「遊矢あぁぁぁ…助けて……」
まだ日も昇りきらない薄暗い朝。
冷たい空気に支配された道を、遊矢は歩いていた。
朝から親友に呼び出されたのである。
そろそろ春になろうという季節だが、早朝はまだ寒い。
それでも、呼び出してきた親友の電話口の声は尋常じゃなかった。
一体彼に何があったのか。
ここ最近色々と事件が起こりがちである。
柚子も何かを隠している様子だし…という思考に至ってしまえば助けを求める親友の元に出向くしかないだろう。
幸い親友の家は徒歩でも10分程。
幼い頃から何かと馬鹿をやっては楽しい時間を過ごしていた相手だ。
カードの相手だってプライベートな時間だけで言えばこの親友に敵う人間などいない。
あの柚子すら。
…とか、考えている間に彼の家の前だ。
流石にこんな早朝から家族を起こしてしまっては拙いので、遊矢はインターフォンを鳴らさずに電話をすることにする。
3コール、4コール…。
しかしこのコールに彼が出ることは無かった。
その代わり。
「…待ってたぜ、遊矢…」
ほんの少しだけ玄関を開けて顔を覗かせた彼は小さく手招きだけをした。
「?なんだよ、どうしたんだよお前」
「いいから入れ。誰にも見られたくないんだ」
「…」
やはり尋常ではない彼の様子に遊矢も眉を顰めながらゆっくりと指示に従った。
子供の頃から通い慣れた家。
リビングでゲームをさせてもらったり、の部屋でカードで遊んだり…。
自分の家かのように知っている。
部屋へ続く階段を昇るを後ろから追う遊矢は、ふと変なことに気付いた。
「…なぁ、お前具合悪いのか?」
「え、何で…」
「いつもお前が先に階段昇るけど、いつからかお前の体でそこに掛かってる時計が見えなくなったんだよな。でも…」
遊びに来た時に帰る時間までをはかるため、遊矢はこの家の階段のところに置いてある時計を確認するのがクセだった。
小さい頃はいつでも見えたものだが二人の体が成長すると共にそれが見えなくなっていった。
だからいつも遊矢途中で足を止めて時計を見上げるようになっていたのである。
「でも、今日は見えるからさ。腹でも痛いのか?」
「…っ、いや…多分、違う……」
遊矢の言葉に一層表情を暗くしたは力ない足取りで階段を上がっていった。
薄暗く静まり返った階段をあがってつきあたりがの部屋である。
普段は遊矢よりも快活な彼は今、遊矢を部屋に通した後でベッドに腰掛けたまま俯いている。
カーペットの上に座った遊矢はそれを見上げている格好だった。
「…」
「、何があったんだ?話してくれよ」
「…うん…なあ、遊矢…俺ら、親友だよな…?」
「はぁ?」
いきなり何の確認だ。
そんなに言いにくいことがの身に起こったというのか。
「何があっても…俺と親友でいてくれるか…?」
恐る恐るという風に小声で尋ねるは真剣だった。
寧ろ真剣を通り過ぎて何かを気負っているかのような雰囲気まである。
訳がわからないながらも兎に角の真摯な様子だけは見て取れる。
遊矢はの目の前でしっかり頷いた。
「当たり前だろ。小さい頃からずっと友達じゃないか。兄弟みたいなモンだろ?それはずっと変わらない」
「…本当に…?」
「ああ!…お前は違うってのか?」
自分で親友かと聞いておいて確認を繰り返すにちょっとだけむっとしながら遊矢が言うと、は勢い良く首を横に振った。
「ううん…、ううん違わない。…ありがと、遊矢!」
感極まったのかバッとは遊矢に抱きついた。
これくらいのじゃれ合いは日常茶飯事である。
