お兄ちゃんはサンタクロース


復讐が過ぎ去った年の冬。
トロンが仕事先で知り合った男性の家に息子達を連れてお邪魔した。
仕事の話があると言って奥へ入ってしまったトロン。
残された兄弟がリビングへ向かえば小学生にも満たない幼い少女がテーブルで書物をしていた。

「あ!お兄ちゃん!」

兄弟に気づいた幼い少女は満面の笑みを見せて椅子から飛び降り、ぱたぱたと駆け寄ってはWへと飛びついた。

「コラ、危ねぇだろ」
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!いらっしゃい!」

少女は目を輝かせながら腰元に抱きつきWはしゃがんで頭を撫でた。

「何してたんだ?」
「サンタさんにお手紙書いてたの」
「サンタ?」

そう言えばそんな時期かと机の上の紙に目を向けながら彼女を抱き上げて連れて行く。
椅子を引いて座り、自分の膝に彼女を座らせて後ろから覗き込んだ。

「どれ…運命の人だなんてどこでそんな言葉覚えた?」

覚えた字を使ってクレヨンで一生懸命書いているその字をWは読み上げれば少女は恥ずかしそうに紙を裏返した。

「み、見ないでよぉ…」
「悪い悪い。で、玩具じゃなくていいのか?」
「んむぅ…王子様が欲しいの」

恥ずかしさにむくれた少女は机の上に乗っている絵本を引っ張りとあるページをWに見せた。
そこには王子様とお姫様が仲睦まじくダンスを踊っている。

「お姫様は王子様の運命の人なんだって!私もお兄ちゃんみたいなかっこいい王子様が欲しいなぁ…」

頬を染めながら絵本を抱き締める少女は本当に可愛らしくてWもついつい表情を緩めながら彼女の頭をくしゃりと乱した。

「俺みたいなって、俺じゃダメなのか?」
「お兄ちゃんが王子様になってくれるの?白いお馬さん乗って迎えに来てくれるの!?」

くるりと振り返った少女は期待に満ちた表情をしていてこれはまいったと苦笑する。

「そうだなぁ…お前がもっと大きくなったら迎えに行ってやるよ。だからお前は立派なお姫様にならねぇとな」
「うん!わかった!じゃあこれお兄ちゃんにあげる!」

屈託のない笑顔を見せながら少女は書いたばかりの手紙をWへと押し付けた。

「俺に?サンタにあげなくていいのか?」
「お兄ちゃんが私のお願いを叶えてくれるからお兄ちゃんにあげる!」

キラキラとした純粋な視線に本当に迎えに行かなければならなそうだとWは苦笑しながら、幼い彼女からの手紙をそっと内ポケットにしまった。





あれから十数年経ち、本日はクリスマス。
幼かった少女は高校生にまで成長した。
大人のWに憧れ続け彼と付き合いたいと夢を見続けた彼女は、高校最後のクリスマスも一人寂しく過ごすことになった。
今日は幸せなカップルや家族に隠れるように一日家に引き篭る、そんな予定のはずだった。

「おはよう、

早朝、前も後ろも壁に挟まれておかしいと目を覚ませば憧れ続けたWが目の前にいる。
寂しすぎて遂に夢にも見たかと呆れたが目の前にいるのは間違いなく彼本人で。
狭いシングルベッドに入り込んでいる彼は紳士には程遠くて言葉を失えば、直ぐに端末に手を伸ばした。

「待て、どこに連絡する気だ」
「ト、トロンさんに」
「止めろ、殺される。今日だって人目を盗んで出てきたんだ」

端末を取り上げれば彼女の手の届かない場所に置いて抱き締める。
優しく抱きしめれば突然のことに彼女は顔を真っ赤にしてジタバタと暴れた。

「ちょっ!?何するんですか!?」
「おはようの返事は」
「お、おはようございます…!だから離してください!」
「クリスマスに独り身で寂しいお前を心配して会いに来てやったんだぜ?俺に言うことは?」
「頼んでませんよ!!」

Wの胸に手を当てて引き剥がそうとするも一向に離れる気配がない。
ドキドキして死んでしまうのではと思うくらい緊張して真っ赤な顔を見られたくなければ彼の胸に顔を隠した。

