feelin'奔走love


※時系列はクラッシュタウンが終わった後くらい





「遊星、ちょっと出掛けたいんだけど送ってくれる?」
そう言っては声を掛けてきた。
勿論遊星にとって彼女のお願いに是非などない。






「遊星、なんか変な依頼の電話があったよ?」
を送って帰って来た時のブルーノの第一声がこれである。
「変な?」
「うーん…最初は家電直して欲しいみたいだったんだけど…症状とか細かく聞いてたらとりあえず不動遊星が来たら分かるからって一方的に言って切れちゃった。住所と名前は聞いたけど…なんか変だよねぇ」
「…俺の名前を言ったのか?」
それは確かにおかしな話だ。
…とはいえ、遊星の名前を知っているということそのものがおかしいのではない。
別に隠しているわけではないし、やや前の話になるがフォーチュンカップで優勝を果たした遊星の名前を知っている人間がいても何ら不思議ではないのである。
が、普通の客であれば仮に遊星の名前を知っていたとして、遊星の腕を知っているとは思い難い。

『不動遊星が来たら分かる』

その言葉そのものに違和感があるのはそこだ。
逆から考えて、遊星が来たら分かると言うということはある程度遊星のことを知っていて依頼してきた可能性がある。
そうなると今度は自身の詳細を述べなかったことが引っかかる。
そもそも他人行儀に電話などで依頼をしてくるような人物が遊星の周りにいるだろうか。
ギリギリ孤児院を離れられないマーサのことを考えなくもないが、遊星のことをわざわざ『不動遊星』と呼ぶとは考えにくい。
「住所を見せてくれないか」
ブルーノが遊星の求めに応じてメモをぺらりと見せる。
住所にも名前にも知人の心当たりは全くと言っていいほど無い。
「全く知らない人間だな。ブルーノは…」
「記憶喪失の僕の知人がこんなに近くに住んでいるなら是非とも会いに来てほしいけどねぇ…」
「…そうだったな。だがこの住所…」
一つ引っかかることが…。
「どうしたの?」
「さっきを送って行った場所に近い。ブルーノがここに来る前に俺はライバルチームに誘拐されかけたことがある」
あの時はアキとシェリーのおかげで何事もなく(と、言って良いのかどうかは分からないが)帰ってくることが出来た。
が、もし今を狙われたらどうだろう。
誘拐直後は警戒もしていたが、あの後は特に大きなトラブルはなく過ごしていた。
しかし遊星の生命線がであると知った人間がいたらどうだろう。
そしてその人間がまたしてもライバルチームとなり得る存在だったとしたら…?
似たようなことをブルーノも考えたのだろう。
普段のお人好しな表情に薄らと翳りが指す。
「……何の用事だったの?」
「それが…待ち合わせがあるとかで…はっきりとは聞いていないんだ」
「…じゃあ…取り敢えずこの住所行ってみたらどうかな。本当にちょっと変わった依頼かもしれないし、に何かあってもすぐ対処出来るんじゃない?」
「…」
遊星はふと黙り込む。
ブルーノの申し出は願ってもない申し出である。
正直が危険と遭遇する可能性が0.1%でもあるのならそこから遠ざけたいというのは遊星の本意であることは言うまでもなく。
それに、どちらにせよ『依頼』という形で要請を受けたのであれば現場に赴くべきだ。
ブルーノの言う通り変わった依頼であるのなら果たさなければならないだろう。
信頼が必須の対人の仕事で要請を無視することなど出来るはずも無い。
経済的な死活問題にもなり兼ねないから、やはりここは取り敢えずブルーノの言うとおりにするのが一番良いように感じた。
「確かに、ブルーノの言う通りかもしれない。一度そこへ行ってくる」
「そうだね。こっちに何かあったら連絡するから」
「…頼む」
帰って来たばかりだと言うのにまた出掛けることになってしまった。
それでもブルーノが来る前は自身がガレージを離れてしまうと、開発がそこでストップしていた。
今はブルーノがいる。
託せる友人がいると言うのは本当に心強くて良いことだ。
改めてDホイールに跨ると遊星はガレージを後にした。





