インセスト・タブー


鳥の鳴き声が囀ずる、静かな早朝。
リビングではジャックがコーヒーを飲んで優雅な一時を過ごしていた。
インスタントコーヒーではブルーアイズマウンテンには劣るが静かな朝にゆっくりと飲むコーヒーは格別だった。
そんな中、いきなり自室がある上の方から怒号が響き渡ってきた。

「何してんだよお前ら!?」

上から聞こえてくる声にジャックはあぁ…と溜め息を吐いた。
クロウが叫んだと言うのも幼馴染みを起こしに行ったら裸で寝ていた。
それも女性と二人で同じ布団に包まっていて彼女もまた裸だった。
普通なら慌てて出て行くところが隣に寝ている女性をクロウは知っている。
何でこんなことにと目を泳がしていれば布団の中の彼女がもぞっと動き出して遊星の方へ身を寄せた。

「んぅ…ゆーせぇ…寒い…」
「姉さん起きたのか…風邪を引くからもっとこっちに…、すまないクロウ。悪いが閉めてくれないか?」
「おおおお前ら姉弟だろーが!!姉ちゃんも何一緒になって寝てんだよ!!」

同じマーサハウスで育った幼馴染みとその実姉のがまるで恋人のように身を寄せ合っている。
彼女は自分とジャックを遊星と同じように本当の弟として接してくれて自分も本当の姉ができたみたいで慕っていたのにあられもない姿に動揺を隠しきれない。
下は見えないがベッドの下の衣服の散乱していることから恐らく下も裸だろう。

「何か問題でもあるのか?」
「問題ありまくりだろ!?何やってんだよ!?」
「…言わせたいのか」
「だあああ!違ぇよ!!」

何てものを見たんだとクロウは頭を掻き毟れば、取りあえず着替えて降りてこいと伝えて部屋を出ていった。
クロウが下に降りていくと静かだったが困ったように笑った。

「見つかっちゃったね。ごめんね、起きれなくて」
「いや、姉さんのせいじゃない。夜は無理をさせたからな…体は痛くないか?」
「大丈夫よ。平気」

頬にキスをして労ってくる遊星に微笑みながら答える。
この温もりが恋しくてクロウには悪いがまだ起きられないなと身を寄せ合った。
姉弟がベタベタしているその頃、クロウは先程の光景をジャックに見たままを説明していた。
するとジャックはそうかの一言で済ました。

「……お前…まさか知ってたのか?」
「あぁ」
「いつから」
「マーサのところにいた頃からだ」
「はぁ!?」

バンッ!と机から大きな音が上がる。
随分と昔からじゃないかとクロウは再び声を荒げればジャックは大きく溜め息を吐いた。

「俺はお前のようにを姉と呼ぶ気はさらさらない。昔から名前で呼んでるのはお前も知ってるはずだ」
「おぅ…それが何だよ」
「遊星はそれが不服のようでな。俺より先に名前を呼ぶのは許せないとデュエルを挑んできたことがあった」

コーヒーを飲みながら説明された言葉にクロウは顔を顰めた。

「うわぁ…マジじゃねぇかよ…」
「今まで気づかない方がどうかしている」

クロウの目から見れば世話焼きのが遊星の周りをウロウロしていて構っているように見えた。
同時にたった一人の本当の家族が愛しいのだと思っていた。
いくら自分が彼女を姉ちゃんと親しみを込めて呼んで慕っても血の繋がっている二人の間に入ることができなくて寂しい思いをしたことがあった。
もちろんマーサハウスで一緒に住んできた仲間達は家族だが本当の家族は二人のようなものなんだと思っていた。

「嘘だろ…俺ずっと姉ちゃんが遊星を構ってるもんだと…」
「逆だ。構わないと遊星の機嫌が悪くなる」
「えぇ?遊星が?冗談止めろよ」
「だったら何かとつけてを引き離したらどうだ。きっと面白いものが見れるぞ」

