「ジャック、どうせ暇でしょ。そのDホイールに乗せてよ」
「…暇は余計だ。だが…」
ジャックは立ち上がる。
「姉も同然の貴様が言うのなら尊重してやる。ただし」
ソファに座るをふわりと抱き上げた。
急に重力が無くなり、は僅かに目を瞬かせる。
いわゆるお姫様抱っこと言うやつだ。
とジャックの顔が凄く近くなる。
「何をする、ジャック!」
何故かよりも先に遊星が抗議の声をあげた。
「本人の希望だ。、俺のDホイールは一人用で狭くてな。膝の上になら乗せてやろう」
「ふぅん。なかなか可愛いこと出来るのね。じゃあエスコートお願いしようかしら、ジャック」
「姉さん!?」
大人しく抱かれたままジャックと一緒にDホイールに乗り込んだ。
「ちょっと走ったら帰ってくるから」
じゃあね、と優雅に手を振って見せた。
何をされても動じない女である。
ちょっとくらい驚いた方が可愛げもあるものを…とジャックは少しだけ残念そうに目を細めた。
寧ろ慌てた遊星の方が見物だったかもしれない。
エンジンを吹かす音がガレージに響いたかと思うと、折角帰ってきたばかりの白いDホイールはまた出て行ってしまった。
呆然とする遊星と、あーぁという渋い顔をクロウを残して。
「…ったく、ジャックのやつ爆弾投げていきやがって…」
きっとこの後の遊星はそれはそれは落ち込むだろう。
今回は泣いてしまうかもしれない。
耽溺する姉を取り上げられた彼は子供のころからいつだってそうだった。
空気が重たくなるガレージのソファで、天井を仰いでクロウは溜め息をついた。
「ジャック、あんた遊星のカードとDホイール盗ってシティに来たらしいわね」
風を切るハイウェイの上で。
は神妙な声でそう切り出した。
「…ああ」
「あの愚弟、あんたに何も言わなかったんでしょ?」
「そうだな」
「馬鹿なことしたわね。あたしがいてたら何としてでも止めてたのに」
正義に合わないと判断したら手段を選ばずになんでもやるのがという女である。
対立しようがいけないと思ったことは全力で止めてくる。
「結果論だろう。それに、貴様が先に男を作って出て行ったのではないか」
「まだそれ引っ張るの!?ってかそれ誤解だからね!!あいつは仕事仲間だし!何も無いし!!もう捨ててきたし!!!」
思わずムキになる。
本当に遊星は困ったことを吹聴してくれたと内心頭を抱える。
これからサテライトの知り合いに会うたびにこのやりとりをしなければならないのではなかろうか。
しかしそんなにジャックは静かに続ける。
「もしも、貴様がサテライトに残っていれば俺は…」
「…何よ。あたしのせいって言いたいわけ?」
「いや…これも結果論だ」
首を振ったジャックをはじっと見る。
生意気な子供が随分大きくなったものだ。
先の抱擁も力強くなっていて、僅かにどきっとしたほど。
クロウはあまり変わらないが遊星とジャックは大人びたなぁと感じる。
「フォーチュンカップ観てたわよ」
「…そうか」
「でも、遊星と一緒にWRGPに出るのね」
「済んだことだ。…それに全て失ったから得た物もあった」
ジャックとは思えない殊勝な言葉には少しだけ驚いた顔をした。
自信家で野心家、傲慢けど単純で時々弱い。
そんなジャックが素直に想いを口にすることは珍しい。
何かあったとかと問いたくなるが、果たして問うべきなのか。
考えあぐねているとジャックは急に道を反れた。
ハイウェイを降りて普通の車道へ。
「…どうしたの?」
しかしジャックは答えない。
は少しだけ首を傾げたが、好きにさせておくことにした。
それに何処へ向かっているのかもなんとなく分かった。
見えてきたのは、サテライト。
ジャックが出入りしていた廃墟はまだその姿を残していた。
荒らされた形跡もない。
サテライトには似たような廃墟が山ほどある。
チーム・サティスファクションとして名前が売れてから寄り付くものは殆どいなかったことを記憶している。
もしかしたらその残滓がここを守っているのかもしれなかった。