指定の住所はやはり先程を下ろした地点に程近かった。
偶然なのかそれともが狙われたのか、それは分からない。
指定された住所に建っていたマンションはごくごく一般的なものだった。
オートロックならインターフォンを鳴らした時に主の声が聞けるかも…と思っていたが、残念ながらオートロックではなく。
「…」
部屋はどうやら三階らしいが、エレベーターも無かった。
薄暗い階段を上がりながら何となく不安になる。
これくらいのマンションならさっと借りて直ぐに撤退出来るのではないだろうか。
前に遊星を誘拐したチームは一軒家を使っていたが、こちらの方がずっとコンパクトでスムーズなイメージだ。
疑心暗鬼を膨らませながら遊星は目的の部屋の前にいた。
少しインターフォンを押すのを躊躇う気分もあるが、のことも気掛かりである。
彼女に何かあったら平静でいられる自信がない。
それでも、出来る限り冷静でいようと決めて遊星はインターフォンを押した。
『…はい』
やや暗くて控えめな女の声で応対されて遊星は拍子抜けする。
もしかしたらいきなりドアが開いて中に引っ張り込まれるかも…くらいは思っていたので。
「お待たせしました。不動です」
『…ああ、えぇと……今、手が離せないので……入って突き当りの部屋で、お待ちください…』
不自然な途切れ途切れの小さな声。
やはり不信感は拭えないものの、何となく伝わる弱々しさが遊星の頭を冷やしていく。
ちょっと考えすぎだったのかもしれない。
常識的に考えて勝手に入れと言うのもなかなか変わっている。
今まで修理依頼に赴いた先で『手が離せない』と言われた時は玄関先で待たされたし、遊星的にもそれが普通であると思っていた。
やはりちょっと変わった人間の依頼なのかもしれないな…と思いながら遊星はドアを開ける。
マンションは窓が少ない為か玄関も薄暗かった。
陽射しの眩しい外から入って来たから尚更かもしれない。
言われた通りに廊下の突き当りのドアを開けると、ふっと涼しい風が遊星の頬を撫でる。
如何やらエアコンが点けっ放しのようだった。
「…?」
その部屋にはパソコンとテレビ…そしてエアコンがある。
エアコンは作動しているようだからテレビかパソコンか…と言うことなのだろうか。
依頼人がいないので勝手に中身を分解するわけにもいかず手持無沙汰に部屋を見渡す遊星の耳に足音が聞こえてきた。
漸く対面か。
少し緊張しながらドアが開かれるのを見つめていた遊星は、ここで思わぬ人間と対峙することになる。
「結構遅かったわね。待ちくたびれちゃったわよ」
「…、っ…何故、ここに…」
そこに立っていたのは今頃何処かの誰かと待ち合わせをしているはずの本人。
心配し続けた相手が目の前にいることにも驚いたが、やはりは誰かによってここに連れ込まれたのだろうか。
「案外気付かないものね。あの変な依頼の電話、私が掛けたのよ?」
が…?」
一緒に住んでいるがマンションの一室から修理の依頼とは…。
状況がさっぱり見えてこない遊星との距離を、はゆっくりと詰める。
「遊星、全然意味が分からないって顔してるね。ホントに分かんない?」
「…ああ、全く。説明してくれないか」
「この部屋、友達の部屋なの。月末に引き払うことが決まっててね。部屋探し兼ねて一泊出張に行くって言ったからちょっと借りたのよ」
だからここには今遊星と私しかいないの。
含み笑いでは続ける。
「最近全然二人きりになれないでしょ?ブルーノ来てからは余計に…遊星忙しいしさ。だから『依頼』させてもらっちゃった」
ごめんね、と言いながら悪びれない様子のを前に遊星は反応に困った。
確かに忙しい。
ガレージでブルーノも心配して待っていることだろう。
だけどの行動理由がちょっと可愛くて悪い気もしない。
そして彼女を構えなかったことは事実である。
「…だが、それなら壊れたものはないんだろう?」
「どうかな?…一度遊星がチェックしてみて欲しいんだ、け…ど!」
言うなりはフローリングの上に遊星を押し倒した。
突然の行動に驚いた遊星はを抱き留めるような形でひっくり返る。
「っ、い、いきなり何をするんだ…」
痛いと言うよりは圧し掛かられた衝撃に顔を顰める遊星。
その上に平然と馬乗りになったは、遊星の腰の上くらいに座りこんなことを口にした。
「…メンテナンスもお仕事のうちでしょう?…最近オモチャの調子が悪くってェ…」
わざとらしく言いながらゆっくりとスカートを捲り上げる。
一体何をするんだとどぎまぎしながら遊星が視線を滑らせると、のショーツの隙間からコードが伸びていた。