そうジャックに言われ半信半疑で言われた通りにした。
二人には悪いとは思いながらを配達に付き合わせたり、朝昼晩と彼女の側であれこれしたりすることを繰り返して早一週間。
遂に遊星が暴走した。

「姉さん…!」
「遊星?どうしたの?」

切羽詰まったような声で遊星が彼女を呼んだ。
クロウはおっと思いながら遊星の方を見ると自分には目もくれず真っ直ぐとを見つめていた。

「ちょっとこっちに来てくれないか?」

ホントにかよと思いながらクロウは追い討ちを掛けるように言葉を付け足した。

「悪ぃな遊星、姉ちゃん今…」
「心配しなくても直ぐに済ませる」

クロウが言葉を言うより先に遊星はの腕を掴んで物陰に隠れた。
あんな遊星を今まで見たことはない。
ビックリして物陰を見つめたまましばらく固まった後、ハッとする。
見たいような、見たらいけないような。

「…、」

この前はたまたま裸で寝ていたんだよなと、恋人のような関係はきっとないよなと、それの確認のためとに覗くだけだと言い訳して物陰を覗き込んだ。
すると遊星がを壁に追いやって壁に手を突いていた。

「遊星…っ、ダメ…クロウがそこに…、この前だって見られたばかりなのに…っ」

困ったように顔を逸らしながら小声で遊星に話し掛けて胸を押していた。

「キスだけだ。それにバレてるならもういいだろう…?」
「だ、ダメよ…っ、クロウも大事な弟で…っ、関係を壊したくな…」
「もういいから黙ってくれ」

女の気が一切なかった友人が手慣れた手つきで彼女の顎を持ち上げてキスをしている。
それも噛みつくような濃厚なキスで。

「っふ…ん…っ」

彼女からは聞いたことのない吐息が聞こえてきて幻滅よりも先にドキドキする。
心なしか興奮してしまえばつい眺めてしまった。

「んっ、ふ…、はぁ…ぁ…」
「姉さん…駄目だ…足りない…もっと…」

蕩けた顔でキスを受けるをいつの間にか食い入るように見つめる。
欲情しきった遊星が更に深く口付ければは遊星の服を握り締めてしがみついた。
のキツく閉じられた唇を遊星の舌がねっとりとなぞっている。
遊星は彼女の震える唇の隙間に舌を捩じ込んだ。

「ゆ…せ…っ、ん…っふ…」
「姉さん…」
「んっ…、っ…ふ…」

観念したのかは遊星の首に腕を回して抱きつき彼女からも舌が絡ませている。
それを嬉しそうに微笑んだ遊星が更に深く口を付けた。
見えなくなった舌が絡まっているのを想像するだけで興奮してきて、同時に姉と慕っていた彼女が女の顔をしているのはこの上ないくらい刺激的だった。

「んっ、ゆ…せぇ…っ、だめ…っ、も…」

キスの合間に囁かれた言葉に視線を下に向ければの足が震えていた。
AVで腰を抜かしている女優がいたがまさか本当に腰を抜かすなんてと驚いていれば遊星が彼女の腰を支えた。
自分と同じ童貞だと思っていた遊星が彼女を骨抜きにしているのを見ていると何だか差を見せつけられた気がして悔しくなる。

「…姉さん…」
「も、もうだめ…っ、離して…」

我に返ったのかは顔を背けて遊星の胸を押す。
それを拒むように遊星は彼女を抱き締めた。

「嫌だと言ったら…?」
「遊星…お願いだから言うことを…」
「行かないでくれ…」

縋るように遊星はを抱き締めた。
何だか二人の恋路を邪魔しているような気分になればこれ以上は邪魔しても仕方ないとリビングへ戻った。
そして二人に声を掛ける。

「おーい、姉ちゃん。遅くなるなら俺一人で行ってくっけど」

白々しいなんて思うが仕方ない。
あんなのを見せられて二人を引き剥がすなんて無理だ。
いろいろ間違っている気はするけれど。

「遊星?姉ちゃん?聞いてんのか?」
「クロ…っん!」

が返事をしようとした瞬間、遊星に口を塞がれる。

「すまないクロウ。一人で行ってきてくれないか?」
「わーったよ。それと遊星、いろいろ悪かったな」
「クロウ?」
「まぁそういうことだから行ってくるわ。帰り遅くなるからよろしくな」

