「クロウ、さっき乗せてもらったけど、もう一回それに乗りたいわ」
はブラックバードを指差しながら言った。
「いいぜ、別に。でも姉ちゃんのことだから他のも乗ってみたいんじゃねぇの?」
流石はクロウ。
そう、実は遊星のもジャックのも乗ってみたい。
しかし、それとは別にには意図があった。
だからわざわざクロウを名指ししたのである。
「まあね。それはそのうち。それ飛ぶんでしょ?ちょっと興味あるの」
「…念のため言っとくけど、飛行機みたいには飛ばないぜ?」
「分かってるわよ。ま、とにかく乗せて頂戴」
クロウは立ち上がり、もそれに倣った。
ここに来た時と同じようにクロウの後ろに座り、その腰に手を回す。
クロウは遊星が何か言い出すのではと内心ヒヤヒヤしていたが、意外にも微動だにしなかった。
「じゃあね。夕飯は皆で食べるから勝手に食べちゃダメよ」
優雅に手を振り、とクロウは出て行った。
姿が見えなくなってから、ジャックは口を開く。
「遊星、何故そのまま行かせた?」
「どういう意味だ、ジャック」
「そのままの意味だ。お前なら真っ先にクロウを止めて立候補すると思ったが」
ジャックの言葉に遊星は困ったように笑った。
「良いんだ。姉さんにとって俺は弟だし、姉さんはずっとクロウが好きだった」
「…知っていたのか」
「ずっと見ていたからな」
諦める遊星なんてらしくないが、彼にとっての最善がこの選択だったのであろう。
ジャックはそれ以上何も言わず遊星もまた作業に戻った。
「あはっ、凄いわクロウ!!」
楽しそうに声を上げるにクロウも笑った。
子供の頃は二人で悪戯をしてはこうやって笑いあったものだ。
そして二人で遊んでいると遊星が割り込んできて終わりになることが多々あった。
しかし今日は割り込んで来なかったなあ…とクロウは不思議に思う。
いつもの遊星ならクロウを押しのけて自らが立候補したはずなのに。
「なぁ、姉ちゃん、遊星となんかあったのかよ」
「え?何も無いわよ?そもそも一番最初に会ったのはクロウだもの」
「だよなぁ。何で遊星割り込んで来なかったんだろ」
「割り込む?」
「いや、こっちの話」
子供の頃からのお約束のようなものだったのだが、は恐らく気づいていない。
いや気付かない振りをしているだけなのかもしれない。
「姉ちゃん、秘密基地覚えてるか?ちょっと行こうぜ」
「いいわね。でもまだ残ってるかしら」
サテライトの一角にクロウと見つけた小さな部屋。
二人で古い家具を持ち込んで何となく居住区のように設えたのだった。
「残ってるぜ。実はあそこ、まだちょくちょく通ってんだ」
「え?」
「姉ちゃん帰ってきたら一緒に行こうと思ってさ」
言いながらクロウはブラックバードを反転させた。
「きゃっ、ちょっとびっくりするじゃないの!」
「悪ィ悪ィ。でも方向こっちだからよ!」
強い向かい風には一瞬息が詰まる。
ああ、こんな玩具で弟達は遊んでいるのか。
きっとそこにの割り込む余地はなくて、彼等が僅かに遠くなるのを感じる。
そして目の前のクロウもいつかは…。
は目を伏せて、クロウの腰に回した腕に少しだけ力を込めた。
サテライトの一角の瓦礫と廃材に埋もれたところにそれはあった。
当時これをよく見つけたなぁと感心するくらい分かりにくいところにある。
まずこんなところに近寄ったのがすごい。
幼さ故であろうが、一体ここで何をしようとしていたのだろう。
「う…、流石に入り口は狭いわね…」
子供だった頃はそんなに苦でもなかったが、今では這わないと入れない。
それでも入ってしまえば中は広く2、3日くらいなら普通に生活も出来そうだ。
「ねぇ、ここ…こんなに立派だったっけ」
「ちょくちょく通ってるって言っただろ?結構大変だったんだぜー」
「おかしいでしょ。あの入り口からどうやってこんな家具運ぶのよ」