思わず遊星は目を見開く。
「何でも直してくれるんでしょ?依頼主の言うことは聞いてよね」
妖艶に見下ろすは有無を言わさない風に遊星の手首を掴むと、内股の辺りに固定してあるスイッチまで導いた。
「ね、スイッチ…入るか試してもらえないかな…?」
「…」
彼女の声にはある種の強制力が孕んでいる。
突然こんなことになって、彼女の言いなりになるのが良いことかどうかを判断出来ないままに遊星はの言葉に従った。
かち、と小さなプラスチックの擦れる音が響いた瞬間、びくりとは身を震わせて見せたのである。
「んはぁっ…、あ、あぁ…」
「動いているようだが…」
「んン…っ、そう…みたい、ね…っ」
浅く呼吸を繰り返し、遊星の服をきゅうっと握る
淡い振動に呼び起こされた性感が愛液を滲ませて彼女の下着に小さな染みを作り始めた。
自慰にも似た方法で快感を得るを見るのは初めてである。
遊星は小さく喉を鳴らした。
ブルーノが来てからの記憶を辿れば、確かに最近色々な事と遠ざかっていた。
滞っていたDホイール関係が順調すぎて。
の甘い喘ぎ声を最後に聞いたのはいつだっただろうか。
「ね……ここなら、誰にも邪魔されない、でしょ…?」
はぁっと溜め息を吐いて、遊星のタンクトップを捲り上げる
おもむろに屈み込み、その胸板に唇を押し付けた。
ちゅ…と小さなリップ音が部屋に響く。
屈んだ時にが足の間を遊星の股間に押し付けた。
意図的にしたのかどうかは遊星には分からなかったけれど、ふっくらとした柔らかさと僅かな振動に思わず体が反応してしまう。
「ん…、その気になって来た…?遊星の…当たってる、よ……」
「…それは…こんなことになれば…その、仕方がないというか」
久しぶりだし。
「んふ、遊星可愛い…」
「っ…」
ぺろりとの舌が遊星の胸の上を撫でた。
そのままぬろっと熱くてぬめった感触が這い回る。
「は…、…、っ」
彼女から与えられる愛撫に遊星は身じろぎながらの肩を掴んだ。
かといって押し返すわけでも制止するわけでもない。
それは何かに縋るような行為だったに違いない。
事実求められているような錯覚を感じたは、遊星の乳首をちゅっと軽く吸った。
「う、っ…!」
小さな喘ぎが遊星の唇から零れる。
「ん、感じる…?遊星、好きよ…」
反応に気をよくしたは更に乳首を吸い上げながら空いた方を指先でゆっくりと撫でた。
途端、密着したの体を押し返そうとするかのように遊星の勃起が膨らむ。
「あぁん、すごい遊星ってば…。とってもカタい…」
男性の部分をうっとりと褒められて、満更でもない気分である。
しかし、の手がベルトを掴んで遊星は体を強張らせた。
「はぁっ…、待っ…!」
「こんなにすごいの押し付けられて…待てるわけないでしょ…?」
器用にベルトを緩めると、ズボンのトップボタンを外し躊躇うことなくファスナーも下ろす。
、っ…」
「あはぁ…遊星の、熱い…。おっきいよォ…」
興奮したように取り出した勃起を上下に扱くの手。
自慰すら遠ざかっていた遊星のソレは軽く擦られるだけでも快感を得てじわりと粘液を滲ませた。
そんな様子にも煽られたらしいはショーツをずらすと。露出した割れ目を遊星の勃起にぴたりと押し付けて。
「コレ…っ、食べちゃうと思ったら…はぁ、イっちゃいそう…!」
にゅるにゅると愛液に濡れた花弁に擦り付ける。
「はぁあっ…、っ!あぁ…っ!」
体内のローターの振動が裏筋を伝わって遊星を苛んだ。
だけど彼女にこうやって弄ばれる形でイかされるのは男として情けないような気がする。
快感に飲まれそうな気持ちを必死で飲み込んで遊星は体を起こした。
「何処で、こんなことを覚えてきたんだ…っ」
膝の上で性器を擦り合わせながら腰を揺らすのブラウスを捲り上げる。
そして露わになった揺れる胸を、下着の上から包み込むように掴んだ。
「あん…っ、やだぁ…遊星ってば…」
「やだ?嘘はいけないな、…っ」
「ひゃぁ、っ、んぅ…っ!!」
やや強引に腰を抱き寄せて遊星はに唇を重ねる。
更に唇の隙間に割って入り、逃げようとするの舌先を器用に絡め取った。
「んっは…」
合間に下着をずりあげて、直にの乳房を揉みしだく。
きゅうううと乳首を抓みあげたら、密着した腰がびくびくと跳ねて遊星の勃起をいやらしく刺激した。
「そんなに擦り付けて…いやらしいな。おかげで俺のがぬるぬるだ…」
「んっ…だって…、こうでもしないと…遊星全然構ってくれないじゃないの…」
吐息が交じり合う距離で囁かれるのちょっと拗ねたような言い分が可愛らしい。