声と共に足音が遠くなっていく。
やがて静寂が訪れれば遊星はの首に顔を埋めた。

「ちょっ、遊星…!」
「我慢できない」
「まっ、待って…!」
「待てない。一週間…まともに姉さんに触れていないんだ」

一週間まともに一緒にいれなかった。
Dホイールの開発があるし、修理の依頼だってもちろんある。
それでも24時間拘束されることはないし、自分がガレージにいれば彼女がやって来てたわいもない話をしながら開発を進める。
それだけでもいろいろ仕事が捗るのにここ一週間彼女はクロウの周りをウロウロしていた。
聞こえ良く言えば寂しかった。悪く言えば嫉妬したのだ。

「…姉さんからキスをしてくれたら考えてもいい」
「わ、わかった…」

慌てて彼女が遊星の唇にちゅっと軽めのキスを一つ。
すると遊星は困ったように溜め息を吐いた。

「足りないな」
「え?きゃっ…!遊星…まっ…て…!」
「んっ…、姉さん…」

彼女を壁に押し付けて首筋に唇を寄せる。
首筋をゆっくりと舐めてから人の目に留まるところにマーキングをした。
チクリ、チクリ、と増えていく痕には声を押し殺しながら、遊星の頭を優しく撫でた。

「んっ…いつもならこんなことしないのに…クロウに嫉妬しちゃった?」
「…別にそういうわけじゃ…」
「ふふっ…」

小さく笑えば遊星は行為を止めてふいっと視線を逸らす。
図星なのかと小さく笑えば自分の手よりも大きい彼の手にそっと触れた。

「…私は…ちょっと寂しかったかな?」
「え…?」
「…こんなことしてたらまたジャックに怒られちゃうね…弟離れしろって…」
「っそんなことしなくていい…!俺だって…!俺だって姉さんがいないと…」

彼女に素直に言われれば素直になって抱き締める。
力強く抱き締めれば苦しいのかもぞもぞと動き、落ち着く位置を見つければ遊星の背に腕を回した。
すっぽりと遊星の腕の中に収まったは彼の胸に顔を埋めて微笑んだ。

「好きよ…遊星」
「あぁ、俺もだ…姉さん」

抱き締めたまま彼女に頬にキスをすれば恥ずかしそうに微笑んでキスを返してくれる。
しばらくの間そうやって触れ合っていたが遊星が名残惜しそうに身を引いた。

「名残惜しいがいつまでもこうしてられないな。Dホイールの調整を滞らせるわけにはいかない」

彼女の頭をくしゃりと撫でて微笑む。
さっさといいところまで進めて夜はゆっくりとしよう。
一週間何も出来なかった分を今夜補充して明日の活力に繋げる。
そう思っていたがが何だか少し物寂しげだった。

「姉さん…?」
「……もうちょっとだけ…なんてダメよね…?」
「え…?」

遠慮がちに彼女に服を掴まれる。
苦笑した彼女は一度目を伏せて首を左右に振れば次の瞬間には笑顔を見せていた。

「ごめんね、何でもないよ」

遊星から離れてリビングへと戻る彼女の背はいつもと変わらないのに少しだけ小さく見えた。

「今日はスーパーの安売りだから買い物に行って…天気もいいから洗濯物と…」

いつも通りに振舞う彼女の背中を遊星は見つめた。
気づいたら彼女に手を伸ばしていて部屋へ連れていく。

「え?ゆ、遊星…!?ちょっと…!」

部屋に入るなり鍵を締めればベッドへと押し倒した。
首筋に顔を埋めてキスをしながら性急に上着を脱いでいく。

「ゆ…っん…!ぁ…ッ!」
「姉さん…」

首筋をねろっと舐め上げれば反応したが無意識に遊星の胸を押す。
拒絶されるような強さでもなければそのまま続け、先程つけたキスマークの側にまた一つキスマークを残した。