昔は古いマットや小さな机くらいしかなかったこの秘密の部屋が、一通りの部屋になっている。
「はは、実は別に入り口作ったんだ。驚かそうと思ってこっから入ってもらったけど、あっちからもっと簡単に出入りできるぜ」
「あんた…ほんとなんていうか…」
懐かしい匂いの残る秘密の部屋をクロウがずっと守っていたという。
家出を繰り返した挙句サテライトを出た。
未練もないはずだったのに。
戻ってきて触れる温かい家族達に、もっと早く会いにこれば良かったかな…なんて。
「ありがと」
思わずはクロウに抱きついていた。
目頭が熱い。
「帰ってきて、良かった。本当はもっと遠くへ行こうかと思っていたの」
予感が無ければきっとそうしていただろう。
をサテライトへと向かわせたのはこのまま遊星達に会わなければ二度と会えなくなるかもしれないという予感だけ。
でも、それを信じて戻ってきて良かった。
「姉ちゃん…。でもさっき遊星に言ってたろ?もう何処にも行かないって」
「そうよ。何処にも行かない。皆の傍にいるわ」
「…なあ、姉ちゃん」
抱きついたの腕を掴んでクロウがそっと体を離した。
掴まれた腕に力が篭る。
「皆の、じゃなくてさ…その…、俺の傍にいろよ!俺、ずっと姉ちゃん…いや、が好きだった!もう何処にも行かないなら、俺の傍にずっといてくれよ!!」
「…クロウ…」
クロウの頬が赤い。
嗚呼、そんな真剣な目をして。
呼び捨てなんて、ホント背伸びした似合わないことしてさ。
でもそんなクロウが。
「嬉しい、あたしもね、子供の頃からクロウが大好きだったの」
精一杯笑って見せただったが、頬を熱い雫が伝うのを感じた。
の返答にクロウはきつく彼女を抱き締める。
温かい気持ちが止まらない。
嗚呼…帰ってきて、本当に良かった。
「ね、クロウ」
「ん?」
「キスして良い?」
溢れた気持ちが抱擁だけでは治まらなかった。
「うぇ!?ききき聞くなよそんなこと!!!」
「じゃあ勝手にするわよ?」
するりとクロウの腕から抜け出したがクロウの頬を撫でる。
そしてそうっと顔を近づけて…。
「!」
「ふふっ。クロウ可愛い」
ちゅ、と優しく唇で触れたところはクロウの頬だった。
クロウは拍子抜けである。
「姉ちゃん…あんまからかうなよ…」
「あら、からかってないわよ。それにもうクロウのお姉ちゃんじゃないわ。恋人、でしょ?って呼ばないと返事しないからね」
「…さっきは勢いで言ったけど…すぐは自信ねぇなあ…」
困った表情で頭を掻く。
それを見たは悪戯っぽく笑った。
丁度最初にクロウの頬にキスをしたときのように。
何となくその瞬間を思い出したクロウは思う。
あの時の『オマケ』…あれをはどういう気持ちでしたのだろう。
姉として?
それとも今みたいな気持ちで?
「どうしたの?じっと見て。ちょっと照れるわね」
「え、あ、いや…」
「…続きをしましょ」
「えっ!?」
の言葉に驚いている間に、ふわりと首に腕が回った。
そして今度こそ、唇が重なる。
「っ、!」
柔らかな感触がそっとクロウの唇を食む。
優しくて丁寧なキスに、クロウは思わずを後ろのベッドに押し付けていた。
「ホント、あんまからかうなって…」
苦い表情を浮かべて自分を見下ろすクロウに、はにっこりと笑顔を返す。
「あたし、いつでも本気よ。クロウが一番良く知ってるでしょ」
言いながらゆっくりとブラウスのボタンを外してみせる。
白い胸元、ふっくらと丸い乳房のラインが徐々にクロウの目の前に晒されていく。
「ずっとクロウとこうなりたいって思ってたわ。勿論、叶えてくれるわね?」
「…はぁ…敵わねぇなぁ。姉ちゃんには」
「、よ」
「…ああ、そうだった。……」
クロウが体を屈める。
ちゅ、と小さな音を立てて唇が触れた。
「ん…」
脇の下から伸ばされたの腕がクロウの背中を優しく抱く。
遠慮がちに滑り込んできた舌がの舌に触れた。