「どうしたのよ、ジャック。ちょっと走ったら帰るつもりだったのに」
「、貴様は何故戻ってきた」
「…大きな理由は、あんたたちが言うところの『男』と仕事のソリが合わなくなったからよ。…でも、帰ってくる決意をさせたのは…」
実のところ、この嫌な予感の正体はにも分からない。
しかし少し前に自分はとんでもない後悔をしたような気がする。
遊星たちと二度と会えなくなるという思いを味わったような。
そしてそれがずっと続いているのだった。
丁度、仕事にも迷いが生まれ始めており彼女は決意した。
家族のもとへ帰ろうと。
「嫌なことが起こりそうで、ね。遊星の顔を見たくなったのよ。あんた達に会ったら安心するかと思ったの」
「…それで結果はどうした」
さて実際嫌な予感が晴れたかと聞きたいのだろう。
「…結果はあまり芳しくないわね」
そもそも自身、何故『遊星達に二度と会えない』という気分になったのかが分からないのである。
普通に暮らしていたはずなのに。
それもそのはず。
地縛神の記憶を残す人間はもういない。
シグナーだったものと関わっていた人間以外は。
は恐らく魂を吸収されてしまったのだ。
漠然とそれを『後悔』という形で覚えてはいるが、肝心の記憶は他の者同様抜け落ちているらしい。
しかし知らなかったこととはいえが地縛神に魂を吸収されていたとは。
ジャックは苦い表情を浮かべた。
「俺は、貴様を追うつもりでシティへ行ったわけではない」
「知ってるわ」
「そして貴様を探すこともしなかった。必要がないと思っていたからな。どこぞの男と幸せに暮らしているのだろうと」
全て結果論で。
例えばがサテライトにいれば、ジャックもシティにいかなかったかもしれないし。
例えばジャックがをシティで探していれば、は地縛神に魂を吸収されなかったかもしれないし。
例えばが男と幸せに暮らしていたなら、は今ここでジャックと喋っていなかったかもしれないし。
「だから、それは誤解だってば。あいつは仕事仲間なの。ったく遊星も面倒なこと吹聴してくれたわねぇ」
溜め息をつくの腕をジャックは掴み、その顔を覗き込んだ。
「な、何…?」
掴んだ腕には感触があり、体温がその脈動を証明する。
困惑した表情も確かにの物だ。
彼女が一度魂を失ったとは思えないほどはっきりと、はそこに存在している。
「ジャック…?」
真剣すぎる表情のジャックには少しだけ戦いた。
端整な顔でじっと見つめられると居心地が悪い。
「細かい話は省略するが、貴様は一度死んだ」
「はぁ?」
「その場に俺がいなかったことが悔やまれる。だが俺は二度もそんなことを許すつもりはない」
「や、あの…話が見えないわ…」
「、俺の傍に居ろ。この腕の届く範囲に。俺はもう貴様を諦めない」
「…ジャッ」
「、愛している」
「…」
突然の告白に、の頬がみるみる赤く染まる。
目の前のジャックは全く顔色を変えない。
相変わらず自信家なことだ。
反論も許さず好き放題言ってくれる。
しかし突然のことに返事も出来ずにいると、ジャックは掴んだの腕を引き寄せてきつく抱き締めてきた。
「きゃぁっ!」
「…返事はいらん。貴様の意思など関係ない。俺は俺の好きなようにさせてもらう」
それが半分嘘だとは知っている。
口ではそんなことを言いながらも拒絶すればジャックはその手を離すだろう。
しかしは拒絶などせず、ジャックの背中に腕を回して彼を抱き返した。
「…そんなこと言わずに、返事くらい聞きなさいよ。嬉しいわ、ジャック。あたしを選んでくれて」
キングと呼ばれた彼ならば、きっと選り取り見取りの筈だ。
それなのにを選んだ。
先程は『姉も同然』と言ったはずのを。
「好きよ、ジャック。Dホイールに乗せてもらったときはドキドキして死んじゃうかと思った」
急に抱き上げたりするから、上がりそうになる体温を隠すのに必死だった。
今だってドキドキしすぎて死んでしまいそうだ。
ジャックの腕の中にいる。