「っん!遊星…ッ、…時間が…もったいな…っ」
「そんな顔をして言っても説得力がないな」

物欲しそうな顔で拒絶されても興奮するだけで彼女の服を掴んでは一気に捲り上げた。
背中に手を差し込んで器用にブラジャーのホックを外して脱がせる。
一瞬にして上半身を裸にされればは布団を手繰り寄せて身を隠した。

「そうしていたければそうしていればいい」
「ぅえ?…あっ…!何して…!」

上を隠している間に下を脱がせに掛かる。
ジタバタと暴れる彼女に気にせず脱がせようとすればがいきなり起き上がった。

「遊星…っ!」
「嫌か?」
「っ…!もう…!」

顔を真っ赤にしたは遊星の胸を押して押し倒す。
同時に布団もはらりと落ちて遊星の視界に露わになった乳房が映った。

「…いい眺めだな」

重力で胸が垂れ下がって彼女が体を揺らすと乳房も揺れて実に官能的だ。
胸に気を取られていると自身に強い刺激を感じて視線を移すと火が付いた彼女の笑顔が見えた。

「こんなに反応して一週間もシなくてもうこんなにしちゃったの?」
「っ…姉さん…」

ズボンの上から反応している自身を撫でられる。
弱い快楽なのに吐息が漏れれば満足そうな彼女が口でズボンを寛げていった。
下着も口で脱がせようとするが既に自身が反応しているせいで脱がしにくそうだ。

「んっ、んー…、」

必死になって脱がせようとする彼女が健気で可愛ければ小さく笑って頭を撫でる。
我慢できずに自分で下着を下にずらせば自身を彼女の唇に当てた。

「ん…遊星…」

先端に軽くキスをされてそのまま咥えられる。
一気に咥内に包み込まれればぞくりと体が震えた。

「姉さん…」
「おっきい…んっ、ふ…」

口に目一杯咥え込んでは口をすぼめてゆっくりと引き抜く。
先端の口を舌先で擽りながら手でも擦り上げて刺激を与え続けた。

「んっ、んんっ…んむぅ…」
「っは…っ…ふぅ…姉さん…」
「んぅ…んぁ…ふっ…」
「……姉さん…」

夢中になってしゃぶる彼女が愛おしくて優しく頬を撫でる。
撫でられると嬉しいのか喉奥まで咥えられ気持ちよさに声が漏れる。

「っん!…姉さん…ッ、待ってくれ…っ」
「んっ…好きよね…これ…あ…むっ」
「っ…あ、あぁ…」
「んっ…んむぅ…っんくっ…」

喉奥まで咥え込んで先端まで引き抜くのを繰り返す。
時折甘噛みして刺激すれば次第に硬くなっていき、もっと気持ち良くなって欲しいと夢中になって顔を前後に動かした。

「姉さん…っ、あまり、速くされると…っ」
「イッて…いいよ…んっ」
「っ…ん…ッ、くっ…!」

イかせようとして動きを速めればそれだけ乳房も上下に揺れる。

「はっ…ハァ、ハァ…姉さん…っ、」
「ゆ…せぇ…んっ…」

ぐぽぐぽっと音を立てて刺激を続ければ次第に遊星から大きく吐息が漏れ始める。
気持ち良くなってくれてるのだと思うと嬉しくて顔を上げれば自身を扱き続けたまま遊星の首筋にキスをした。