じんわりと唾液が混じり、次第に貪りあうようなキスになる。
「っ、う…ンっ、ん…」
くちゅくちゅと水音が静かな秘密の部屋に響いた。
この時を待っていたの体が次第に熱くなる。
クロウの味を堪能し、溢れる唾液を飲み込んで、きつくクロウに縋りついた。
「はぁ…っ、素敵…これを待ってたの」
離れた時にはうっとりとした熱い視線がクロウを射抜く。
頬を染め、赤くなったまなじりが欲情を湛えていた。
「初めてだから、優しくしてね?」
「え」
「…何よ。だから言ったでしょ、男作ったってのは誤解だって」
「いや、だって慣れて…」
「慣れてないわよ。素直にして欲しいこと言っただけ。もードキドキしすぎて死にそう」
ほら、とは自分の胸の上にクロウの手を乗せる。
ふにゅんとした柔らかい感覚にぎくりとクロウは体を強張らせた。
「いや、マジでからかってんだろ?こういうこと普通にやるじゃねーか!慣れてんじゃん!」
「失礼ねぇ。クロウになら何でも許しちゃうのよっていう気持ちの表れなのに」
「思い切り良いにも程があるだろ」
の胸にふにふにと指を埋めながらクロウは溜め息をつく。
「っ、ん…」
その刺激にはぴくんと体を震わせる。
「うぉ、いきなり可愛い反応するなよ」
「仕方ないでしょ、体が…んっ、勝手に…っ」
反則だろう。
拙いだけの自分の指先にそんな可愛い声を出して。
「…」
本能を揺さぶられ、無意識にごくりと喉が鳴った。
が先程何でも許すと言ったことを思い出す。
恐る恐るの下着に手をかけた。
構造が良く分からないので下からずりあげる。
「っ、あ…」
ぴくっとの体が震えた。
外気に晒された肌が僅かに上気し桜色に染まる。
「すっげぇ興奮すんな。めちゃくちゃ可愛い」
「ほんとう…?クロウにそう言って貰えるととっても嬉しい…」
はクロウににっこりと微笑んだ。
それは今まで見たこともないような女の子の微笑み。
思わずどきりとするクロウ。
震える胸を掬い上げるように掴み、ゆっくりと唇を近付けた。
柔らかな胸の丸みを唇で辿りつつ滑らかなの柔らかさを味わう。
「んっ、…あぁ…っ、クロウ…」
ぞくぞくと甘い痺れが腰をじんわりと駆けるのが感ぜられた。
何だろう足の付け根が温く震える。
「ひゃぁっ…、クロウっ、ん…っ、!」
ぷちゅりとクロウの唇が膨らんだの乳首を中に含んだ。
敏感な皮膚の薄い部分をぬるりと撫でられて直接的な快感がに沸き起こる。
「あっ、あぁっ…ん…!」
声が抑えられずに溜め息とともに喘ぎが零れた。
「はぁ…っ、…エロい声だな…堪んねぇ…」
欲情に掠れた声で囁かれると、またぞくぞくと下腹の辺りが震えてくる。
「だめ、言わないで…」
はっきりと言われるのも恥ずかしいが、その言葉や声に感じているのを知られるのはもっと恥ずかしい。
なのに体はクロウの何もかもを感じたがって。
「でもスゲェ気持ち良さそうだったぜ?もっとしてやるよ」
「はぁっ!クロウ…!!あぁ、あっ、んっ!」
にやっと笑ったクロウがまた胸に吸い付いた。
先程の優しい愛撫とは打って変わって、ざらざらと舌先が乳首をこね回す。
「はぁあっ、あ、やぁんっ…だめェ…!」
唇で食み、きつく吸い上げては、時折優しく舌先で撫でて。
何度も繰り返されるクロウの愛撫には背中をしならせて反応した。
そのうち空いている胸を優しく揉んでいた手が、するりと腰に触れる。
何度か疼く下腹を往復したかと思うとスカートの上から太股を撫でた。
「ん、くすぐったい…あ、やだ…」
びくっとの体が硬直する。
クロウの手がスカートの中に入って来たので。
内股を撫でるその手は、今から誰にも触らせたことのない場所に触れるのだ。
「恥ずかしい…」
先程のクロウの愛撫に感じていたことがバレてしまう。
つぅっと内股を伝った指先が下着の隙間から侵入してきた。
「きゃっ、んっ!」
ぬかるむ感触がクロウの指を迎える。
