何が良いんだよ」
「あれ?それ聞くの?」
後ろのが意外そうな声を出した。
「ハハ、愚問だったか?」
「あたしがこういう時いつもなんて答えるか知ってるでしょ?」
「「ハンバーグ」」
やはり見事にハモってからクロウは財布の中身を考える。
「鶏肉なら安いから、鶏ミンチで代用すっか」
「えぇー、それハンバーグじゃなくてつくねっていうと思うんだけど!」
照り焼きのタレをかければ完璧にハンバーグではなくなるだろう。





結局。
「あれ、絶対ハンバーグじゃない」
いや、美味しかったけど。
でもが望んだものでは確実に無かった。
「仕方ねぇだろ、材料が代用品なんだからよ」
シェアハウス内は当番制。
はクロウが洗った後の食器を片付けていた。
「ま、WRGPが終わるまでは仕方ないか…。ね、WRGP終わったらどうするか考えたことある?」
「終わったら、なァ…」
何となく今の生活が変化するということを想像するのは難しい。
遊星がガレージにいて。
ジャックと軽口をやりあって。
そしてが傍にいて。
ずっとこれが続いていくようにさえ思えてしまう。
だけど、WRGPが終わったら…一つだけ決めていることがある。
それはに結婚を申し込もうと思っていること。
生涯傍にいてほしいと伝えようと思っていること。
…しかし、それを今言えるわけもないので。
「…分かンね。まだ先のことだしな」
と、そっけなく返す。
「そっか。そうだよね。あたしもこの生活変わるって全然想像出来ないし」
もそれに同調した。
「でも、ずっと一緒にいたいね」
「…おう、そーだな」
言いながらはにかんだ笑顔を見せる
もしかしたら同じ気持ちなのかもしれないと思うとクロウはどきどきした。
「よし、終わり。あたしお風呂入るけど、クロウはどうする?」
ぱたんと食器棚を閉めたが振り返る。
クロウの高揚した気分を知る由もないのいつもの問いかけ。
「…入る」
言葉少なくクロウは返事をした。