その事実がの胸を熱く震わせる。
「…」
ジャックの手が優しくの顎を掴む。
上を向かされて、キスをされるのだと分かった。
唇が重なるなんて想像するだけで足が震える。
しかしそれを隠して、瞼を伏せた。
ややの後にふわりとした感触が唇に触れる。
「っ…」
思わず体が強張った。
姉を気取るだが、男関係は悲しくなるほど皆無である。
自分で「弟離れ出来ない」と言っていたのは本当だ。
どうしてもジャックを始め遊星やクロウと比べてしまい、まともに恋愛も出来なかった。
仕事仲間と断ずるあの男もダメだった。
向こうはどうやらある程度その気だったらしいが、どうしても無理。
このまま大好きな弟達の影に囚われながら生きていくのだろうなと悲壮な覚悟まで決め始めていたのだが…。
それにしてもキスすら初めてだと言ったらジャックはどんな顔をするのであろう。
「っは、…、あの、ジャック…」
柔らかな感触が離れていくのは少し寂しい。
強請るように視線を上げれば、ジャックのそれとぶつかった。
「初めてなのだろう?優しくする」
「えっ、何で知ってるの!?」
「貴様を姉以上の目で見ていたからだ。もう我慢するつもりもない」
「きゃっ!ちょ…!!」
抱き上げられたかと思うと、また唇を重ねられた。
さっきのキスのようにふわりと重なるのではなく、今度は緩やかに唇を舌で撫でられてぬるりと侵入された。
「んっ…!」
暖かくて柔らかい感触には戦く。
じんわりと口の中にで交じり合う唾液を飲み込んで、ただジャックに翻弄されるだけ。
ちゅくちゅくと小さな水音を響かせて絡み合う舌がの体に熱を生む。
離れる時すら吐息が交じり合うかのようで。
「はぁっはぁっ…」
肩で息をするを一瞥しジャックは自分の定位置にを下ろした。
薄暗い玉座に座らされて、恭しく膝を付くジャックが目に入る。
何だろう…このお姫様のような扱い。
「ちょっと…ジャック?」
普段のジャックの態度からは想像も出来ない彼の姿には居心地が悪くなった。
しかしそんなの手をジャックはそっと掴むと。
「我が生涯をかけてを守ると誓おう。…俺を受け入れてくれ」
掴んだ手の甲に優しくキスをする。
「…ジャック…」
みるみるの体の温度が跳ね上がるのを自身で感じ取った。
恋愛沙汰には興味のなさそうな顔をしてこんな情熱を秘めていたジャックの素顔を垣間見た気がする。
そしてそれを断るつもりはには勿論ない。
「あたしの方こそ、ジャック…貴方にあたしの全てをあげたい…貴方が許してくれるなら」
弾かれたようにジャックは顔を上げた。
見上げた先のは頬を染めて困ったように笑っている。
いつも姉の顔をしたの、隠された女の顔だった。
「…!」
掻き抱くようにその肩を抱き、深く口付けた。
「は、ぅっ…!」
驚いたように一瞬目を見開いただったがすぐに目を伏せてジャックの唇を味わった。
ジャックの手が弄るように服の上を滑る。
服の上から形を確かめるように、胸の膨らみを撫でられた。
大きな手がそれを包み込んで優しく揉みしだかれる。
「やぁっ…ん…」
思わず身じろぎして逃げ腰になるをジャックは抱き締める形で阻止した。
どうせ椅子とジャックに挟まれて動こうにも殆ど自由は無かったが。
ブラウスの裾からジャックの手が入ってくる。
悪戯な指先がつーっと腹の上を辿った。
「っ、ひゃぁ…やだ、恥ずかし…っ」
思わず漏れた声を隠すようには自ら口を押さえる。
「ふっ、それを許すことは出来んな」
「ん、え?…きゃっ、何するの…!」
口を押さえる手を引き剥がし、椅子の背もたれに押し付けるようにして縫いとめる。
「やだっ、あぁっ、あんっ…ジャック、や…っ!」
器用に片手で下着の留め具を外されてしまい、は体を強張らせた。
緩んだ隙間からジャックの手が直にの胸を包み込む。
何度か感触を楽しむように形を変えた後、膨らんだ頂を摘みあげられた。
「あぁぁっ、やだ…っ!!」
「こんなに硬くしているとは…キスだけで感じたか?」
「なっ…!」