「そんなお前にクリスマスプレゼントだ」
「え?」

ドキリと胸が高鳴る。
クリスマスプレゼントと言われれば思い出すのは幼き日の思い出で。
今日こそ叶えてくれるのかと、頭の中ではメルヘンいっぱいに夢を描きながら顔を上げれば彼は楽しそうに笑っていた。

「寂しいお前のために一日だけ彼氏になってやる」

言われた言葉に嬉しさと、悲しさと。
それでも目の前の彼が楽しそうに笑っているものだからつい頷いてしまった。
すると嬉しそうに微笑みくしゃりと頭を一撫でしてくる。

「じゃあ早く準備しろ。俺はリビングで待ってる」
「…はい」
「今以上に綺麗になって来い」

彼女の前髪を指で掬ったWは額に一つ口付けを落とす。
慣れたその動作には顔を真っ赤にしてWを突き飛ばした。

「なっ、ななななにするんですか!!Wさんのバカ!!」
「いいじゃねぇか。恋人同士なんだろ?」

余裕いっぱいににやけた笑いを見せれば彼女は悔しそうに目に涙を溜めていて。
直ぐに逃げていった彼女にまだまだ子供だなんて思いながらリビングに移動して支度が出来るまで時間を潰した。





憧れの彼とデートは本当に楽しくて。
朝方家を出たというのに気づく頃には空は黄昏色に変わっていた。
それからは早くてあっという間に夜になれば家の前まで送ってもらった。

「今日は一日ありがとうございました」
「おう。楽しかったか?」
「はいもちろん!」

頭を下げてお礼を言えば気にするなと頭を撫でてくる。
恋人という関係もここで終わりなのかと寂しくなるが表情に出さず彼に見守られながら自宅へと入った。

「…はぁ…」

今まで通りに戻っただけなのに一人になった途端襲う虚しさに涙を滲ませた。
一日だけというのは結果的に振られたのと変わらず涙を溢れさせながら寝室へと駆け込んだ。
彼の温もりを求めて今朝彼が寝ていた場所へと伏せようと手を突いた瞬間、ガリッと固い何かに手を突いて思わず手を引っ込めた。

「え?何…?」

暗がりで何も見えなければ部屋の電気を点けてそれを確認する。

「プレゼントだ…これ…」

クリスマスの包装紙と添えられたクリスマスカード。
こんなサプライズをするのは一人しか思いつかなくて顔を綻ばせた。

「……こんなことされちゃうと余計に好きになっちゃうよ…」

英書体で書かれた、綺麗と言うより彼らしく少し殴り書きされたような字に小さく笑った。

― May your Christmas wishes come true! ―
― あなたのクリスマスの願い事がかないますように。 ―

彼と付き合えたらどんなに幸せだろうとは思うが意中の彼は自分よりも一回りも年上で。
年下の自分なんかじゃ相手にもしていないのだろうと寂しくなりながら包装紙を解いていけば現れた小さな箱から出てきた、キラキラと輝くそれに目を丸くした。

「何、これ…」

小さなそれに固まってしまうが今直ぐ彼を追い掛けなければとコートも着ずに家を飛び出した。
Wの自宅の方へと足を向けて走れば彼の背中が見えて声を張り上げた。

「Wさん!!」
「…ん?!?コートも着ねぇで馬鹿か」

振り返ったWは彼女の身なりに一瞬目を開けば呆れたよう呟き自分のコートを脱いで彼女に着せた。

「これっ…!」
「あー、それか。気に入っただろ?」

彼女が手に持っている箱をそっと取り上げれば中にある指輪を手に取り、慣れた手付きで彼女の左手の薬指に嵌めた。

「…っ!あ…」
「さ、こんな場所で立ち話してちゃお前が風邪引く。さっさと家に帰るぞ」
「Wさん…っ」

指輪を嵌めたばかりの手を取ったWは手を絡ませて歩いて行く。
彼に引っ張られるようにはついて行った。

「Wさん…!待ってください!話が」
「話ならお前の家で聞く。寒ぃんだよ」
「す、すみません…」

彼が身を震わせるのは間違いなく自分が着の身着のまま家を出て来てしまったせいで少し申し訳なくなればそれ以上何も言えずに家の中へと案内する。
コートを返せば直ぐにキッチンへと入り何か体を温める物を急いで準備した。
すると背中にとんっと軽く衝撃が走り、冷たい体で抱き締められる。