「ちょ、お風呂入るんじゃなかったの…!?」
「それはちょっと置いとけ!」
入浴の前に着替えを取りに部屋に戻ったところでベッドに引っ張り込まれた。
クロウよりも小柄なが本気のクロウに敵うはずも無く、なされるがままである。
ベッドの上に押し付けられて手首を体重で拘束されてしまえばもう逃げ出すことも敵わない。
「ヤダ、クロウ、待って…」
「いいから黙れって」
「!…んっ、ふ…」
抵抗を口にする前にクロウが素早くの唇を奪った。
キスで黙らせるやり方は狡い。
だけど拒絶もクロウを傷つける気がして出来ない…と、言うか本気の拒絶ではないし。
何度か軽く啄ばんだだけで意外にもすんなり離れるが手首にかけられている体重は何も変わらなかった。
「…お、お風呂入ってからにしない…?ほら、今日暑かったし…」
「カワイーこと散々言ってお預けかよ」
「や、だって結構あたし汗かいて…」
「問題ねェ」
「あ、あたしが問題あるって…!やぁ、っ…ン!」
ちゅうっと改めて唇が重なる。
今度は最初から容赦なく、舌先が潜り込んできた。
ちゅく、と唾液が絡まる音が部屋に響く。
触れ合った唇が柔らかくて温かくて。
角度を変えられる度にその官能的な感覚を味わわされた。
「ん、ぅ…っ」
必死で唾液を垂下していたけれど息苦しさを覚えてくぐもった呻き声をあげると少しだけクロウが唇を離した。
「はぁっ…窒息しちゃうよォ…」
赤くなった目尻に薄っすらと涙を溜める
キスだけで性の色を滲ませる彼女の姿は扇情的でクロウを堪らない気分にさせる。
抵抗をさせないようにするために掴んでいた手首をの頭の上で一纏めにすると、空いた手での服を捲くり上げた。
「っ、あ…」
下着も擦り上げられてしまい、裸の胸がクロウの目の前に晒される。
その胸をクロウはやんわりと掬い上げた。
「やーらけ…いつ触ってもエロい感触だな…」
「やんっ、もう…!」
ふにゅふにゅとクロウの指先が埋まり込む。
弾力を楽しむような手つきなのに、好きな男にそうされていると思うとじんわりと体が熱くなってきてしまう。
「んン…っ、あ、クロウ…っ」
「んー?」
「抵抗しないから…、手…離して…っ」
乞われてクロウはの手首をそっと解放した。
は自由になった手を少し所在なさげに開いたり閉じたりしたが、やがてゆっくりとクロウの首に回す。
「…好きに、していいよ…」
恥ずかしそうに頬を赤くしながら覚悟を決めたようにきゅうっと目を閉じる。
「…ふーん?言ったな?」
その言葉にクロウはニヤっとした。
そして両手で胸を軽く掴むとかぷっとかぶりつく。
「んう…!」
容赦なく舌での胸を撫で回して唾液でぬるぬるにした。
そのままちゅうっと軽く吸い上げて唇を離すと、ぷっくりと充血した乳首が目に入ってくる。
「ちょっと触っただけでこんなにして、感じやすいよな…お前」
「ひゃ、っ…だ、だって…!」
舌先で弾くようにいじりながら空いた方をきゅうううと抓み上げる。
押しつぶされた乳首は刺激を感じて膨らみ、更に敏感になった。
「あんっ、そんな風に、…触るからっ、あァ…っ」
「でもスキだろ?」
今度は指先で刺激した方をぱくんと口に含んでしまう。
強い刺激に晒されていた箇所がねっとりと柔らかな感覚に包まれては背中をしならせて好がった。
「あはぁぁっ、…!それぇ…っ、あぁん、弱いのォ…っ!!」
首に回っていたの手が強請るようにクロウの背中を抱き締める。
しなる体も胸を差し出しているかのようだ。
「は、もっと好くしてやるよ…」
くちゅくちゅと口の中で乳首を捏ね回して、カリ、と歯を立てた。
「んあぁぁっ…!」
敏感になっている部分に鋭い硬質な刺激を受けての体がのたうつように跳ねる。
じんわりと足の間が熱い。
「すげぇ腰振ってたぞ。そんなに感じたか?」
「っ…、言わないでよォ…胸弱いの知ってるくせに…」
ニヤニヤしながら言われては手で顔を覆った。
その間もクロウはゆっくりと片手を滑らせて胴の中心を撫で、お臍の周りを指先でくるりとなぞり、下腹を撫で回す。
「んっ!あぁ、っ、くすぐったいよ…!」
熱のわだかまる辺りを撫で回す手つきに抗議の声を上げると、胸を掴んでいた手が戒めるかのようにきゅうっと乳首を抓った。
「はぅ、んっ…!」
「俺の好きにしてイイんだろーが」