やれやれと遊矢は抱きついたの顔を覗き込む。
「…で、結局お前何があったんだ?」
「う、うん…」
遊矢の言葉に思考が現実に引き戻されたの表情に翳りが戻ってくる。
しかし今のやりとりで多少は気が楽になったのだろうか。
意を決した風には遊矢の膝からおりると、目の前に正座した。
「…俺…俺……」
「うん」
「…俺っ…!…朝起きたら……女になってた…」
「うん。……は?」
「だからっ…、俺、女になっちゃった」
顔を真っ赤にして絞り出すような声で呟くと、目の前で頭の上に疑問符を浮かべまくる遊矢と。
暫くの間、気まずい朝の静寂がこの部屋を包み込んだ。
「えー…っと…ちょっと…俺、混乱して…女に?お前が?」
「…そう…」
「……」
「…証拠、見るか…?」
恥ずかしそうに自分自身の腕をぎゅっと掴んだの申し出に遊矢はぎくりと体を硬直させた。
証拠、って。
「…遊矢になら、別に見せてもいい」
「や、で、でも…」
疑う気持ちと、もし本当だったらという気持ちが遊矢の中でせめぎ合う。
幼い頃から一緒に育ってきているからが間違いなく男である事は知っている。
遊矢は俯いて視線を逸らすをこっそりと見つめた。
が今着ている部屋着はゆったりしていて体の凹凸が分かりにくい。
そんな視線に気付いたのだろうか。
ちろりとは遊矢に一瞥を与えると。
「そーやって…じろじろ見るくらいなら、見ろよ。ほら…!」
言うなりが部屋着の裾を捲くり上げ、脱ぎさってしまった。
「!」
その姿に遊矢は心臓が跳ね上がり、体が硬直する。
薄暗い部屋に白い肌が際立って浮かび上がっているかのようだ。
そして確かに見慣れない膨らみがの胸には存在している。
「はは…やっば夢じゃねーや…」
改めてその膨らみを確認したも自嘲気味に言った。
夢であれば良かったのに。
「ほ、本物…?」
「こんな偽物どうやって作るんだよっ」
「や、あの、ほら、ソリッドヴィジョン、とか…」
そんな訳がないと分かっていながらも遊矢はその混乱から逃げる為に口にしていた。
が、勿論そんな訳がないのでは返答の代わりに深いため息を吐く。
「俺…どうしよう…」
ぽつりと呟くの目尻には薄らと涙が滲んでいた。
その姿に遊矢はどきっとした。
快活なが細くなった肩を丸めて声を震わせている。
急に目の前にいるのがではなく、誰か別の女の子のような気分にすら…。
「だ、大丈夫だ!俺がばれないように協力してやるから!!」
「…遊矢…」
「元に戻る方法も一緒に探してやる!俺達親友だろ?出来ることなら何でもやってやるからさ!元気出せよ」
励まされて一瞬驚いたように目を瞬かせた。
しかしその言葉をじっくりと反芻すると、遊矢を見てふわりと微笑んだ。
「うん…ありがと。やっぱ遊矢は俺の親友だな…!」
いつも通りのの微笑み。
だけど、その表情は女の子そのものだった。
雰囲気はなのに、性別が変わるだけでこんなにも可愛くなるものなのだろうか。
そういえば、は今上半身は裸で…。
視線を滑らせる遊矢の喉が小さく鳴る。
「…なぁ、…」
「ん?何だよ」
「…ちょっと、触ってもいい?」
「…へっ?」
が返答をする前に遊矢の手がの胸をやんわりと掴んでいた。
「ちょ、っ…!」
「うわ、すごい…。めちゃくちゃ柔らかい…!」
むにゅぅ…と指が沈み込む感触に遊矢は声を上擦らせる。
無遠慮に揉みしだかれは遊矢の手を掴んだ。
「な、何するんだよ…!」
「だってが急にカワイーから…」
「やっ…止めろって…!あぁっ…!」
びくっと体を震わせたが小さな喘ぎ声をあげる。