「んっ…私もつけていい…?」
「…あぁ。好きなだけ付けるといい」

了承すると同時に首筋に鋭利な刺激が走る。
顔を上げた彼女は少し嬉しそうに微笑んでいた。

「満足したか?」
「うん、ありがとう」

また下に行こうとしている彼女の肩を掴んで引き止める。
きょとんとしている彼女を反転させて自分の下に組み敷いた。

「遊星…っ」
「次は俺のターンだ。姉さん」

組み敷くなり唇に噛み付いて舌でなぞる。
興奮してるのか直ぐに口を開かれればすかさず舌を差し込んで口の中を掻き回した。

「んふっ…ふっ…んっ…あふっ…」

舌を掬って絡ませながらグローブを外して下の方に手を忍ばせる。
彼女の下着の中に手を突っ込んで秘所に指を這わせればねっとりとした液体が絡みついた。

「んふっ…?!ふっ、んっ…!んんっ…!」

擦るだけでぐちゅっと溢れる音が聞こえてくればこれでは下着がダメになると舌を引き抜いた。
恥ずかしさで震えている彼女を見ながら下を脱がせると下着には既に糸が引いていた。

「ははっ、凄いな」
「言わな…っ」
「俺のを舐めてこんなにしたのか…」
「っ…!」
「いやらしいな…早く姉さんの中に埋まりたい…」

遊星の言葉に顔を真っ赤にして枕で顔を隠す。
次の瞬間秘所がねっとりと舐め上げられて体が大きく跳ね上がった。

「ひぁ?!」
「凄いな…溢れてくる」
「あっ…ぁ…!遊星…ッ!舐めちゃ…!ぁ…!」

秘所に舌が捩じ込まれて抜き差しされると気持ちが良くて枕をきつく抱き締める。
足を閉じようとすると押さえつけられて離れまいと口が密着した。

「ひぁ…っ、あ!…ダメ…っ、」
「んっ…姉さん…」

はしたなくじゅるじゅるっと音を立てながら吸い付き小さな突起を指の腹で押す。
ビクンと彼女の体が小さく跳ね上がれば遊星はにやりと笑みを漏らした。
このままイかせてしまおうかと突起を刺激しながらもっと奥に舌を差し込んだ。

「ぁ、あっ…ぁ…っ、んっ…んんっ…」

空いている手で胸の突起を押し潰して引っ張ると少しずつ痙攣が大きくなる。
絶頂の兆しに舌を引き抜けば秘部の突起を刺激する代わりに指を膣内に差し込んだ。

「ゆ…せ…ぇの…指…っ、あぁ、だ、め…ぁ、ひっん…!イッちゃう…っ!」
「我慢しなくていい」
「んっ…んっ…、んぁ…ぁ…」

膣内の指を折り曲げて引っ掻くように刺激すればどんどん愛液が溢れ出てくる。
勿体ないと愛液を啜って喉を鳴らして飲んでいった。

「ひぁ、ぁ…あっ」
「んっ……んくっ…、姉さんの…っ、んっ…」
「ヤダっ、ゆうせ…っ…舐めちゃ…だめ…っ、あっ、あん…っ!」

刺激が強くての声が次第に甲高くなる。
いつ誰が来るか分からない緊張感で余計興奮してくれば枕に顔を埋めて声を押し殺した。

「ひふっ、あっふっ…ぁ…あっ…イ、ッ、ぁ…イ…っ…ク…!ゆ…せ…ぇ…!」
「あぁ…イッてくれ姉さん」
「あっ、ゆうせ…、ゆうせっ…イクッ…!ぁあああっ!!」

強く刺激して指を引き抜けばぷしゃっと潮が噴き出し遊星はそれを口を付けて受け止める。
やだやだと首を振りながら体を押してくるが構わず口を付けて喉を鳴らして飲んでいった。