冷たい声で言われては息を飲む。
が声を失ったのを良いことにクロウは数回下腹の辺りを撫でさすった後、柔らかなその部分に唇を押し付けた。
仄かに甘いの肌の香りがふわりと舞い上がってクロウを誘う。
「ひゃっ…あ、やぁ、ンっ…!」
ちゅ、ちゅ、と軽いキスを繰り返しては唇で気紛れに食まれて。
くすぐったいようなもどかしいような性感がを襲う。
「へへ…可愛いぜ、…」
「はぁっ、あぁ、あっ…!」
僅かな痛みにびく、とは体を震わせた。
ちゅうううときつく吸い上げられる感覚。
皮膚の柔らかなところにクロウが痕を残したのだ。
「んン…っ、クロウ…っ!」
一つだけでは飽き足らず、更に続けて痕を残すクロウの肩には爪を立てながら淡い痛みを受け入れる。
「はっ…白い肌の中で、ココだけ赤くなってやらしーな」
残した痕を満足げに見下ろしたクロウは、今度はのスカートに手を掛けた。
下着ごと引き下ろしてベッドの下へ放る。
「…っ」
クロウはまだ一枚も脱いでいないのに、自分は殆ど裸同然で。
一人だけ脱がされた居心地の悪さには肩を丸めるようにして体を庇った。
しかしそんなを意に介すこともなく、クロウはの足の間に体を押し込んでくる。
「きゃっ、ちょ、っ…!」
立てた膝を肩に乗せられて腰を抱かれてしまえば動くことも出来ないままに、秘密の部分をクロウに晒すような格好になる。
更に花弁を押し広げて入り口までも曝け出された。
「スッゲー…ぬっるぬる。糸まで引いてんぞ」
「やぁあ…、見ないで…っ!」
手でクロウの頭を押し返そうとするが、それより早くクロウの舌先が割れ目をぺろりと舐め上げた。
「んはぁっ!」
粘膜を直接刺激する舌先。
生き物のように蠢くぬめったそれは確実にの抵抗する気力を奪ってしまう。
「は、あぁ…あっ!あっ!…っ!」
にゅるにゅると敏感な突起を捏ね回してはちゅうっと吸って刺激する。
直接的な快感が爪先から這い上がり背筋をぞくぞくと駆け抜けた。
「あぁあ、あっ!らめ、それ感じすぎるうぅっ…!」
内股を痙攣させながらは髪を乱してシーツを掴む。
「ン…、はァ…コレもスキだろ?」
「え、…っ、あ!あぁっ…!やぁ、あぁぁ…っ!!」
ぴくぴく震える突起を舐め上げながら、クロウはの体内に指を突き立てた。
「ナカもぬるぬるなのにスッゲェ締め付け…」
入り口を広げるかのように体内で指を動かしながら出し入れする。
「あァっ…!掻き、まわしちゃ…だめなのォ…っ!!」
愛液を掻き出すような動きが体内を刺激して、きゅうんと子宮を疼かせる。
断続的に収縮を繰り返すの体は絶頂が近いことをクロウに伝えていた。
「はぁっ、はぁっ、やぁ、も、イっちゃう、よおぉ…っ」
ぶるりとが体を震わせる。
それに合わせてクロウは愛撫し続けていた突起を舌先でぎゅうっと押しつぶした。
瞬間、ぴんとの爪先が空中で硬直したかと思うと、熱くて柔らかいの膣壁が一際きつくクロウの指を締め上げる。
「あはぁぁっ!!」
嬌声を上げて仰け反りながらがくがくと体を痙攣させる
こぷりと体内から愛液が溢れ、クロウのグローブを濡らす。
「おっと、大洪水だな」
然程気にした様子もなく、腕からグローブを引き抜くとぞんざいに床に放り投げた。
そしての体もベッドに一度下ろしてやる。
「はーっ…はーっ……」
体を解放されたものの、絶頂後の余韻で呼吸が整わない。
マットの上に体を沈めて荒い呼吸を繰り返していると、ベルトを外す金属音が聞こえてきた。
「まだ終わりじゃないぜ」
「ン…っ、わ、分かってる…!」
改めて足の間に体を押し込んできたクロウ。
取り出されたクロウのアレはの痴態を散々見せ付けられて反り返るほどに勃起している。
「ほら、自分で入れてみろよ」
「…!」
ぐい、と手を勃起に触れさせられてはかあっと体温が沸騰するような気分になった。
「じ、自分でって…」
「出来るだろ?やって見せろよ」
「…!」
それはとんでもなく恥ずかしいがクロウの期待に応えたいという気分の方が強かった。
覚悟を決めてクロウの根元を握りこみゆっくりと自分の体内に収めていく。
「うは…すげーエロい。俺のが入ってくぜ…」
「ふ、ァ…っ、み、見ないで…恥ずかしい…っ」