かあっと頭の中が熱くなる。
さっきまではあんなにお姫様みたいに扱ってくれたのに。
受け入れた途端にいつものジャックに戻ってしまった。
「違…っ、はぁっ…あぁ、あ…んっ!」
「何が違う?」
ジャックの指先がの敏感に膨らんだ乳首を捏ねる。
痺れるような甘い快感がの腰の辺りにわだかまりを作っているようだ。
「…こっちも可愛がってやろう」
ブラウスを遠慮なく捲り上げたジャックが、の鎖骨の辺りに唇を落とした。
「ん!」
ちり、と痛みを感じては顔を顰める。
一体何をされたんだろう。
ブラウスが邪魔をして確認は出来なかった。
「きゃぁんっ!やっ、ジャック…いやっ…!」
ぬめるジャックの舌がの乳首をぞろりと舐めた時、は悲鳴を上げていた。
震え上がるほどの快感が腰を駆け抜ける。
「あっあっ!…やっ、は…はぁっ、あぁぁん…だめ、えぇ…っ」
口に含み舌先で転がすように嬲ると、は背中をしならせて善がった。
結果強請るようにジャックに胸を突き出すことになるが、そんなことまでは気付けない。
ただジャックがそれを愛撫する度に足の間がきゅうんと疼いて、それが辛くて堪らなかった。
「ジャック、やっ、あぁ…っ、はぁ…っ!」
「可愛いぞ、…。もっと啼くといい」
「ばか…ぁ…っ、だめ…はぁぁぁ…あぁん…っ」
びくびくと跳ねるの背中を抱きながら、ジャックはするりと手を滑らせる。
スカートの上から探るように太股を撫でた。
ジャックの愛撫に時折揺れる腰は、誘っているかのようで。
「きゃっ…!じゃ、ジャック…そこは…」
スカートの中に入ってきたジャックの手には再び戦いた。
内股を撫でられて、喘ぐのも忘れて緊張を体に走らせる。
「…怖いか?」
ジャックの問いには小さく首を縦に振った。
「怖がるな。優しくする」
「でも…っ」
じわりと目元を赤くしているにジャックはもう一度優しくキスをした。
「ん…」
重ね合い触れ合わせるだけで少し安心出来る気がするから不思議である。
少しだけの体から力が抜けたのを感じ取ったジャックは、下着の上からの秘部に触れた。
「っ!」
は身じろぎするが、ジャックは手を緩めない。
そこは柔らかく湿り気を帯びていて。
の溝に沿って下着越しに指を上下させると恥ずかしそうにが顔を背けた。
「んんっ…や、ぁ…」
じわりと染みが広がるのが感触で分かる。
羞恥を感じながらはジャックの指先を悦んでいるのだ。
その事実にジャックは密かに喜びを感じながら、の下着に手をかける。
「これは邪魔だな」
「ええっ、ちょっ待っ…!」
が制止する前に素早く脱がされてしまった。
更に恐ろしいことにジャックはスカートを捲り上げてしまう。
「やだっ!見ないで…!!」
誰にも見せたことのないような場所を晒していると思うと恥ずかしくて堪らない。
「ふ、俺に感じていることを恥ずかしがる必要などない」
「あのねぇ!それちょっと違う…っきゃぁぁ!!」
足を開かされて思わず悲鳴を上げてしまった。
気にも留めないジャックは自らの指先を軽く舐め、そっと近づけてくる。
はそれを直視など出来ずに目を伏せた。
「んっ、や、あぁっ…!」
くぷりとジャックの指先が溝に柔らかく埋まる。
既に愛液に濡れたそこは、それでも僅かに抵抗を見せた。
ぬるつく粘液を纏った指がにゅぐにゅぐと蠢く。
「はぁっはぁっ…やぁあ…、恥ずかしい…っ、ジャック、もうやだ…」
「ではこういうのはどうだ?」
「え、っ」
ジャックの声にふと目を開けようとした時、異様な感触を足の間に感じた。
「っ!?」
まさかまさか。
それに思い至る前にの体を感じたことも無いような快感が駆け抜けていた。
「んんっ!!あぁっ、ああぁぁ…っ、や、ぁっ!!」
びくびくと跳ねるの腰。
快感に弾かれるようには足元を確認すれば、ジャックがそこに顔を埋めているのが目に入った。
何と言う光景だろう。
の中がきゅうんと疼く。
とぷりと愛液が溢れ出す感触まで。
そんな筈無い。
こんな光景に興奮するなんて、そんな筈無い!