「うそっ…ぁ…そんなっ…ぁ…」
「ん…っ…」
「ダメって言ったのに…」
「美味かった」
「馬鹿…」

咎めれば顔を上げて唇に付いた愛液まで舐めている遊星が視界に映る。

「姉さんだって俺のを飲むだろう」
「っ…それとこれは…」
「一緒だ。飲みたいから飲んでる」

さも当たり前のように言う遊星には顔を真っ赤にして枕を投げ飛ばす。
ボスッと命中するが直ぐに枕を寄せた遊星の表情には笑みが溢れていた。

「これで姉さんの顔がしっかり見えるな」
「え…?」
「そろそろいいか?」

自身を秘所に擦り付けながら顔色を伺えば彼女の顔が更に顔が赤くなる。
布団で隠そうとしているがその前に先端を埋め込んでゆっくりと腰を進めていった。

「んっ…ぅ…ゆうせ…っぁ…」
「っ…すごいな…、絡みついてくる…」

挿れるだけで持っていかれそうなほど気持ちが良くてこのままでは直ぐにイッてしまいそうだと吐息を漏らす。
体を丸めてゆっくりと律動を開始すればがしがみついてきた。

「んぅ…遊星…っ、遊星…っ、ゆうせぇ…」
「…姉さん…っ、」
「名前…っ…名前がいい…っ、ゆうせ…っ」
…っこれ以上煽らないでくれ…!」

引っ切りなしに名前を呼ばれれば求められているようで興奮して腰の動きも速くなる。
腰を強く打ち付ければ背中に爪を立てられて引っ掻かれるがそれにすら興奮する。

…っ、好きだ…俺だけの姉さん…っ」
「ゆうせ…っ、大好きよ…っ、私の、私だけの、おとう…と…っぁ、あ…っ!」
…ッ!!」

口に噛み付いて舌を性急に捩じ込み、絡ませ合いながら激しく律動する。
飲み切れない涎や愛液が止めどなく溢れても構わず絡ませ合った。

「んふぅ、ふっ…んっ、ぁふ…っ…!ゆうせぇ…気持ちいいよぉ…」
「俺もだ…っ、はっ…イッてしまいそうだ…」
「イッて…ぇ…出して、いいよぉ…んぁ…ぁ」
「ッ……!」

奥を抉りながら激しく打ち付ければの足が腰に絡まってきて更に密着する。

「ッ……、限界だ…っ、出す…ッ」
「うん…っ、遊星…!ゆうせっ…!私も…イッちゃ…!ぁあ!」
「出る…ッ、っく…!んっ!」
「ふあぁ…ゆうせぇ…熱いよぉ…ぁ…イくぅっ…」

自身の脈動と共に熱いのが注がれればそれに感じても達する。
ガクガクと体を震わせて脱力すれば腰に絡まっていた足がベッドへと沈んだ。

「んっ…はぁ…、はぁ…、…済まない…大丈夫か…?」

汗で頬に張り付いている髪を払って撫でればは気持ちよさそうに目を細めた。
優しく撫でて労われば手に頬を寄せてくる。

「んっ…大丈夫よ…、遊星…大好き…」
「あぁ…俺も好きだ、

唇にキスを落として微笑めばも嬉しそうに笑みを漏らす。
ずっとこうしていたいがそろそろ抜かなければと腰を引くがベッドに沈んでいたの足が腰に絡みついてくる。

…?」
「……、」

恥ずかしそうだが無言の主張をしてくる彼女に小さく笑えば額にキスを落とした。

「立てなくなっても知らないからな?」
「ん…」





時間が過ぎて今は夕食後の後片付けの時間。
あれから夕方まで体位を変えて散々体を重ね合った。
後ろから突き上げてみたりが上になって腰を振ってみたりと一週間触れ合えなかった時間を埋め合わせた。
やることをやっても時間になればは身を綺麗にしてキッチンに立ち、ここに住む全員の夕飯の支度をして食べ終われば片付けをテキパキとしていた。