自ら快楽を得ようとしていることに違いはなく、自慰を見せているかのような気分になっては込み上げる羞恥心にじわりと涙を滲ませた。
「恥ずかしいのがイイんだろ?きゅうきゅうしてるぞ」
「っ…!」
言葉でさえ嬲られながらもはどうにかクロウを体内に収めきった。
ナカで脈動する感覚に不覚にも感じさせられてしまい、その都度彼のカタチが分かってしまうほど締め付けてしまう。
「入った、よ…?」
恐る恐るクロウを見上げる。
先を促す媚びた視線は無意識のものだったが、それはクロウの自尊心を深く満足させた。
「ああ…イイ子だな」
視線から求められていること感じ取ったクロウはをベッドに押し付けて覆いかぶさる。
「ご褒美にたっぷり出してやっからよ…!」
「ひ、あ、あぁぁっ…!」
腰をグラインドさせたクロウが思い切りの体内を貫いた。
先程絶頂を感じた体がまたもどかしい熱を帯び始める。
「あっ!あぁっ!!いきなり、激しっ…よぉ…っ!」
の中、俺のに絡み付いてくるみたいで…堪ンね…っ」
ぎしぎしとベッドを軋ませながらクロウは夢中での体内を蹂躙した。
「んうぅっ…!はぁっ、あ、ナカがきゅうんってするよォ…っ」
絶頂して間もない体内は敏感に戦慄きながらもクロウをぴっちりと握り込む。
いやらしく勃起を舐めるかのような内壁の感覚。
腰が蕩けそうな程の快感をより深くで享受しようと、クロウはぎりぎりまで腰を押し付けた。
「はぁっ、おっきいの…っ、らめェ…おなかいっぱい…っ!!」
ぐりぐりと腰を押し付けられて苦しげな表情を浮かべる
しかし苦しげな表情とは裏腹に気持ち良さそうな甘い嬌声も溜め息と共に零れ落ちている。
「とか言って好さそうじゃねぇか…っ、食いちぎられそーだ…っ!」
じゅぶじゅぶと体内を掻き混ぜながらの腰を掴んで体をぶつけた。
溢れた体液が混じり合いシーツに染みを作っている。
ベッドの軋む音も行為の激しさを物語っていた。
「うァんっ!深いよぉぉ…っ、はぁあ、だめぇ…っ好すぎるよぉ…っ!」
与えられる快感に体を波打たせるがぞくぞくと背中がしなる。
クロウを締め付ける体内の感覚も短くなってきた。
揺さぶられながらはクロウの背中に爪を立てて。
「あっあっ!イきそ…っ!あっ、イっていい?やぁっ、あっイく、イくイくぅ…!!!!」
びくびくっと体を跳ねさせる。
「う、は…っ」
ぎゅうううっと搾り取るかのように蠢くの内壁に導かれ、クロウもの最奥で欲望をほとばしらせた。
「ふ、は…っ、クロウの、いっぱい出てる…」
絶頂の余韻の中、びゅる、びゅるうぅっと脈動する感覚がとてつもなく甘い。
溢れる程吐き出された精液が内股を伝う感覚があった。
「っ、は…、あー…めちゃくちゃ良かった…」
吐き出し切った後、クロウがの体を避けるように横に崩れる。
それを横目に見て。
「寝ちゃダメだよー。お風呂、まだなんだからね」
と、声を掛ける。
しかしそれは、今にも疲れて寝てしまいそうな自分への言葉でもあった。








「いつかさ、こんなこともあったねっていう時が来ると思うんだ」
それは近くて遠い未来の話。
湯船の中でクロウに背中を預けながらは続ける。
「お金なくて大変だったけど、楽しかったねって」
「…かもな」
「その時も…あたし、クロウの傍にいたいの」
「!」
少しだけ振り返ってクロウを見上げる
そんな彼女に軽くキスを落とすとクロウは額同士をこつんとくっつけた。

「…WRGPが終わったら…」

「ん?」

「……聞いてほしいことがある。に」

「うん」

「絶対優勝すっから」

「うん」

「もうちょっとだけ、待っててくれ」








===================

みおり様、11111hitのキリ番リクエスト本当にありがとうございました!
クロウって人前では照れるけどベッドの中では割と強引だと萌える。
冒頭のセリフはアレです。

「私とー!××コちゅーちゅーしませんかー!?」

とか叫ぶアイスのCM。もう放映してない(と思う)から知らない人も多いかも。
検索避けるために伏字にしたら危ない感じになりましたよね(確信犯)


こちらの作品はみおり様へと捧げさせて頂く作品となっております。
無断転載は言うまでもなくご本人様以外のダウンロードなども厳禁です。
閲覧のみで宜しくお願い致します。