「んなもんいらねぇよ。お前が温めてくれよ、なぁ?」
「ひっ」
「色気ねぇ声だな」

耳元で囁いた彼の声に反射的に出てきた自分の声は可愛いものとは程遠くて恥ずかしくなって俯く。
小さくなっていく彼女にくすりと笑ったWは頭に顎を乗せて更に密着した。

「ち、近いです…!それに指輪…!あんなの…っ」
「お前な…薬指に嵌めた意味が分からねぇほどガキじゃねぇだろ。俺がどれだけ待ったと思ってるんだ」

少し呆れながら信じられないところもあるのだろうと察しながら彼女から離れて頭を撫でる。
振り返った彼女は本当に信じられないようで自分の指に嵌っている指に視線を落とした。

「俺だって人前に出てる以上、建前があるからな。未成年のガキに手ぇ出したってなりゃ格好がつかねぇんだよ」
「Wさん…」
「お前が物欲しそうな顔をしてるってのに手が出せねぇときた。朝だって抱きついてきたお前をあのまま食ってやりたかった」
「ご、ごめんなさい…?」

責められるような口調で言われれば謝るしかなく首を傾げて言えば彼が顎を掬うように持ち上げた。

「えっ…、Wさん…?」
「つーことだ。今食わせろ」
「はい?」
「お前からのクリスマスプレゼントもらってねぇからな。お前くれよ」

じりっとにじり寄ってくるWに後退るがシンクと彼に挟まれて身動きが取れず簡単に追い詰められる。

「ま、待ってください…!まだ好きだって言ってないし、Wさんだって…!」
「御託ならベッドで聞いてやる。行くぞ」
「きゃあっ!?」

お姫様抱っこをして寝室に向かいながら頬にキスを落としていく。
一度キスをすると彼女は硬直しぴくんを反応するだけで可愛い奴だと目尻に一つキスをした。

「可愛い反応じゃねぇか」
「っ…最低です…下品だなんて知りませんでした」
「そこも好きなんだろ?」
「…、知りません」

ニヤニヤと笑う彼ですらかっこよく見えて、自分ばかり緊張して恥ずかしいとそっぽを向く。

「フッ…ホントにな、何でこんなガキがいいんだか」

ベッドへ優しく下ろせば自身もスプリングを鳴らしてベッドへと乗り、首元を緩めながら彼女に跨る。
見下ろせば少し緊張しているのか瞳が揺らいでいてそれにすら欲情すればゆっくりと顔を近づけた。