思わずもう一度キスをした。
今度はもっと優しく、唇を触れ合わせながら角度を変えて徐々に深めていく。
「ん、っ…ん…ふ、…」
小さくくぐもったの声が柔く耳を刺激して遊星を誘っているかのようで。
ちゅくちゅくと舌先を絡めあいながら口内に広がるの味を堪能した。
「っ、は…っ、ゆうせ、ぇ…」
うっとりと名前を呼びながら、溜め息を吐く
飲み込みきれなかったらしい唾液がの顎を伝っていたので、丁寧に舐め取ってやった。
「んっ…」
ついでに唇もぺろりと舌先でなぞったら、くすぐったかったのかちょっとだけ眉を顰めた。
「もうっ、私もする…!」
宣言したの唇がかぷっと遊星の唇にかぶりついてちゅるっと下唇を啄ばんだ。
そのまま柔く食んでは舐めるを繰り返す。
可愛らしくも悪戯っぽい行為には同等の行為で返してやろうか。
そんな気分を呼び起こされた遊星は、掬い上げたの胸の先端をきゅむっと摘み上げては離すことを繰り返してみた。
「やぁんっ!何、するの…っ」
規則的且つ断続的な刺激を与えられたはぞくぞくと背中をしならせて遊星を押し返すが、そんなことで怯む遊星ではない。
胸板を押し返しているの手首を掴むと、体を屈めて鎖骨の辺りに顔を埋めた。
そしてそのままきつく吸い上げて鮮やかな跡を残す。
「あっ…、ん…」
甘い痛みを感じる程吸われた部分を労わるように舐める遊星の舌先。
ただそれだけのことにの体は性感を感じてしまう。
体内で振動し続けているオモチャもそれを助長したかもしれない。
「はぁっ…遊星、…し、して…胸、も…」
ちゅ、ちゅ、と首筋や肩口にキスを何度も繰り返す遊星が焦れったくなって、思わず乞うた。
中途半端に構われた胸の先端はじぃんと痛いくらいに膨らんで遊星が与えてくれる刺激を待っている。
に乞われた遊星はニヤっといやらしく笑うと、の体をフローリングに押し倒した。
「あ、っ…!」
背中に走るフローリングの冷たさや硬質な感覚に戦いていると、遊星の熱い舌がねっとりと肌の上に這わされた。
「んっ…、あ…っゆう、せ…っ!」
掬い上げたの胸にかぶりつく遊星。
望んだ快感が背筋を駆け抜けていく。
「あっ…!あは、あぁぁ…っ…!」
ぷっくりと敏感に膨らんだ乳首を舌先で捏ね回し、ちゅぷちゅぷと音を立てながらに唇で食んだ。
唇の触れていない方の乳首も軽く引っ張り上げるように扱く。
「あっ…気持ちい、ィ…っ、それ好き…っ!」
素直に感じてみせるはもっともっとと強請るように背中をしならせては遊星に胸を差し出していた。
「はぁっ…、…素直ですごく可愛い…」
「んっ、だって…久しぶりなんだもん…っ、反応しちゃうの止められないの…っ!」
ちゅるっと吸い上げて更に敏感になったところを舌先で撫で回す。
ちょっと焦らすように乳首の周囲に円を描くようにしたら、もどかしそうにの膝が遊星の腰を挟み込んだ。
「コッチもお強請りか?」
ニヤニヤしながら遊星がの太股を好色に撫でる。
柔らかく滑らかな触り心地は掌に吸い付くかのようだ。
そのままゆっくりと掌を滑らせて、内股を撫でると更には膝でぎゅうぎゅうと遊星の体に圧力をかけてくる。
「ナカのオモチャはちゃんと動いているか…チェックして欲しいんだったな?」
わざとらしく問うて下着越しに指を軽く埋めてみる。
コードの繋がる入り口をぐっと押し込むとが声にならない悲鳴をあげた。
「――っ!」
同時に愛液がどぷりと溢れてショーツの染みを広げる。
「はぁっ、はぁっ…あぁぁあ…っ」
軽く絶頂したのかもしれない。
がくがくと体を震わせてはフローリングにぐったりと体を投げ出した。
そのしどけない様はいやらしくて、可愛くて。
堪らなくなり、先程がやったことをなぞるように遊星はショーツをずらして勃起した自身を押し付けてみる。
にゅるにゅると割れ目をなぞりながら、一番敏感な突起を先端でつついた。
「あぁっ、それ、っ!だめぇ…感じちゃう、…っ」
それでなくとも先程の甘い余韻が体にわだかまっているのに。
「あぁ…ぬるぬるだ…。すぐに入ってしまいそうだ…」
「このままはだめ…っ、おかしくなっちゃうよォ…っ」
オモチャを入れられたまま遊星を受け入れるなんて。
「…案外クセになるかもしれないぞ」
戦くを余所に興奮した口調で遊星は膣口に勃起の先端をほんの少しだけ潜り込ませた。
恐怖半分のの体内は緊張に強張ってきゅうっとそれを締め付けてしまう。
「はぁっ…ほら、お前もこんなに食いついてくる…っ」
「ち、違…っ、やだ…それ以上は…っ怖いってばぁ…!!」