「はぁっ…あぁぁ、クロウ…っ」
ぐちゅりと濡れた指先がの突起を擦った。
途端に痺れるような快感がの腰に響く。
「あっ、あぁっ…ん!」
「すげぇ…溢れてくるな。気持ち良いのか…?」
「んっ、イイ…、すごく…はぁあっ、あっ!」
にゅるにゅるとクロウの指先が上下する度には背中をしならせて反応した。
自分で慰める時とは違う刺激が堪らない。
クロウに縋りつき感じる箇所を押しつけるかのように腰を揺らしてしまう。
「あぁ、凄く気持ち良い…っ、イっちゃうぅ…」
ぞくぞくと駆け上がる快感には目尻に涙を溜めて髪を乱しながら体を震わせた。
「クロウっ、クロウ…っ!!はぁっ…あぁっ、イくっ!!」
びくんとの腰が跳ねる。
どぷりと中から愛液が溢れ、クロウの指を濡らした。
「…イったのか…?ぐしょぐしょだな」
ゆっくりと指を引き、絡みついた愛液を舐めて見せるクロウ。
その手を汚した体液は正しく自分のもので、それを舐めとるクロウの姿に倒錯的な興奮を覚えた。
荒い呼吸での胸が上下する。
それは誘うかのように柔らかく揺れ、クロウはもう一度その胸を堪能しようと手を伸ばした。
「あ、ン…待って、クロウ」
「ん?」
「あたしにもさせて欲しい」
「え?」
の手がクロウの腰をさするように撫でた後、指先が探るようにクロウの股間を辿る。
「さ、させてって…!」
彼女が一体何をさせて欲しいと請うているのかを示唆されてクロウは顔を赤らめた。
初めてだと言うにそれをさせるのは酷くいけないことのような気がする。
しかしあの唇で愛されると想像するだけで、本能が思い切り奮い立った。
「だめ?」
「いや!駄目じゃねぇしすげぇ嬉しいけど!!でも、その、いいのか?」
「ええ。させて欲しいの」
は体を起こして、座り込んだクロウの足の間にうずくまった。
服の上からカタチを確かめるように指で辿る。
硬い不思議な感触がそこにはあった。
「脱がすわよ?」
「あ、ああ…」
ゆったりとした手付きでベルトを緩め、ファスナーを下ろす。
少しの躊躇いを感じたが、意を決してクロウの服の中に手を差し入れた。
既に期待に膨張したものが触れる。
服を押し下げて取り出した器官は本当に未知の物体だった。
これから行われるの口淫を期待して痛いほど勃起しているが、当然には分からない。
「男の人ってこんなふうになるのね…」
「…う、観察されっと恥ずかしいな…」
「初めてだからあんまり気持ち良くないかもしれないけど…」
先端にキスをして、の唇が優しくそれを含んだ。
ぬるりと温かい感触がクロウの先端を包み込む。
「…っ」
思わずクロウは息を飲んだ。
がソレを口に含んでいる様を見せられるだけで劣情を煽られるのに。
やわやわと蠢くの舌が直接的な刺激を生むから堪らない。
「はっ、…やべー…すっげえ興奮する…」
欲情に掠れた恍惚の声が降ってきて、も体を熱くした。
何処が気持ち良いかなんて分からないから舌先であちこちを撫でてみる。
先端をしゃぶり、横から食むようにかぶりつき、緩やかに唇で扱いて、クロウの反応を盗み見た。
「堪んね…、めちゃくちゃ気持ち良い…」
「ほんとう?」
ぼうっとしたようにの髪を撫で、熱い息を吐くクロウ。
男性が自分で慰めるようにやったらどうなるだろう。
はクロウの根元を軽く掴み、唇の上下運動に合わせて手を動かしてみた。
「っ、あっ!っ…!」
びく、とクロウが腰を震わせる。
は自身のやり方が間違ってはいなかったと気付き、更に同じ動作を繰り返した。
「うはっ、ちょ、やべぇって!、待て…!」
クロウの手がの顎を掴んで持ち上げる。
必然的に行為は中断せざるを得ない。
「ん、っ…何?どうしたの?」
顔を上げ、クロウと視線がぶつかりはどきっとした。
怖いくらい真剣な表情に欲情を潜ませた獣がそこにいる。
「きゃっ…!」
を押し倒してスカートに手を入れ、下着をひき下ろす。