…愛してるぜ…」
「っ…Wさん…」

真っ直ぐと自分を見つめてくる彼の瞳にドキドキし、近づく唇にどうしたらいいか分からず慌てて顔を背けた。

「オイ」
「…っ、と…お、ふろ…入りたいです…」

不服そうな声と共に大きな溜め息が聞こえてくれば慌てて言い訳を吐く。

「何だ、一緒にか」
「ちっ、違います!」

何でそういうことしか言えないのだと顔を向ければしてやったりと言いたげな表情の彼がいてそのまま唇を奪われた。

「っ…ん、っ、ふぉ…さ…っ」
「は…、ん…」

角度を変えて何度も重ねながら彼女の頭を優しく撫でる。
初めてな彼女の緊張を解いてあげながら唇を啄んだ。

「ン…は…、んん、ひぅ…」
「ん…、」

必死に応えようとしてくれる彼女が愛しくて唇を舌で舐めてなぞっていく。
真一文字に口を結ぶ彼女の唇を何とかしてこじ開けようと割れ目に舌を差し込んだ。

「ひっ…ん…ぁ…まっ…」
「んっ…逃げんなよ…?」

舌を押し込めば舌を掬い取り逃げる舌を器用に絡ませる。
彼女の頬に触れて唇を密着させながら彼女の咥内を舌で丹念に舐め取った。

「っふ…!ふ…ん…!」

初めてのキスが脳内が蕩けるほど濃厚なキスで吐息を漏らす。
唇が密着して苦しくなれば彼の肩を押して顔を背けた。

「はぁ…Wさぁ…、」
「ん?苦しかったか?」

顔を上げればすっかり蕩けた彼女の横顔についムラっとすれば首元に顔を埋めた。

「んぅ、擽った…」
「ホント…堪んねぇな…」

首筋を舐めれば舌先が痺れるような快感に体を震わせながら彼女の服を手繰り上げる。
肌に触れるだけで思春期の子供と変わらないくらいに興奮しながら首に吸い付いた。

「んっ、痛っ…」
「ちょっとチクッとするだけだろ。ほら万歳」
「わっ」

乱暴に服を脱がし自分も脱いで上半身裸になれば下着姿になった彼女の胸を鷲掴んでやんわりと揉んでいく。
腕で顔を隠す彼女のその腕に舌を這わせた。

「隠すなよ」
「っん、ゃ…です…っ、」
「ふーん?じゃあ何されても知らねぇからな」

顔を見れないのは残念だが好き勝手させてもらおうと下着を押し上げて乳房を口に含んだ。

「ひっ!?やっ、あ…!そんなっ、舐めちゃ…っ」
「あぁ?気持ち良さそうに尖らせて今更何を」

舌先で押し潰してもぷっくりと腫れ上がった突起に軽く歯を立てて刺激する。
甘噛みすれば聞こえる喘ぎ声に満足しながら突起を下で転がし続けた。

「そんなにイイか?」
「んっ、や…、やだぁ…っ」
「意地っ張りな奴だな」

刺激しながら下を脱がせれば彼女の大事な場所は既に糸を引いていて、ごくりの生唾を飲み込んで顔を上げた。
指をそっと触れさせれば今すぐにでも飲み込んでしまいそうな収縮に口角を上げて彼女を見下ろした。

「すげぇ濡れてるな」
「っ、言わないでください…っ」
「フッ…これじゃ一本は余裕なんじゃねぇか?」

指を一本入り口を割って挿れれば彼女はびくりと体を痙攣させる。
痛そうでなければそのまま指を差し込み、根元まで埋め込めばゆっくりと指先を動かした。

「んぁ!ぁ、ん…んんっ」
「そんなにいいか?」
「やっ、Wさ…っ、あっ、っんあ!」

ぐりっと中を抉れば愛液が隙間から溢れてくる。
それに口をつけて舐め取りながらゆっくりと二本目の指を差し込んだ。

「ぅ!…いっ…た…っ!」
「流石にキツいか…」

狭い入口では指が二本入るのが精一杯で丁寧に舌で解していく。

「やっ…あっ、舐めちゃ…汚…い…っ」
「汚くねぇよ」

愛液を啜りながらぷっくりと腫れ上がった突起を舌で転がす。
大きく体を痙攣させる彼女を見て楽しみながら唇を押し付け音を立てて吸い付いた。

「ひああっ!?やっ、ああっ!やら!やらぁ…!」
「んっ、んん…はっ…んっ」
「Wさっ、やらぁ!もうヤダぁ!あ!壊れちゃう!壊れちゃうからぁ…!」
「壊れちまえよ。壊れても俺が一生愛してやる」