少し押し込められただけで体内のローターが深くに当たって、より敏感な部分で振動を感じた。
それは気持ち良くもやはり怖い。
遊星の胸を押し返していやいやをすると、ようやく遊星が先端を抜いてくれた。
「あ、んっ…!」
怖かったとはいえ埋め込まれていた質量がなくなるのはもどかしい。
思わず溜め息のような声が口をついてしまった。
「ふ、…何だか残念そうに聞こえたぞ…?」
いやらしく笑いながら、くいっと遊星がローターのコードを軽く引く。
「あっ……!」
体内をにゅるんと滑るローターの感触。
ずるずると引っ張り出される異様な感覚に体が波打つ。
「んっ、やっ…あぁっ、…遊星っ…!」
「嗚呼…凄い光景だな。ほら、オモチャが出てきた…」
「んン…っ、実況しないでよおっ!」
つるんと引っ張り出されたものはの愛液でねっとりと濡れている。
きっと体内は同じようにぬめりを帯びながら刺激を欲しがって蠢いているに違いない。
スイッチを切る間も埋め込む瞬間を想像するだけで射精しそうな気分になる。
「オモチャがなくなった分の代わりが欲しいだろ?」
脱がす時間すらもどかしく、ショーツをずらしただけの割れ目の部分に遊星は自身を押し当てる。
そして舌なめずりするように自分の唇を軽く舐めた後、の返事を待たずに一気に押し入った。
「っ――!!!」
じゅぶっ!と粘膜が擦れる音が響いた瞬間に抱えていたの足が強張る。
爪先が震えながらもぴんと伸ばされて、絶頂の瞬間を髣髴とさせた。
「あぁ、っ…、っ…!」
挿入の瞬間の衝撃に体内が戦慄いてきゅうううっと遊星を締め付ける。
腰が蕩けそうに甘い瞬間である。
「はぁっ…はぁ、あ…、イイ、、すごく…っ」
「あはあぁぁ…わ、たしも…!」
を見下ろす遊星の表情は眉根を寄せて苦しげだが、浅い吐息が興奮をいやらしく物語る。
この瞬間の男性は快感と苦悶を同時に感じているのかもしれない。
だけどその表情に、女は切なくなる程欲情するものだ。
「そんなに、締めると…保たない…、っ」
「あ、あぁ…っ、だってぇ…っ」
ひっきりなしにのナカが蠢くから、ぎゅうっと彼女を抱き締めて堪らないという風に腰を遣う。
抱き合った柔らかい感触も、の仄かな肌の香りも、耳をくすぐる可愛い声すら久しぶりで遊星はそれを貪るように味わった。
「んぅ…っ、ゆうせ、激しっ…!あ、あっあっ…、っ!」
突き上げられる衝撃に声が漏れるが、規則的なそれが行為の激しさを物語るようで恥ずかしい。
遊星の息遣いもそれに重なって意識が余計過敏になる。
「あっ、は、ァっ…ゆ、うせ、え…っ…」
照れ隠しに名前を読んで背中に手を回した。
ジャケットごしに爪を立てて縋りついたら、耳元の遊星の呼吸が荒くなった気がした。
、っ…もっと…、強く…」
「んっ、こ、こう…っ?」
求められるままに遊星をぎゅうっと抱き締める。
密着している状態は暑かったけれど、それ以上にその体温が愛しくて。
きっとお互い同じ気持ちなのだろうと思った。
「遊星、ゆうせい…っ」
無理矢理遊星の方に顔を向けて頬を唇で食んだら、遊星が荒々しく唇を押し付けてきた。
かぶりつくように舌先を絡めながら遊星は更にスピードを増す。
「んっ、んっ!んふ、っ!」
ねっとり柔らかく絡み合うキスは官能的で、離れられない魔力を孕んでいる。
声も出せないままキスの合間にくぐもった喘ぎ声が零れた。
遊星も同様で、しばらく獣のように浅い吐息を混じらせて抱き合っていたが。
やがて唇を離した遊星の掠れた声が耳をくすぐった。
「っ、はぁっ…、、そろそろ、我慢出来ない…、っ」
「はぁ、あぁっ、私も、もうイきそう…!ね、一緒に…っ」
体内の収縮の感覚が短くなり、冷たい絶頂の予感が爪先にわだかまっている。
「あ、っ…、っ…出す、ぞ…く、っ、あぁっ…!」
ぶるっと体を震わせた遊星がぎゅうううとを抱く腕に思い切り力を篭めた瞬間、一際深く貫かれも背中をしならせた。
「―ーっ!」
体内を打つ脈動と、より深くで射精しようとする本能の衝撃。
遊星の腰を膝でぎゅうううっと挟み込み体をびくびう震わせながら絶頂を迎える。
「はぁっ…あ、ぁ…」
溜め息を漏らす遊星の脈動が普段よりも長くて、男性の性を感じては後ろ昏い興奮を覚えた。
体を離した遊星が出て行ったときには収まりきらずに溢れた精液が小さな液溜まりをいくつも作っていて…。
「すっごい溜めてたんじゃないの」
思わず突っ込まずにはいられなかった。
遊星はばつが悪そうに俯くだけだったけれど。