その声に遊矢だけでなくも驚いた。
「声…」
「ううううるせー!言うな触るな!!んぅ、変態…っ!」
イヤイヤと首を横に振るだが、指の間で膨らみ始めた乳首が遊矢の興味を惹く。
「な、なぁ…舐めていい?」
「はぁ!?」
遊矢の言葉に愕然とした顔をするの返答を待たずその胸にかぶりついた。
つんと膨らんで弾力を持つ先端をちゅるちゅると舌で嬲る。
「んうぅっ…やめ、ろよォ…っ、あ、はぁ…っゆう、やぁ…っ」
(う、声まで可愛い…)
眉を下げて淡く喘ぐが遊矢の肩を押し退けようと掴む。
しかし力が入らないのであろう、掴まれた肩はいつまで経っても掴まれただけ。
ねっとりと舌先で乳首のカタチをなぞればしなった背中が遊矢の愛撫をせがむように胸を突き出してくる始末。
「気持ちイイ?」
「っ、ンなわけ…っ、あっ…やだ、吸うなよぉ…っ!」
ちゅっちゅ、と唇で何度も啄まれたは足の間にじんわりとした不思議な感覚を覚える。
不快ではないが何かもどかしいような気がして居心地が悪い。
「ほんと、も、止め…。なんか股の辺りが変な感じするし…」
「…そういえば…、下も女の子になってんの?」
「う、うん…まぁ…」
膝を擦り合わせながら俯きがちに頷くが、如何にして下を確認したかということを考えるよりも早く本能が優先した遊矢は、のスウェットパンツに手を掛けた。
ぎくっとしたが体を硬直させている間に引き下ろす。
「ば、馬鹿!!何するんだっ!!お前ホント変態だな…!!」
「変態でもなんでもいいからちょっと見せてくれよ」
の足首を掴んで足を開かせる遊矢が、柔らかなの花弁をゆっくりと押し開いた。
そこはピンク色の入口から蜜がじゅわりと零れていて。
「…濡れてる…」
うわ言のように呟いた遊矢が、惹き寄せられるように足元に屈みこんだ。
「ちょ…っ、ゆう、や…っ!」
息がかかる程の距離まで顔を近付けられたは遊矢の頭を押し返そうとする。
が、ぬるんと触れた舌先がその力を奪い取った。
「うぁ、やだ、舐めるなんて…っ、あっ…あぁぁぁ…っ」
ぴちゃりぴちゃりと水音が響く。
拒絶したくとも全身を襲う淡い痺れに、は体を支えていられなくなりカーペットの上に体を横たわらせた。
遊矢はの足を抱え上げると、愛液を舐め取りながら舌先を何度も上下させる。
「ふあっ!…あぁっ!…、や、っ、あ…!」
その舌先は上下するだけでは飽き足らず、もっと深くまで侵入してきた。
「な、ナカ…っ、そんなとこ…舐めちゃ…っ、やらぁぁ…」
熱くて狭いの体内。
刺激を与えるときゅうっときつく締まっては弛緩する。
いやらしい動きに遊矢は男性的な本能が刺激されるのを感じる。
「はぁっ…の中…すごい……」
一頻り舐めた後、ようやく離れた遊矢が愛液に濡れた口元を手の甲で拭ってに覆い被さった。
「な、なぁ……挿れさせて……」
「はぁ!?何言ってんだよ!!絶対だめだ!!」
「だ、だって俺、もうこんなんなんだよ…」
ごそごそと取り出された遊矢の勃起を押し付けられての体がびくっと震えた。
「も男だったら分かるだろ?お前に挿れたい…」
余程我慢が利かないのか遊矢は腰を揺らしてソレでぬるぬると割れ目をなぞる。
浅い呼吸を繰り返して、切なげな表情を見せる遊矢。
それを見ていると不思議と嫌な気分よりも高揚感を覚えてくる。
「俺こういうこと初めてなんだよ…。我慢できないって…。挿れる、な…」
「お、俺だって初めてだっつーの!あ、馬鹿…っ!」
の体に圧迫感が生まれる。
同時に遊矢がぶるりと体を震わせた。