強い刺激には涙をボロボロと流しながら肩を押し退けようとするがWは腰をしっかりと抱え込んで離れず。
壊れるとじたばた暴れるが高まる快楽に体をしならせた。

「あっ、ふっ…!イッ…!イクっ…イっちゃ…!」
「ほら、イけよ」

中に埋めたままの指を折り曲げて強く中を抉ればはガクガクと震えてベッドへ沈んだ。

「ひっ…は…ぁ…はぁ…ぁ…」
「気持ち良かったか?」
「はぁっ、わか…んな…っ」

生理的な涙を流す彼女の目尻にキスをして涙を掬う。
そろそろ自分も限界だとゴムを取り出せば自身に被せて彼女の足を抱き抱えた。

「悪ぃ、お前が落ち着くのを待ってるほど余裕がねぇ」
「W…さ…っ、まっ…て…くださ…っ」
「…挿れるぞ」

彼女の言葉に耳を貸さず先端を差し込む。
ぬかるんだ膣内が自身に絡み付き全身を震わせながらゆっくりと奥へ押し込んでいった。

「Wさぁっ、あっ…やっ、あ…おっき…っ!」
「あー…、はぁ……、」
「ひっ、あ…!動かな…っ、ぁ…!」

押し込まれる異物感に苦しくなり、引き抜かれると中が疼く。
この感覚にどうしたらいいのか分からずにボロボロと涙を流せば彼は乱暴に腰を振りながらも抱き締めてくれた。

…!…っん!ハッ!」
「Wっ、ぁ…W…さっ…!」

卑猥な水音とベッドのスプリングが規則正しく響いて、それが激しくなればなるほど気持ちよくて彼にしがみついた。
耳元で聞こえる彼の余裕のない吐息に感じてくれているのが嬉しくて中を締め付ければ小さく呻く声が聞こえてくる。

「っ、と…急に締めやがって」
「はぁっ、あ…だって、Wさんが…」
「あぁ?まだ余裕があるみてぇだな」
「っひ!?やぁ、あっ!」

ギシギシと更に激しくベッドが軋み、奥を乱暴に突き上げられる。
目の前がチカチカするほど強い刺激に思わず彼の背中に爪を立ててしがみついた。

「や!あっ、ハッ…!ぁんっ!んっ、やらぁっ!」
「っ…ヤじゃねぇだろ?…お前のここ…俺のを飲み込むじゃねぇか …、んっ!」

奥へ突き上げれば中はキツく締まり気を抜けば持っていかれそうな程に気持ちが良くて夢中になって腰を振る。

「はっ、堪んねぇな…っ、そろそろ出す…っ」
「Wさ、ん…!Wさぁっん!」
…っ」

切なげに名前を呼ばれれば胸が締め付けられて、彼女をキツく抱き締めながら絶頂に向けて腰を激しく打ち付けた。
快楽の波が押し寄せてきて中を抉ってくる彼自身を思い切り締め上げた。

「イクッ、イッちゃぁっ、ゃあ!」
「クッ…!キツ…っ…んっ、はぁ!」

収縮する中に自身が搾り取られれば我慢することなくゴムの中へ欲を迸らせる。
脈動する自身から白濁を中に何度か注ぎ込んだ。

「ふぁ…ぁ…熱いよぉ…」
「馬鹿…、煽るんじゃねぇよ」

達してぐったりとする彼女が無意識に興奮することを言うとWは困りながら自身を引き抜く。
ゴムを取り外してゴミ箱へと捨てれば彼女の隣に横になって抱き寄せ、しばしの間体を寄せ合って休息を取った。





休息後、Wが先にシャワーを浴びもシャワーを浴びてリビングに向かえば彼はソファーで手紙を読んでいた。

「ファンレターですか?」
「ん?ファンレター…とは違うな。とあるお姫様が俺に宛てた手紙だ」

Wの隣に座って彼の横顔を眺めればとても穏やかに微笑んでいて。
少し胸がちくりと痛んで目を伏せればWに手紙で頭を叩かれる。
顔を上げれば彼が手紙から手を離すものだから慌てて手紙を受け取った。

「大事な手紙じゃないんですか?」
「まあ大事だがな」

特に手紙を取り上げることもしないWに見てもいいものだろうかと手紙に視線を向ければどこか懐かしくなる、たった一文が書かれた手紙だった。

「ったく…俺はサンタじゃねぇっての」

とても優しくて、幸せそうな彼の声にもつられて表情を綻ばせた。


『サンタさんへ うんめいのひとを ください』


Fin.




〜後記〜

sector:BLAINのマリアマリー様とのコラボ企画となりました。
マリアマリー様がクリスマスどうしようかとブログに呟かれておりましたので僭越ながらお声掛けした次第です。
快諾してもらい楽しいクリスマスになりました!ありがとうございました!

5D'sメインのサイト様にお相手にWという何とも不躾なことをしてしまったと何度も後悔しながら、頂いた作品はとても素晴らしい理想のWさんです。本当にありがとうございます!
今度また一緒に企画をやることがあれば5D'sのキャラクターでできればなと思っております!

マリアマリーさん、今回は本当にありがとうございました!

この作品はマリアマリー様のみお持ち帰り可能です。
ご本人様以外の方は閲覧のみでよろしくお願いいたします。