「今度似たようなことを考えた時は、実行に移す前に一度相談してくれないか」
遊星のDホイールに二人で乗って帰り道。
不意にそんな言葉を掛けられた。
「え?でもこういうのって不意打ちじゃないと成功しなくない?」
の言い分はもっともだが、遊星的には成功する前に阻止したいのが本音である。
「ブルーノも不審な電話を心配していたし、一言二人きりになりたいと言ってくれれば俺はいつだって…」
「うーん…でも遊星忙しいじゃない」
が言うならなんとしてでも時間を作る」
と、言うかがこんなことをするくらい追い詰められているとは思わなかった。
そもそも女性という生き物が欲求不満になるなんて考えたこともない。
何となく女は性というものに然程の執着はないと思っていたのである。
「まあ…考えとく」

「だってさ、やっぱ面と向かってってちょっと恥ずかしいし、さ」
はにかむような声では遊星の背中に頬を寄せた。
「でも…今日は来てくれてありがとう。そうだ、依頼のお礼…まだしてなかったね。何が良い?」
「…なら…今夜は久しぶりに一緒に寝よう。それでいい」
「そんなのでいいの?それなら毎日だって……」
小さく呟いたの返答を風が掻き消す。
聞き取れなかった遊星がもう一度答えを促した。
「いいよって言ったの。朝まで、ぎゅってして寝ようね」
明るく返ってきた返答に遊星も頷いた。










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ほしみゆーき様リクエスト分でした!
ちょっとだけ話を膨らましたらリクエストと整合性が取れなくなってしまった部分が出てしまいました。すみません…!
ご期待に添えられていなかったらやり直します…!



こちらの作品はほしみゆーき様へ捧げるリクエスト小説となります。
ご本人様以外のお持ち帰りなどは厳禁です。
閲覧のみで宜しくお願い致します。


ここまで読んでくださってありがとうございました。