「姉さん、俺も手伝う」
「遊星?休んでていいのよ」
「それは姉さんの方だろう、手伝わせてくれ」

時折足元が覚束ないのはきっと腰が痛いからだろうと彼女の手にある食器とスポンジと半ば強引に奪って洗っていく。

「ごめんね…」
「謝らないでくれ。俺は姉さんの力になりたい」
「またそんなことを言って…」

嬉しい言葉に頬を染めたがぽすんと遊星の方に体を預ける。
彼女は幸せそうだがそれを後ろから眺めていたクロウは口から砂糖を吐き出しそうな思いで見ていた。

「なぁ…ジャック…」
「何だ」

ジャックは最早気にしていないのか目線は手元のカードに向けられている。

「あれって…」
「気にしたら負けだ。馬鹿が移るぞ」

馬鹿と言われてムッとしたは反応して振り返った。

「もうジャックったらまたそんなこと言って…!」
「事実だ」

怒ったがジャックの元に向かうが足が縺れて体が前に倒れていく。

「あぶね…っ!!」
「きゃっ!」

転ぶ前にクロウが手を伸ばしての腕を掴むが勢い余って二人で床に倒れ込んだ。

「いたたた…」
「いってぇ…」

間一髪のところでクロウは自分を下にしてを庇った。
抱き留めたはいいがクロウの手は彼女のお尻に添えられていて、それを遊星がしかと見ていた。

「ああっ!クロウごめん…!」
「…悪ぃこけちまって。怪我ねぇか?」
「それはクロウが下になってくれたから…!大丈夫!?」
「大丈夫だって。そんなヤワじゃねぇよ」

慌てて起き上がっただがクロウが怪我をしてないかそればかりが心配で顔を窺っている。
心配する元気があるなら無事だなとクロウは微笑むがどこからか視線を感じてそちらに視線を向けた。
すると普段あまり表情を崩さない遊星が酷く不服そうで不味いと感じ取れば慌てて起き上がった。

「ほら姉ちゃんも起きろって」
「う、うん」

何気ない動作で彼女に手を差し出して抱き起こすが手を洗ってきた遊星がクロウの肩に手を置いた。

「クロウ、今からデュエルをしよう」
「は?今から?」
「今すぐだ」

有無を言わさずリビングだと言うのにデュエルディスクを構え始めた遊星の目は笑っていなかった。

「ま、待てって遊星!今のは不可抗力だろ!姉ちゃんに怪我でもさせたらどうすんだよ!」
「それはそれ、これはこれだ。先攻は俺がもらう」
「遊星っ…!お前ちょっと人の話聞けよ!」

以前ジャックに言われた通り今まで気づかない方がどうかしていたと思うほど遊星はシスコンだった。
それとも今まで隠していたのかとクロウが考えていると遊星が思い出したように呟いた。

「そう言えばあれも見ていたな」
「あれって何だよ」
「忘れたのか?」

じっと遊星がクロウを見つめる。
何のことだとクロウは首を捻って思考を巡らせればまさか昼間のかと物陰の方を見た。

「お前…!気づいて…ッ!?」
「当然だろう」

あの時物陰から見えたオレンジ色の頭。
彼女は気づいていなかったようだが、目立つ頭が視界に入れば普通は気づく。

「遊星?何の話?」
「姉さんは気にしなくていい」

話に入ってきた彼女に優しく微笑んだ遊星はの頭を撫でる。
彼女の頭を撫でながら遊星はクロウに向き直った。

「クロウ、お前も知られたくはないはずだ。穏便に済ませたい」
「これのどこが穏便なんだよ!ジャックお前も何か言ってくれよ!」
「お前も洗礼を受けてくるといい」
「はぁ!?」

ジャックはクロウを見放し、この後クロウは遊星にたっぷりと絞られた。


fin.