「うそ…っ、お前、…っ、あぁぁ…」
「うわ、…先っぽだけでも、すげーイイっ…」
ぬかるむ体内は、多少の抵抗はあれどゆっくりと遊矢を飲み込んでいく。
未知の感覚に遊矢は背中をしならせた。
「はぁあ…狭い、…きゅうってしてて…っ、熱い…っ」
「ひっ、い…っ!ばか、抜けよ…っ!!」
言葉とは裏腹にの体内はうねりながら遊矢をぴっちりと咥えこむ。
「はう…」
ぞくぞくと背中を駆け抜ける快感に遊矢は更にの体内へ押し入った。
こつんと先端がの中をノックする。
「うあ!何、する…っ!!」
「あぁっ…!、それヤバい…っ!」
反射的に遊矢を締め付ける感覚。
堪らず遊矢はの足を抱えると、夢中で腰を遣い始めた。
「はぁっ、はぁっ…!あぁぁ…、っ…」
混じり合った先走りの粘液と愛液が掻き出されての内股を伝い落ちる。
スピードを上げていく遊矢の動きに翻弄されながら、はぎゅうっと遊矢の腕を掴んだ。
「あっあっあっ!うそ、あっ、ゆうや、ゆうやっ…!」
「…っ、お前のナカっ…トロトロで、っ…堪んね…っ!」
遊矢が奥深くに突き立てる度にの体はおかしくなるのではないかと思う程の快感が走る。
親友であるはずの遊矢の体の下でのたうつ。
浅く乱れた呼吸に合わせて揺れる胸に遊矢がかぶりついた。
「っ!!だめ、だっ!あぁっ…!!」
ちゅっと軽く吸った瞬間からの体内の抵抗が強くなる。
戦慄いてきゅううううと遊矢を締め付ける感覚に込み上げる射精感を堪え切れなくなった。
「、ごめん、っ…!俺もう出る…!」
本能のままにを突き上げ、最奥に至る瞬間、遊矢はぶるりと体を震わせる。
「イク、出る出る…っ、あぁっ…!!」
「ふあっ!熱いっ…!!」
びゅるっと体内に熱が迸る感覚にも背中を仰け反らせて絶頂した。
脈動する体内に遊矢は何度も射精を繰り返しているようだった。
「――、は…あぁぁ……遊矢、お前マジか……」
「…はぁっ…ごめ、なんか…我慢できなくなって」
隣に崩れた遊矢をは睨みつける。
ばつが悪そうに眉を下げる遊矢は、しかしちょっとだけ笑って。
「も結構気持ち良さそうに見えたけど」
「なっ…お、男にヤられて、ンなわけねーし…!!」
いや、実は途中から訳が分からなくなるほど気持ち良かったのだが。
それを言っては、何かの一線を越えてしまう気がしては誤魔化すようにそっぽを向いたのである。
「とりあえず…俺、今日は学校休む」
まさかの展開後のは遊矢に背中を向けて寝転がっていた。
親友の筆おろしをしてしまうなんて…。
ショックというか混乱というか遊矢だけ卒業しやがってというか。
そんな背中に遊矢は明朗に言い放つ。
「あ、じゃあ俺も!」
「遊矢は行けよ」
「だってお前のこと心配だし。誰にも会わないようにするなら俺がいた方が何かと便利だと思うけどな」
「…」
心配って。
いきなり処女奪ったお前が言う事か!!
と、思いつつも、遊矢の意見も一理ある。
は溜め息を吐きながら。
「…じゃあ好きにしろよ」
と、言うより他無かった。
そ れ で お し ま い … ?
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布教用に女体化といえば!な王道の内容にしてみました。
あたしはこのシチュエーションが好きで好きで好きで、キャラを変えて同じような話をたくさん書きたい女です。
それでも『極上の悪夢ですね。』よりは王道に近くなったカナ…。
裏の裏で短い続きもあったりして。
裏の裏なので内容はアレですけども。