「あぁぁっ、だめ、何か…っ、ジャック、だめえぇっ!!」
がくがくとは体を痙攣させた。
収縮を繰り返すの入り口がジャックの指先を締め付ける。
「はーっ、はぁぁあっ…」
肩で呼吸をしながらは空中を見つめていた。
体から力という力が抜けてしまったかのよう。
ぐったりと椅子に凭れ掛かる。
「イった感想はどうだ?」
「…イく…?これが、イくってことなの…?」
自慰すら知らないは焦点の合わない瞳でジャックを見た。
震えるほど気持ちが良くて、体が跳ね上がる瞬間は何も考えられなくて。
でもまだ…中はじんじんと熱を持っているようで。
「さあ、そろそろ俺の番だ。力を抜け、」
「…ジャック、の…?」
ぼんやりとする頭がジャックの言葉を反芻する。
ああ、そうだ。
まだ終わってなくて。
惚けた表情で視線を彷徨わすにジャックは軽くキスをした。
「ん、…ジャック…」
膝を抱えあげられ、体を二つに折りたたまれるような体勢にされた。
少し苦しいなと思っていると、下肢に熱い何かを押し付けられたのを感じた。
その感触にの頭は急激に覚醒する。
「じゃっ…く、あたし…」
「、愛している」
「っ、やぁぁっ…!!」
ぐぶりと侵入してきたジャックにの体は戦いた。
初めての体がなかなかすんなりとジャックを受け入れない。
「痛っ…ジャック、痛い…っ!!」
さっきの快感が全部吹っ飛んでしまう程の衝撃だった。
「力を…入れるな、余計に痛いぞ」
「そんなことっ…、はぁっああっ…、苦し…っ」
体の中を押し広げられるような感覚だった。
「うっうぅ…」
逃げようにも動けない体勢でゆるゆるとジャックは腰を進めてくる。
はきつく目を閉じ、嵐のような瞬間を耐えるしかなかった。
「ああっ!」
ずぅんと内臓を突かれたような感覚があって、ジャックが小さく息を吐いた。
「全部、入ったな…」
「はぁっはぁっ…そんな、嬉しそうな顔してないで…早く終わらせて…」
「そこは安心しろ…。気持ち良すぎて全く持ちそうに無い」
その宣言もどうかと思うが、今のにはありがたい話だった。
「うっあ…!」
緩やかにジャックが腰を使うだけで痛みが伴ったが、一度入りきったからか最初ほどの痛みは無い。
寧ろ内壁を擦られると不思議な感覚が生まれる。
体の奥が切なくなるような…疼きにも似た感覚。
「はぁっ…はぁ、ぁぁ…ン…」
「…、あぁ、凄くいいぞ…」
ジャックが出入りするたびにぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響いていた。
確かにもまた愛液を溢れさせているのだ。
「あぁ、ジャック…んっ、はぁっはぁっ…はぁっ…」
まだ明確な快感ははっきりしないけれど。
こうやってジャックと抱き合っているだけで、確かにそれは気持ちよくて。
打ち込まれるスピードが徐々に速くなってきた。
「はぁっ、出す…ぞ…、っ」
ジャックの興奮した声にはびくんと体を震わせた。
知らず内部がきつくジャックを締め付けて。
「っ、、っ…う、く…っ!」
深々と自身をの中に埋め込んだまま、ジャックは射精する。
びくびくと脈動するジャックを感じて、うっとりとは息を吐いた。
☆★☆
「何故なんだ…何故ジャックと姉さんが…」
めそめそと涙を零す遊星の隣でクロウは溜め息をついた。
本日二度目の爆弾が投下されたからだ。
折角持ち直してきていたのに。
帰ってきた二人は明らかに雰囲気がおかしくて。
っていうかもうラブラブで。
何かあったことはもう一目瞭然。
「まあ、とりあえず気が晴れるまでデュエルでジャックぶっとばせよ」
いや、もうリアルファイトでいいかもしれない。
「俺は…俺はもう戦えない…」
おいおい絆はどうしたよ。
姉ちゃんいなきゃ維持出来ねぇ絆だったのかよ。
寧ろ俺がリアルファイトしたい気分だぜ…と思いつつ、クロウは何度目かの溜め息とともに壁のポスターを見た。
嗚呼、確かにとんでもねぇことが起こったな…。
の予感は的中したのか更にこれから悪いことが起きるのか。
一番の割りを食わされた形のクロウ。
泣き続ける隣のリーダーの頭を撫でながら先を思い遣るのであった。
=========================
この後クロウに頼み込まれた姉ちゃんが
遊星と一緒に一晩寝ることで、遊星の機嫌直ってたら萌える。
そしてジャックには遊星と言う弟が出来て…。
歪そうな関係が堪りませんな。