急に豹変したクロウに戦いていると、体を屈めたクロウが耳元で囁いた。
「さっきはイかされるかと思ったぜ…でもどうせ出すならお前の中が良いよな」
熱い吐息が耳にかかってぞくりとした。
「入れたくて堪んねぇよ。優しく出来なかったら悪ィ」
「っ、クロ…ウっ」
足を抱えられてクロウの熱い塊が押し付けられた。
そこはクロウを愛撫している間にまたはしたなく涎を垂らしている。
「んんっ!!」
ずぶ、とクロウが埋まりこんだのが分かる。
異物感には恐怖を感じた。
続いて内壁を押し広げられるかのような感覚に痛みを覚えた。
「いたっ…、クロウ…っ」
「悪ィ、止まんね…」
「あぁっ、はぁっ、くぅ…、痛…ぅ…っ」
クロウの背中に爪を立て、は耐えた。
痛みに逃げそうになる腰を押さえつけられ、逃げることも出来ない。
やがてずくんと奥の方を突かれたような感覚がしてクロウは深く息を吐いた。
「はぁ…はぁ…、悪ィ、すげえ気持ち良い…」
「わ、分かったから…早く終わらせて…」
押し広げられたところはじんじんと熱を持っているかのような鈍い痛みがある。
浅く呼吸を繰り返しながらは目を閉じた。
クロウはの足を抱え直して腰をグラインドさせる。
「っ!!」
ずるりと引き出されて打ち込まれる瞬間に悲鳴をあげるかと思った。
痛いわけでは無いけれど内臓を突き上げるような衝撃がある。
「はぁっはぁっ…あぁ…!」
それでも体はクロウを一つになったことを喜ぶように愛液を零す。
溢れたそれがぐちゃぐちゃと掻き回される音がしては頬が赤くなった。
激しくクロウに犯されているんだと思うと痛いはずなのにそれすら気持ち良い。
「ああっ、クロウ…っ、はぁぁっ、…んっ」
注挿の度に声が漏れた。
それは求めているかのような響きでクロウに伝わる。
「はぁっ、もうすぐ…だぜ…、うっ…く…」
もうすぐ。
彼が、中で。
の背中に冷たい快感が走った。
クロウが自分を余すところ無く感じ、その結果を迎えようとしていると思うと。
震えるくらい感じる。
ぞくりと走った快感にの体がクロウをきつく締め付けた。
「!、うっ…締まる…っ、イく、ぜ…っ、…っ!!」
ぎりぎりまで腰を押し付けて深くの中でクロウは吐き出した。
じんわりと暖かい感覚がの腰に広がる。
「はぁ、はぁあ…っ、クロウ…」
胸の上に崩れるように体を伏せたクロウの背中を抱き締める。
何もかも愛しくて堪らなくて。
「ほらほら!!急いでよー!!!」
「分かってっから乗り出すなって!!」
秘密の部屋で睦み合っていたら意外に時間が経っていて。
慌ててそこを後にした。
遊星とジャックが夕飯を待っているし。
あまり遅くなると怪しいし…っていうか十分怪しすぎるくらいの時間が経ってしまったのだが。
遊星どんな顔するだろう。
最愛の姉を取ってしまったかたちになったわけだが…。
正直それがちょっとクロウの気を重くする。
まあ遊星が怒るならある程度は甘んじて受けよう。
を譲る以外のことであれば大概は応えるつもりだった。
「クロウ、遊星のこと考えてるでしょ?」
「えっ…」
「大丈夫よ。大人げ無いのは確かだけど、もう子供じゃないもの。あたしの気持ち尊重してくれるわ」
「…」
「今日だってクロウに譲ったでしょ?きっともう遊星はあたしがいなくても大丈夫よ」
「!」
遊星がクロウとの間に割り込んでくることをは知らないと思っていたクロウ。
一瞬振り返ると悪戯っぽく笑うが目に入った。
結局姉も難儀な生き物なのだ。
可愛い弟達の為に何も知らない振りをして。
影ながら支えてみたりして。
そして皆、このまっすぐな姉には一生勝てないのであろう。
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でも結局この後クロウは遊星にデュエルでぶっとばされてたら萌え。
話が違うじゃん!!とか言いながら笑ってそう。